“東大→ハーバード”最年少市長・髙島崚輔が重視する「対話のサンドイッチ」、きっかけは「ハーバード寮閉鎖」

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2024-06-23 07:04
“東大→ハーバード”最年少市長・髙島崚輔が重視する「対話のサンドイッチ」、きっかけは「ハーバード寮閉鎖」

弱冠26歳、歴代最年少で、兵庫県・芦屋市のトップに就任した髙島崚輔市長。市政で重視するのは「意思決定を対話で挟む」ことだという。未経験で市長となったおしゃべりな異才に、コミュニケーションの極意を聞いた。
(聞き手:篠原梨菜TBSアナウンサー)

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「一番大事なのは市民との対話」最年少市長が意思決定で大切にしていること

紺色のジャケットを着て現れた若き市長は、取材が始まると「ジャケットのボタンは開けておきましょうか。胸襟を開いて話しますよ」と笑顔を見せた。話し出すと軽快な関西弁が止まらない。

芦屋市長に就任して1年。髙島市長は「何を大事にしているのかという価値観が、やっと伝わってきた」と振り返る。様々な意思決定を迫られる市長という立場で、何を重視して決断を下してきたのか。

「とにかく市民に対してちゃんと説明できるかが一番大事だと思っています。市役所の意思決定事項は30年、40年先にも影響がある。将来生まれてくる子たちも含めて『なぜあのときああしたんですか』と聞かれて、きちんと伝えられるかが一番大事です。

今後どんどん人口が減っていく中で『今までできたことができなくなる』という難しい決定をしなきゃいけないことも増えてくると思います。そういうときに、それが市民にどう影響するかをどうやって説明をして、理解してもらって、応援してもらうか」

──市民の意見をどう取り入れて、かつ意思決定するか。難しそうに感じますが、意識していることはありますか?

意思決定を対話で挟むことでしょうか。市長は、一定数反対する人がいる難しい話を決めることが仕事なので、当然『なんでそんなことやったん』とか『反対やわ』って思う人も絶対いると思います。そのときに『理解してください、以上!』みたいにすると、納得を得られないことが多い。

そうではなくて、まず大きな方向性を打ち出し、それに対して『どう思いますか』と対話する。それを踏まえて意思決定は自分たちの責任でやって、その後に『こういう声があって、こういう理由で意思決定したんです』ってもう1回対話をするんです」

──なるほど。ですが、反対の立場の人と話すときって、耳が痛いこともありませんか?

「前提として、話を聞くのってすごく面白くて楽しいことのはずだから、大事にしたいと思っています。例えば、反対している市民の方がいらっしゃったときに、なぜ反対しているのか聞くのってすごく面白いことのはず。もしかしたら、自分たちが全く考えてなかった大きいデメリットがあるかも知れない。

結局、みんな芦屋市を良くしたいと思って提案や反対をしてくださっている。実は同じ方向に向かっていて、登り方が違うだけなので、より良い登り方があったらいいよねと思っています」

──髙島市長は、すっと人の懐に入っていく印象があります。“対話のコツ”みたいなものはありますか?

「コツというほどでもないですが、本当に思ってることを喋るのは大事かなと。それこそ、市民の方と話しているときも、ちゃんと全部喋ったらわかってもらえることが多い。経過を全部説明すると、すっと腑に落ちるっていうことがあるので、ちゃんと説明したいなと思っています」

対話重視の原体験に「ハーバード」あり

名門・灘高校を卒業し、東京大学を経て、ハーバード大学に入学した髙島市長。「対話」にこだわるようになった背景には、ハーバードでのあるできごとがきっかけだったという。

「自分の中での大きな原体験が、ハーバードの寮から新型コロナ禍で追い出されたこと。火曜日の朝8時にメールが来て、『日曜日に寮を閉める、つきましては全員帰れ』と連絡が来たんです。『今年は卒業式もやりません』って5日前に言われて。4年生の子たちはそれで大学生活が終わることになりました。

そのときに、寮のトップの先生がみんながいるリビングや食堂に降りてきて、ひたすらみんなと喋っていて。寮の先生もこの決定をメールで知っただけなので、たくさん情報を持っているわけじゃないけど、1人1人と向き合ってずっと喋り続けていた。これはすごいなと思いました。

そういう対話を通じて、みんな徐々に納得というか、理解するようになって。最後はすごくいい感じで終わったんですよね。特に4年生にとっては、大学生活の最後の瞬間がどうだったかって大事なので、そこで改めて、コミュニティの中で対話を通じて人間関係を作っていくっていうのは大事だなって思ったんです」

「市長が見えるように」市役所内でのふるまいは?

──これまで市民との対話について聞いてきました。職場である市役所の中ではどうでしょう。風通しは良くなりましたか?

「自分が就任する前はわからないので…(笑)でもたまに『市長が見えるようになった』と言われるようになりました。最初はそれこそ、いきなり現場の人に電話すると、『絶対やめてください』と注意され、徐々に組織というものを学びました。一方で、『こういうことやってるんだな市長は』っていうのが見えやすくなったのは変化かもしれません」

──未経験で市長になったわけですが、職員とのコミュニケーションで大事にしていることは?

「とにかく、わからないことは聞く。ちゃんと詰めて聞くっていうのは、市役所内ではすごく大事にしていて。これまで行政の中で働いたことがあるわけでもないし、議員みたいなことをやったこともあるわけではないので、いわゆる“常識”みたいなものはないと思うんです。だからこそ、率直にこれって何でこうしてるのかなとか、どうして今こういう意思決定しているのかっていうのを、疑問に思ったことは全部聞こうとすごく心がけていました。

最初は面倒くさいと思われていたかもしれないけど、『ようわからんけどいっか』ってやると、最終的に跳ね返ってくると思っています」

職員に初日に伝えた事 壁は「法律」なのか「常識」なのか

わからないことはすべて聞く。そんな髙島市長から、職員にお願いしたことがあったという。

「5月1日に就任して初日に市長の訓示をやるんですが、そのときにお願いしたことが、“できない理由”をちゃんと考えて欲しいということ。『無理やな』って思ったときに、それが法律なのか、それとも常識によってできない無理なのかは分けてくださいとお願いしました。違法じゃなくて、いけそうで、だけど常識外れなんだったら、それはやりようを考えて欲しい。

これを1日目に言ったので、現場からは『これは本当に違法です』とか、『確かに可能性はゼロではない』と言ってもらえて、だったらこういうところに確認してみたらどうですか?と提案できる。もちろん市役所も組織なので、“組織の中の論理”を尊重することは、大事なことであるけれども、それが一番上になっちゃ駄目だよねと思っていて。一番はやっぱり市民にとって良いか、市民全体のためにいい芦屋を作れるかってことで、そのために組織がある。そこを逆にしてないかってことだけは、常に考えています」

(TBS NEWS DIGオリジナルコンテンツ「シノキャリ」より)

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