福井県の敦賀原発2号機の再稼働をめぐる審査で、原子力規制委員会の審査チームは先ほど、原子炉の真下に活断層があることを否定できないとして「新規制基準には不適合」との判断を示しました。再稼働を認めない判断が、初めて下ることになりそうです。
【動画】敦賀原発2号機、再稼働「認めない」判断が初めて下る可能性も 新規制基準「不適合」
福井県の敦賀半島の北に位置する、敦賀原発2号機。東日本大震災をきっかけに2011年から運転を停止していて、その後、施行された原発の規制基準では活断層のある地盤に原子炉などを設置することを禁止しています。
今回、問題となっているのは、2号機の原子炉の真下にある断層。これが、活断層の可能性がある「K断層」とつながっているかどうかが審査の焦点となっています。
真下の断層について事業者の日本原電はこれまでに。
日本原電のこれまでの主張
「原子炉の真下の断層は活断層ではない」
これに対し、原子力規制委員会は日本原電の説明は不十分だと指摘しています。
原子力規制委員会 山中伸介委員長
「事業者の説明に科学的、技術的な説明とは考えにくい部分がある」
規制委員会は、先月には最終判断のための現地調査も実施しています。
10年ほど前に現地調査を行った当時の有識者会議のメンバーは、活断層ではないと証明することの難しさをこう指摘します。
東京学芸大学 藤本光一郎名誉教授
「(活断層かの判断は)非常に困難を伴う地層であることは、現地に行って本当に強く感じました。事実上、活断層であることを否定するのは困難だろうと。(再稼働を認めない判断は)基本的には妥当な判断だと思う」
そして、規制委員会の審査チームは先ほど、日本原電の主張を認めない判断を示しました。
原子力規制委の審査チーム
「明確な証拠により否定できていないこと。K断層の活動性および連続性について、設置許可基準規則3条3項に適合しているとは認められないと判断した」
規制委員会が今後、審査チームの報告を了承すれば、再稼働を認めない判断が初めて下ることになります。