猫にとって、「歯」は獲物を仕留めるための武器であり、フードを食べるために重要な役割を果たしています。そんな大事な歯が抜けてしまうと、飼い主としてはとても心配になりますよね。そこで今回は、猫の「歯」が抜ける原因と考えられる病気について解説します。
1.歯の生え変わり
猫の「歯」が抜ける原因としてまず考えられるのは、歯の生え変わり。これは子猫に起こるもので、成長に伴い、乳歯から永久歯に変わるために歯が抜けます。人間の子どもでも、同じように歯の生え変わりが起こりますよね。
猫の場合、生後3〜7ヶ月ごろに生え変わることがほとんどです。実際は、抜けた乳歯はそのまま飲み込んでしまうことが多いので、飼い主が生え変わりに気づかないケースが多いです。抜けた乳歯を飲み込むと聞くと不安になるかもしれませんが、特に問題はなく、そのまま糞に混じって排泄されます。
成長による生え変わりは自然なことなので、基本的には様子見で問題ありません。
2.高齢化
猫の「高齢化」も、歯肉の土台が弱まることで「歯」が抜ける原因のひとつです。人間同様、猫も高齢化すると体の状態が全体的に弱まっていきます。当然、歯も例外ではないです。
猫のシニア期はだいたい7歳頃から。若い頃と比べて歯が抜けやすい状態となるため、飼い猫がシニア期に入ったらフードを高齢猫用のものに切り替えて歯に負担をかけないよう配慮してあげましょう。
老化によって歯が抜け落ちた場合、他に異常がなければ様子見でも大丈夫です。ただし、老猫は歯周病なども患いやすいため、注意は必要です。歯肉の状態や異臭の有無などは、飼い主さんが日々念入りに観察しなければなりません。
とはいえ、猫の歯が抜けた原因を素人が判断するのは難しいため、愛猫が高齢の場合は、念のため動物病院の受診をおすすめします。
3.病気の影響
病気が原因で猫の歯が抜け落ちる場合もあります。その場合、考えられる病気として、以下が挙げられます。
- 歯周病
- 歯肉炎
- 破歯細胞性吸収病巣
「歯周病」や「歯肉炎」は、人間の生活習慣病でもあるので知っている方は多いでしょう。実は猫も、歯肉炎や歯周病を患うケースは多めといわれています。その症状として、歯が抜け落ちることが含まれます。
一方、あまり知られていないのが「破歯細胞性吸収病巣」という病気です。この病気は歯の組織にある破歯細胞が歯を壊していく原因不明の病気です。虫歯と見た目はよく似ていますが、虫歯ではありません。吸収病巣というものができ、歯に穴が開きます。徐々に歯が壊されていき最終的には吸収され歯がなくなったように見えます。
猫の歯が抜けた場合は、このような病気による影響も可能性として考え、早めに動物病院に相談することが重要です。放置していると、他の歯も抜けてしまうリスクがある他、体全体の異常に発展する恐れもあります。
まとめ
基本的には猫の歯が抜けたときは、病気の可能性を考慮し、できるだけ早いタイミングで動物病院を受診することが大切です。
ただし、子猫期の生え変わりはどの猫にでも起こる成長しているサインであるため、そこまで警戒する必要はありません。乳歯が抜けた後も様子見して大丈夫でしょう。
老化による場合も様子見で大丈夫ではありますが、病気のサインという可能性も捨てきれないので、念のため獣医師の診察を受けられることをおすすめします。
愛猫の歯が抜けたときには、今回の記事を参考に対応してくださいね。
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