民主派勢力などによる激しい攻勢で苦境に立つミャンマー軍事政権のトップは、経済的につながりの深い中国の王毅外相と会談しました。緊迫する情勢の安定化などについて意見を交わしましたが、両国の関係には溝も生まれているようです。
ミャンマー軍のミン・アウン・フライン総司令官は14日、首都ネピドーを訪れた中国の王毅外相と会談しました。
総司令官は「両国の友好的な協力関係をさらに発展させる」とした上で、国を安定させ、「民主的な総選挙の実施を準備している」と述べ、中国側に理解を求めました。
一方、中国外務省によりますと、王毅外相は会談で「中国は内政不干渉の原則を堅持する」とした上で、「ミャンマーが早期の政治的和解を実現し、長期的な平和と安定を達成する道を見出すことを断固として支持する」と表明しました。
また、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」を推し進めるため、ミャンマーとの協力関係を強化したい考えを示しました。
3年前の軍事クーデター以降、戦闘が長期化するミャンマーでは、中国と国境を接する地域を中心に少数民族武装勢力などが攻勢を強め、軍の司令部を含む要衝を相次いで制圧しています。
ミャンマーの独立系メディアは、貿易ルートや投資計画への影響を懸念する中国が一部の少数民族を水面下で軍事的に支援しているとして、ミャンマー軍が不満を募らせていると報じていて、両国の溝がさらに深まる可能性もあります。