犬語であるボディランゲージは世界共通です。置かれた環境によってボディランゲージの使い方とその意味に違いを示すことはあっても、基本として示している意味が異なることはありません。犬が何を感じ何を思っているのかを理解するためには、まずなにより「ボディランゲージ」を読み取ることが必要不可欠です。とはいっても、いきなり見極めるというのはなかなか難しいので、今回はざっくりと見極めるボディランゲージを読むポイントをお教えします。
ポイントは「硬いか、柔らかいか」
犬のボディランゲージを読み取ることは、決して簡単ではありません。また、ボディランゲージを読み取れたとしてもそれが完璧にあっているとは限らず、本当のところはどうなのかは犬自身にしかわからないのです。
しかし、それでも犬のボディランゲージを読み取ることができるようになれば、前後の文脈と合わせてその犬がどのような気持ちでいたか、どんな変化を望んでいたかを推測し、手助けすることができます。
もしボディランゲージが全くわからないとなると、その時その瞬間犬がどんな気持ちでいるのか、少なくとも不快なのか快なのかの判断ができず、犬を助けることができません。
とはいえ、正確に犬のボディランゲージを読み取るとなると、耳からしっぽの先まで体全体の動きを見る必要があるのですが、不快か快かを簡単に見極める程度のポイントを押さえれば今からでもそれを読み取ることができます。
それは、全体的な雰囲気が硬いか柔らかいか、です。
犬のボディランゲージの基本として理解すべきポイントは、「硬い」は「不快(不安・恐怖といったネガティブな気持ち)」を示し、逆に「柔らかい」場合は「快(リラックス・安心・楽しいなどポジティブな気持ち)」を示している、ということです。
これらが複雑に絡み合って1秒毎に移り変わるので、犬のボディーランゲージを読み取るのは難しく大変…と言われています。
しかしそれでも、ひとつひとつの意味を理解しなくてはいけないわけではなく、その瞬間の様子で硬いか柔らかいかをよく観察し察することができれば、「リラックス」しているのか「不安」なのかは区別できますのでまずはその違いからですね。
「しっぽを振る」本当の意味を理解する
犬の全体的な雰囲気が硬いか柔らかいかを確認する上でよく観察してほしいボディランゲージのひとつに、「しっぽを振る」動作があります。
しっぽを振っているということは喜んでいるサインだ、というのが一般的によく考えられている意味合いでしょう。
しかし実際は、しっぽを振っているということは喜んでいるかどうかではなく『興奮しているかそうでないか』です。興奮していればしっぽを振りますから、それがポジティブな感情なのかネガティブな感情なのかはまた別の話なのです。
「興奮+動き」の様子が「硬い」か「柔らかいか」で「快」「不快」を見極め、さらには振っているしっぽの高さ・位置がどこにあるかで判断をしていきます。しっぽの位置が高ければ高いほど興奮も大きく、また「威嚇」「闘争」というような、決して相手にも自分自身にも望まれない気持ちである可能性が高いのです。
逆に、ある程度の高さがあっても、ふわっと柔らかく揺らしている様子であれば、「嬉しい」「楽しい」というようなポジティブな感情でのサインの可能性が高くなります。つまり、「しっぽを振っている」といってもそれがどのように・どの位置で振っているかで全く意味が違ってきます。
このように、ボディランゲージでは同じサインでも前後の文脈で意味が異なることが多々あるので、くれぐれも注意が必要です。
犬のボディランゲージを読み取る勉強をしよう
ここまでざっくりとボディランゲージについて書いていますが、それでもだいぶ難しいと感じている方は少なくないと思います。
素人が何もわからずボディランゲージを読もうと思っても、1秒毎にそのサインは移り変わり、前後の文脈含めて考えなければいけないため、とても大変です。だからこそ、ぜひボディランゲージを読めるドッグトレーナーに頼って、ボディランゲージの読み方を学んでほしいと思います。
例えばあなたが外国語を全く話せないとして、それでも海外へ行かなければならなくなったり、または海外に連れてこられたとします。そのような場合、どうにかして現地の人とコミュニケーションを取れるよう、現地の言葉を学び、少しでも話したり書いたりができるようになろうと努力しますよね。
その際に、もし言語面で頼れる相手がいれば、その言語を習得するうえで近道ですし、困りごとの解決や予防としても大いに役立ちます。
犬のボディランゲージはまさにそれと同じで、独学だと遠回りで失敗もたくさんしてしまいがちですが、ボディランゲージが読めるプロに頼ることでスムーズに前に進むことが可能です。
ボディランゲージが読めることはただ犬の気持ちを理解するだけではなく、犬と生活をともにしていくなかですべてにおいて必要になるスキルだと言えます。
まとめ
犬のボディランゲージを読むのは、実際非常に難しく、決して簡単なものではありません。
しかし、あえてそれを簡単に読むポイントがあるとすれば、それは全体の雰囲気が硬いか柔らかいか、です。この違いを判別できればある程度判断することはできます。
それでも当然最初のうちは「柔らかいと思ったらそうではなかった…」ということもあるので、必ずしも完璧ではありませんが、少なくとも犬にとっては飼い主さんに自分の気持ちを伝えれば伝わるかもしれない…と思ってもらえるようになるのは間違いありません。
いろんなトレーニングをやる前に、まずはボディーランゲージによるコミュニケーションを大切にして、信頼関係を築いてほしいと願います。
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