サイバー攻撃を受け、個人情報の流出が確認されている大手出版会社「KADOKAWA」。サイバー攻撃を行ったとされる組織が、「情報をさらに流出させた」と主張していることを明らかにしました。
【写真を見る】「情報をさらに流出させた」KADOKAWAにサイバー攻撃で広がる影響 従業員の個人情報や取引先との契約書などが漏えい 書店では本が届かない状況も…【news23】
「本が届かない…」個人情報さらに流出か
「BLACK SUIT」を名乗るハッカー集団がダークウェブ上に掲載した犯行声明。
「BLACK SUIT」の“犯行声明”
「『KADOKAWA』は金を払い前進する方が得策だろう。さもなければ、すべてのデータを7月1日に公開する」
出版大手「KADOKAWA」に対し、身代金要求型のコンピューターウイルス「ランサムウェア」によるサイバー攻撃をしかけ、社内の機密データなど1.5テラバイト分を盗み出したと主張しています。事態を受け、KADOKAWAの夏野社長は…
KADOKAWA 夏野剛社長
「ランサムウェア等の攻撃を受けたことをうけ、他のサーバーに被害が及ばないよう電源をシャットダウンするなど、攻撃を受けていないサーバーも、いま機能を停止している」
今回、標的となったのは動画配信「ニコニコ」などのサービスですが、被害の拡大を防ぐため、全てのサーバーをシャットダウン。そのため、KADOKAWAの公式サイトやオンラインショップなど、他のサービスも一部が使用できなくなったのです。
その影響は書店にも。システム障害で書籍の発注システムが停止し、これまで通りには本が届かない事態に。KADOKAWAから送られてきたFAXには…
中村橋書店 塙靖沖 店主
「確実にいつ届けられるかは、このような事態なので、なかなか難しいというような内容が書かれています」
今は客からの注文は全て断っているといいます。
こうした事態に、KADOKAWAの株価はおよそ22%下落。影響は広がる一方です。
セキュリティに詳しい専門家は、今回の犯行について…
NTTデータグループ 新井悠さん
「企業の取引に使っているシステムを暗号化して使えなくしてしまう、『元に戻してほしければ、お金を払いなさい』というのが脅迫の仕方。『盗んだ情報を暴露されたくなければ、お金を払いなさい』と、2つの脅迫をしてくるのがこのグループの特徴」
今後、懸念されるのは情報流出の拡大。
KAWADOWAは6月28日に、子会社「ドワンゴ」の全従業員の個人情報や取引先との契約書などが漏えいしていることを発表していますが、7月2日に発表したリリースでは…
KADOKAWAのリリース
「7月2日、当該組織が当社グループの保有する情報をさらに流出させたと主張していることを、確認いたしました」
KADOKAWAは「信ぴょう性を調査している」としていますが、専門家は…
NTTデータグループ 新井悠さん
「未明から第1弾と思われる情報の暴露が実は始まってしまっている。いろんな利用者の個人情報などが暴露されてしまっている状況」