猫には『消毒液』が有害である3つの理由 飼い主さんが使うときの注意点は?

2024-05-28 20:00

市販の消毒液でも使われている薬剤には多少なりとも毒性があります。今回は消毒液に使われる代表的な薬剤3つとともに、どのような危険があるのか解説します。また猫のいる家庭の中で消毒液を使用する際にどんな点に注意するべきかも紹介します。

1.酩酊(めいてい)などの中毒を起こす(アルコール)

ボトルの中が気になる猫

市販の消毒液でもっともポピュラーなものといえばエタノール(エチルアルコール)でしょう。

エタノールは人間の病院や動物病院などでも広く消毒用として使われています。細菌やウイルスによる感染症を防ぐのに役立つ一方、体内に入ると中毒を起こす可能性がある薬剤です。

人間もお酒を飲みすぎると急性アルコール中毒になったり、最悪は命を落とすこともあり得ます。猫も同様で、体が小さい分わずかな量でも症状が出るおそれがあるため人間以上に注意が必要です。

また猫はアルコールを代謝できないと言われており、量は個体差がありますが、摂取すると消化器や肝臓、心臓などにダメージを与える可能性があります。

少量でもアルコールを舐めてしまったり、気化したアルコールを吸引することで体調が悪くなり、ぐったりすることや嘔吐をするなどの症状が現れることがあります。

2.人では死亡例もある(ベンザルコニウム塩化物)

マスクをつけた猫とスプレーボトル

塩化ベンザルコニウムなどのベンザルコニウム塩化物は、非アルコール系の消毒液によく使われる薬剤です。殺菌力を増すためにエタノールと組み合わせても使われます。

生体には比較的安全とされますが、多量に摂取すると粘膜や消化器にダメージを与えます。人間では誤飲による死亡例も報告されていますので、猫にも危険だと考えるべきでしょう。

市販の除菌・消臭スプレーに配合されるレベルであっても頻繁に使用すると、アレルギー性気管支喘息やアトピー性皮膚炎の症状が悪化することが、マウスを使った実験で確認されています。

またベンザルコニウム塩化物はエタノールと違って揮発(きはつ)しません。頻繁に消毒液を吹きつけた場所にそのまま残っている可能性があるため、猫のいる家庭での使用は控えることをおすすめします。

3.皮膚炎などの原因となる(次亜塩素酸ナトリウム)

小瓶のにおいを嗅ぐ猫

ノンアルコール系の消毒液に配合される薬剤として一般的な次亜塩素酸ナトリウムですが、塩素系の漂白剤に多く使われることから考えても決して安全なものとは言えません。

次亜塩素酸ナトリウムには腐食性があり、薄めてもゴム手袋を着用してあつかわなくてはなりません。また金属を傷める場合があるため、消毒後に水拭きする必要があります。

猫はもちろん、人間やほかの動物も皮膚や口腔内などの粘膜に炎症を引き起こすほか、舐めたり吸い込んだりすることで呼吸器や心臓にダメージを与える危険性があるとも報告されています。

ウイルスなどで汚染された猫舎などを次亜塩素酸ナトリウムで消毒する必要がある場合もありますが、猫の健康に害を与えないよう、稀釈濃度や使用後のふき取りなど配慮するとより安心して使用できるでしょう。

消毒液を使う際に注意するべきこと

猫にスプレーを吹きつける女性

猫は人間よりも皮膚が薄く薬剤に対して弱いうえに、被毛や皮膚に付着したものを舐めて摂取します。そのため猫の体には消毒液を使用しないほうが良いでしょう。

また猫は人間よりも低いところで生活する生き物なので、床などの消毒の際には猫を近づけないようにしてください。

揮発性の高いエタノールは時間が経てば消えてしまいますが、空気中に残留しないようにしっかりと換気します。次亜塩素酸ナトリウムは、消毒後は水拭きして成分を残さないようにするなどの工夫が必要です。

ベンザルコニウム塩化物については揮発も分解もせずに残るため、使用自体を避けたほうが安心な可能性も高いです。

もしどうしても使用する場合は専門家から使い方を指示してもらうようにしましょう。

人間用の製品に比べてペット用は規制がゆるく、人間には使用が制限されている成分が配合された消毒液も、普通に売られています。

たとえペット用と書かれていても安全とはかぎらないのが現状です。消毒液を選ぶ際には使われている成分について注意深く調べてみることをおすすめします。

まとめ

棚を拭く猫

消毒液には感染症などの原因となる細菌やウイルスを殺すための成分が含まれており、猫にとっても人間にとっても有害です。

ネットにはエタノールの危険性をクローズアップするような情報が目立ちますが、エタノールでなければ安全というわけでは決してありません。ノンアルコール系の消毒液でも猫に有害な成分が含まれていることは十分にあり得るのです。

上にも書いたとおり、ペット用品に対する規制は人間用よりもゆるいため、ペット用でも安心はできません。使用されている成分の安全性について、今一度飼い主さん自身が正しい使い方や消毒の効果、目的などをしっかり調べてから購入することをおすすめします。

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