猫が前脚を折りたたんで座る姿勢を「香箱座り」といいます。リラックスしている証拠…といわれることが多い座り方ですが、実はそうではない可能性も…。そこで今回は、愛猫の「香箱座り」のパターン別に見るキモチを紹介します。
1.4本の足を隠す
香箱座りの基本は、4本の足をすべて体の下に潜り込ませた姿勢です。上から見ると綺麗な長方形で、「香箱」と呼ばれるようになったのもうなずけます。すぐには動けない姿勢のため、リラックス度はかなり高いといえるでしょう。
ただし猫は、寒いときにこの姿勢を取ることもあります。足先は冷えやすいため、お腹の下に収納して温めているというわけです。長時間この状態で過ごしているときは、室温を上げてみてもいいかもしれません。
また、体調不良が原因で香箱座りをすることも。普段あまり香箱座りをしない猫が、長時間この状態で動かないときは要注意。体の不調を抱えている可能性があります。
2.前足を交差させる
前足を組むように交差させている場合もあります。正面から見るとまるで人間の腕組みのような形で、足先だけが体の下に入っているパターンです。実は基本の香箱座りよりも立ち上がりにくい姿勢で、リラックス度は最も高いといえるでしょう。
この姿勢をしているときは、猫の周りに不快なものが何もない証拠。逃げなければならない状況になることはないだろうと判断しており、完全に寛いでいる状態です。途中で何か気になるものを発見したら、前足を伸ばしてより動きやすい姿勢になったりもします。
ただし、不自然な形で足が飛び出ている場合は、足に痛みがあるかもしれません。香箱座りをしたいけれど、足を完全にしまうと痛いので出しているというわけです。
3.肉球を床に付ける
香箱座りの中でも最もリラックス度が低いのが、肉球を床に付けているパターンです。これはすぐに立ち上がれる姿勢で、休みながらも警戒心を解いていない状態。迎えたばかりの猫や、来客があったときによく見られます。
基本の香箱座りをしている途中に、突然この姿勢になることもあります。なにか気がかりなことがあって緊張状態に入ったのでしょう。また、遊びの途中で「小休止」としてこの姿勢になることもあります。
ちょっと似ている「スフィンクス座り」との見分け方のポイントは、上半身と肘です。スフィンクス座りは上半身を起こして肘を直角にしますが、香箱座りは上半身があくまで伏せの体勢であり、肘を内側に折り曲げています。
4.片前足を伸ばす
片方の前足を前方に伸ばした香箱座りは、基本姿勢の途中で見られることがあります。これは前足をストレッチしている状態。長時間折り曲げていた足を伸ばして楽にしているというわけです。
また、なにか気になるものが現れたときにこの姿勢になることもあります。飼い主さんが動き出したり、窓の外に虫を発見したり…。リラックスはしているものの、「お?なんだ?」とちょっぴり興味のスイッチが入った状態です。
そして、香箱座りの姿勢を保ちながら、つま先立ちで片足を出す猫も。
これは、ネット上で「フローフェン」などと命名されているこの姿勢ですが、どうやらとっても機嫌がいいときの仕草なのだそうです。これはあくまで噂にしか過ぎませんが、すぐに動ける姿勢でないことは確か。リラックスしている上に、「ルンルン♪」と楽しい気持ちになっているのかもしれませんね。
まとめ
猫の「香箱座り」にはさまざまなパターンがあり、状態によってリラックス度が変わるようです。
さらに、それぞれの猫のクセもあるため、そのリラックス度合いは今回紹介した限りではありません。肉球を床につける座り方が、一番寛げる猫もいることでしょう。
また香箱座りは、見方によっては腹部を守る姿勢ともいえます。そのため、体温調節だったり、痛みを隠しているという可能性もあります。その場合、愛猫にいつもと違う様子があれば、その他に異常がないかチェックするのがおすすめです。
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