猫はなぜあんなにも「水が嫌い」?2つの理由 なかには泳ぎが得意な猫もいる!

2024-06-20 17:00

猫のことにあまり詳しくなくても、猫は水が苦手、ということは多くの人が知る「常識」です。今回は、猫が水を嫌がる理由を、歴史的、生理的、2つの観点から解説します。あわせて、水中に潜って狩りするネコ科動物についても紹介するので、最後までおつき合いください。

1.命に関わるから

リビアヤマネコ

猫の起源を考えると、水を嫌う理由がよくわかります。猫の祖先は、砂漠に暮らすリビアヤマネコです。砂漠地帯は、乾燥しているうえに、昼と夜の寒暖差が激しく、日中は40℃を超えても、夜になると氷点下まで下がる場合もあります。

砂漠が夜間、極端に冷え込むのは、放射冷却現象が起こるからです。水分を含んだ土と違い、砂は熱をあまり保てません。さらに雲が少ないため、地上の熱がどんどん放射されていきます。その結果、昼と夜とでは、気温の面で真逆の世界になるわけです。

そんな地域に暮らしていると、万が一、濡れることがあったら、夜の急激な冷え込みによって体温が奪われてしまいます。体温低下で体力が落ちれば、命をつなぐための狩りもできず、最悪の場合、力尽きてしまうこともあるでしょう。

猫にとって水に濡れることは、すなわち「死」に直結しかねない状況に陥る、ということです。イエネコとして暮らす現在に至っても、砂漠出身ゆえの根源的な恐怖感、危機感はいまだに根強く残っています。

2.生理的に不快だから

シャンプー中の猫

次に、猫の毛の性質も水嫌いの大きな要因です。猫の多くはダブルコート(二層構造)で、上毛と下毛と分かれ、それぞれにちゃんとした役割があります。上毛は主に紫外線から皮膚を守ること、下毛は体温調節がメインの仕事です。

猫の毛は柔らかく、細いうえに、油分が少ないことが特徴です。油分が乏しいと、水をはじく力、つまり、撥水性に欠けます。

いったん濡れてしまうとなかなか乾きません。分泌油で羽をコーティングし、抜群の撥水力を誇る水鳥とは、その点で大きな違いがあります。

猫は多くの時間を毛づくろいして過ごします。猫にとって全身を覆う毛は、大げさに言えば自分の身を守るための「鎧」です。常にお手入れすることで、清潔に保ち、キレイに整えておく必要があります。

そんな大切なところがベッタリ濡れてしまうと、不快になるのは当然です。人間の世界で例えれば、土足で家の中に踏み込まれるようなものかもしれません。せっかく丁寧にケアした毛並みが台無しです。

スナドリネコは泳ぎが上手

水の中のスナドリネコ

以上、説明してきた理由から、猫の多くは水が嫌いです。もちろん、台所の水で遊んだり、興味津々に風呂場を覗き込んだり、苦手意識よりも好奇心が勝る子もいます。

猫の社会期(物事に慣れていく時期)は、生後2週齢~9週齢と言われ、その間に「水=怖いものではない」と認識できれば、以降、水を怖がることもないかもしれません。

他のネコ科動物の中で、例外的に、スナドリネコは泳ぎがとても得意です。スナドリネコは、インドネシア、南~東南アジアのマングローブ地帯に棲息し、前足の水掻きを活かして、水中に潜り、魚を捕らえます。命をつなぐために周辺環境に適応し、水の中に飛び込む生活を選んだ結果なのでしょう。

ちなみにスナドリは「漁り」という字が当てられ、魚を捕る、という意味です。国際自然保護連合(ICUN)が作成するレッドリストでは、絶滅危惧種に指定されています。

まとめ

水辺の猫

猫が水を嫌うのは、大きく分けると2つの理由があります。砂漠出身の子孫としての本能的な記憶、そして生理的な不快感です。もともと油分が少なく、撥水性に乏しい、という毛の構造面の問題点も関係しています。

いずれにしても、猫の根幹に深く関わっているものなので簡単にはくつがえりません。

ただし社会期のうちに水に親しんでもらえると、大人になってから水を怖がらなくなる可能性もあります。

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