きのう閉幕したパリオリンピック™。史上最もサステナブルな大会を目指していたフランスでの取り組みを日比キャスターが取材しました。
【動画】「SDGsなパリオリンピックとフランス」市内に1200超の給水スポット 破棄のフランスパンも再利用 3Dプリンターで美食に 日比キャスターレポート
メダルラッシュに沸いたチームニッポン。選手の胸に輝くメダルにはエッフェル塔の鋼材が再利用されるなど、パリ大会では環境に優しい「サステナブル五輪」が掲げられました。
日比麻音子キャスター
「パリ市内には、誰でも水を無料で飲むことができる施設が1200か所以上設置されています」
使い捨てのプラスチック容器を減らすため、会場周辺や街の中に給水スポットが設置され、マイボトルを持って利用する観客の姿も見られました。
“サステナブル”な習慣は「パリの台所」と言われるマルシェでも…
日比キャスター
「例えば、これ(パプリカ)はいくらですか?」
店員
「これは1キロが2.5ユーロ(約400円)、3個で1キロです」
野菜やフルーツは量り売り。1つから購入できます。
パリ市民
「週末までの必要な量を選んで買っています」
パリ市民には、新鮮な食材を必要な分だけ購入する生活スタイルが根付いています。さらに、“あの食材”を再利用する取り組みも…
日比キャスター
「たしかにもう硬いですね」
フランスでは毎年、国民一人当たり9本のフランスパンが廃棄になってしまう中、「捨てられてしまうフランスパン」を生まれ変わらせるのが、この「3Dプリンター」です。
パンを砕いてできた粉末などを3Dプリンターに投入。デザインを決めて成形します。
ラ・パティスリー・ニュメリック マリヌ・コレ・ベイェー社長
「海辺で自分に砂をかぶせると動けなくなりますが、プリンターが行っているのは、そのような作業」
粉末の中で成形された生地をオーブンに入れ、焼きあがるのを待つこと3時間。完成したのは、花の形をしたクッキー生地。繊細な編み目模様など、さまざまな形を簡単に作ることができます。余った粉末は再利用も可能です。
日比キャスター
「これはもうアートですね、芸術的」
そして、一流パティシエの手にかかれば美しいケーキに大変身!
日比キャスター
「セボン、おいしい。さすが、芸術と美食の国・フランスだからこそできる発想なのかなと思います」
すでにパリ市内のパティスリーで、この技術を使ったケーキが販売されています。
マリヌ・コレ・ベイェー社長
「フランス料理は堅い世界なので、余ったもので食べ物を作る方法を浸透させるのは難しかった。(国連の食糧問題について)おいしく食べられる解決策を見つけていきたい」
オリンピックで注目されたフランスで、サステナブルな取り組みが広がっています。