猫に声をかけるときは「シ」や「ス」音を使わないで…英国の獣医による慈善団体が訴えています。猫にとってこの音は威嚇に聞こえるからです。よりよいコミュニケーションのために、人間が知っておくべきルールのようですね。
威嚇音に聞こえる「シ」「ス」
猫に「シ」「ス」の音を含む声で呼びかけないで…専門家がこう訴えています。
英語圏でよく使われる猫へのよびかけ声は「Puss(プス)」ですが、これは「S」(=ス)の音を含むため、猫にとってはケンカを売られているように感じるそうです。
そういえば、猫同士のけんかでは、「シューシュー」「シーシー」という威嚇音を発していますね。
獣医による慈善団体PDSA(The People's Dispensary for Sick Animals/英国)で看護士を務めるGemma Renwickさんは、次のように話しています。
「猫は特定の音をよく聞き分け、とくに『S』の音は好きではありません。猫同士の威嚇音に似ているためでしょう。人間が猫の注意を引きたいため『Puss』とよびかけるのは、まるで猫に悪態をついているようなものです。それよりも、猫の鳴き声をまねて『ニャー』とよびかけたほうがいいですね」
猫の気持ちを尊重して
「大人の猫同士はあまり鳴きませんが、人間とコミュニケーションをとるために、猫たちは鳴き声を使うようになったのです」
猫とのコミュニケーションに関しては、人間が誤解していることも多いと彼女はいいます。
「抱っことか、それ以外の愛情表現は、猫にとっては迷惑なこともあるのです。近づいていくと猫が逃げたり、抱っこしていた手を放すとすぐに逃げたりする場合は、さわってほしくないか、もっと距離を置いてほしいと猫が考えているしるしです」
ではどうやって猫と仲良くなればいいのでしょうか。
「猫が自分からやってくるのを待ってください。抱っこされたいときは、猫から近づいてきます。そうすればお互いに楽しくスキンシップができますよ」
「ゆっくりとまばたき」が効果的
さらにもうひとつのコツは「目を直接合わせないこと」だそうです。
「目と目を合わせるのは、猫にとって脅威になります。でも、人間が猫に向かってゆっくりとまばたきをすれば、それは愛情表現なのです」
Gemmaさんはさらに続けます。
「レーザーポインターを追いかけさせて遊ぶのは、いつまでも獲物を捕まえられない猫をイライラさせてしまい、逆効果です。それから気をつけたいのは、レモンなど柑橘系の香りの洗剤を猫トイレに使うこと。猫はこの香りを嫌うので、トイレを使わなくなる恐れがあります」
人間の常識で「よかれ」と思ってふるまうことが、愛猫にストレスを与えている場合もあるようです。愛猫家は気をつけたいですね。
出典:Cat owners need to stop saying ‘s’
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