明治学院大学の田中鉄二准教授が、衛星画像から得られる早期予測情報を使い、世界の農産物市場を安定化させる可能性を示す論文を発表しました。
論文の概要
論文名:「Satellite forecasting of crop harvest can trigger a cross-hemispheric production response and improve global food security」掲載誌: Communications Earth & Environment
DOI:https://doi.org/10.1038/s43247-023-00992-2
論文URL: https://www.nature.com/articles/s43247-023-00992-2
著者: Tetsuji Tanaka, Laixiang Sun, Inbal Becker-Reshef, Xiao-Peng Song & Estefania Puricelli
この論文では、早期予測情報を使って食料供給を安定させる方法を提唱、実証しています。さまざまな地域と季節の農作物予測情報を、市場価格の安定化につなげています。
早期予測による市場安定効果
早期に不作や豊作の情報を得ることで、市場価格の変動を幅を抑えることが分かりました。例えば、ロシア・ウクライナ地域での不作は、1.2%-9.3%輸入国の価格を上昇させ、豊作の場合は5.5%-12.6%価格を下落させる効果が確認されました。さらに、ブラジルの大豆の不作の場合は、7.3%-22.3%の価格下落、すなわち市場安定効果が認められました。今後の展望と課題
今後は、本研究がさらに詳細な分析を行うとともに、農作物モニタリングの精度を向上させ、金融市場に更なる影響を与えることを目指します。特に、この種の市場安定化メカニズムは、金融市場の介入なしに、早期予測情報を全世界の農家がアクセスできる形で提供し、市場の自由な動きを利用することで、世界の食料安全保障を改善できる点が評価されています。田中鉄二准教授および明治学院大学について
田中鉄二准教授は、明治学院大学 経済学部 経済学科に所属。研究情報は以下URLにて参照いただけます。https://gyoseki.meijigakuin.ac.jp/mguhp/KgApp/k03/resid/S000555
明治学院大学は、「キリスト教による人格教育」と学問の自由を基礎とする教育理念を持つ大学です。創設者であるJ.C.ヘボン博士の教え“Do for Others(他者への貢献)”を守り、各学部学科で専門分野に関する知識・技能および知的応用能力を身につけた人間の育成を目指しています。
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