企業・団体献金、パーティー禁止まで踏み込むべき「みんなでお金がかからない政治のあり方を」【国会トークフロントライン】

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2024-05-24 21:50
企業・団体献金、パーティー禁止まで踏み込むべき「みんなでお金がかからない政治のあり方を」【国会トークフロントライン】

自民党の裏金問題で揺れた通常国会も終盤を迎え、各党の政治資金規正法改正案が出揃った。裏金問題の実態解明がなされないまま政治資金の規制を強化するだけで政治への国民の信頼を取り戻せるのか、番組は立憲民主党の大串博志氏をゲストに迎え、各党提出の法案の主な違いと審議の行方について聞いた。(5月23日 収録・聞き手:川戸恵子 シニアコメンテーター)

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岸田総理は国会内で「極めて実効性のある案」と言ったが本当にそうなのか

ーー自民党と公明党の案が結局作れず自民党単独の提出になりました。これについてどのようにお考えですか?

立憲民主党 大串博志選対委員長
岸田総理は国会の中では、極めて実効性のある案になったと言われますけど本当にそうなのか
と問題となっている政治資金パーティーに関しても限度額に関して、未だに引き下げるという方向が十分ではないです。10万円超というところまでしか下げられなかった。公明党さんは5万円超ときた。この辺でも非常にこの決断力のなさを感じますし、あと連座制と言われるものに関しても確認書を交わした場合には、より重い責任が生じるというだけの話であって、その確認書で何をどう確認すれば事務方がミスを起こした場合に、政治家にまで責任が及ぶのかっていうのは極めてはっきりしない状況になっています。そのくらいの確認はきちんと普段からやっておくべきなので、やっぱり責任を負うべきだというふうに思いますし、これだけの裏金問題を起こしたわけですから、そのような、なんナンチャッテ連座制みたいな形じゃなくて、スパっと、連座制というものを取り入れるべきだったというふうに思います。加えて、二階元幹事長などに関して言われた5年間で50億円のいわゆる政策活動費、これも究極の裏金と言われています。5年間で50億円を何に使ったのか、どこにも資料がないし領収書もないというわけですから、これをこのままにして良いはずがないのです。それに関しても結局受けた方の国会議員の方で使途の項目別金額を政党に報告し、収支報告書を出すというのは、これ実は、何ら今の仕組みとして変わらないと思うんですよ。つまり二階さんから何がしかのお金を受けとりました。今までは誰もそれを公開してなかったってことですね。これでは駄目です。駄目ですけれども、今後、自民党が言っているのは、お金をもらったら、それを党に報告して、党の収支報告書に出しましょうねってことでしょ。政治のお金をもらったら、全て政治資金収支報告書に公開、これが法律の原則ですから何ら新しいこと言っているわけではないのです。今でもそうすべきなのです。だから、こんな政策活動費に関してもほぼ進み具合ゼロの案で非常に私は残念です。もっと踏み込みが必要だと思うのは、私達は企業団体献金の禁止、政治資金パーティーの禁止こういったものまで踏み込んでやるべきじゃないかと言っていますけど、この辺に関しては触れていないという状況になっているのでこれも踏み込み不足が非常に感じられますね。

自民党「ナンチャッテ連座制」

ーー立憲は別途、政治資金パーティー禁止法を出して、立憲はパーティーが禁止、それから国民の方は派閥のパーティーは禁止として、個人は良いっていうところだったのですよね。そこはどうして、結局は出なかったわけですよね

立憲民主党 大串博志選対委員長
かなり似通った面があるとはいえ、そうやって違った面もあったので、それはそれでお互いでやっていきましょうと。ただやっぱりまとまった形で与党の皆さんに対して物を言っていくと非常に重要なことなので、まとめられる部分をまとめていきましょうということで、特に今回非常に大きな論点であった政策活動費を禁じますといった論点であるとか、あるいはさっき言った自民党はナンチャッテ連座制、私達はしっかりした連座制をかけていこうとか、こういった重要な論点に関しては、2党1会派で合意できたのは非常によかったと思います。

勉強会はこれからも行う 「やめる」が決定したら「やめる」

ーー単独で政治資金パーティー禁止法案、それから企業団体献金禁止法案を出していますが政治資金パーティー禁止法案を出しているにもかかわらず、大串さんが6月に政治資金パーティーを開かれている。ちょっと矛盾していますね。

立憲民主党 大串博志選対委員長
私、これ定期的に行ってきている、講演会の勉強会なのです。それを定期的に開こうとしています。ただ私達は、もうみんなでパーティーをやめましょうというふうに提案しているので、みんなでパーティーをやめるというふうに決まったら、私もやりません。

ーー今は、中止するとか延期する気は全くない。

立憲民主党 大串博志選対委員長
今のところは定例のものですから予定通りやるつもりですけども、みんなで止めようということが決まったら私もやります。

パーティー券収入が無くなったらそれに見合う活動をしていく

ーーパーティーをやらなきゃいけないっていうのはそれだけお金が必要だっていうことにもなりませんか。やっぱり必要なのですか。

立憲民主党 大串博志選対委員長
今の環境下においては、私は、パーティーの収入も活用しながら事務所運営をしてきました。一方で私達はこの政治資金パーティーの全面禁止っていうのをうたっています。これを実行するとパーティー券からの収入というのはなくなります。ただそうなったとしても、それに見合う活動をしていこうと思います。ここは、もう決断というか決めですね。そういうふうにしていこうと思います。

みんなでお金がかからない政治のあり方を作っていく

ーー企業団体、企業献金禁止っていうのを出してらっしゃるけれど、小沢一郎さんは「とんでもない」って「企業団体禁止なんてとんでもない」とおっしゃってます。これもやはりそうなのかどこからお金をもらうのかっていうのはすごくあるんですけども、そこの意見の違いってどういうふうに思いますか

立憲民主党 大串博志選対委員長
一応、党の中で、私達、企業団体献金の禁止も含めてきちんと決めさせていただきましたので、みんなでこの方向を訴えていこうと思います。その上でやっぱり政治に一定のお金がかかる、これをどうしていくかに関して言うとやっぱり薄く広くお願いする個人献金も含めてですね、薄く広くお願いしていくっていうのが偏りのない政治をしていく上で私、重要だと思うんですね。だから政治資金パーティーとか企業団体献金をやらなかったら収入は減ります。しかしその分、小口で、個人の皆さんで応援してくださる方々には訴えをしながらその中でできる活動をしていこうということです。ただし、先ほど申したようにこれを政治全体でやろうということがすごく大切で、すなわち、大口のあの企業団体等々で、お金を出してくれる方々からの強い影響を政治が受けないようにしていくという意味において、すごくみんなで止めるってことは大切だと思うんですね。あの大口の一部の現金者の影響を受けないということになると基本的には、お1人お1人の有権者の皆さんに個別によく向き合える。そういう真っ当な政治になっていくと私は思うんです。ですのでみんなでお金がかからない政治のあり方を作っていくというのがすごく大事だと思います。

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