私がまだ雇われているときに実際の問い合わせでよく聞かれることがあったのが「シャンプーなしでカットだけしてくれませんか?」という内容のものです。恐らくシャンプーなしでカットだけしてくれるサロンはまだ少ないと思いますが、これには理由があります。ではどんな理由があってカットのみの対応をしていないのかについてお話しましょう。
シャンプーなしで犬をキレイに仕上げることができない
カットだけしてもらえないかという問い合わせとしては、やはりトリミング料金をできれば抑えたいという気持ちが大きくある傾向にはあります。
それはもちろん悪いことではありませんが、プロの手でシャンプーをしてブローをしなければまず被毛をキレイにカットして仕上げるということはできないのも事実なのです。
恐らく飼い主さんのイメージでは、シャンプーしてドライヤーまでしてカットさえプロに任せれば、雑誌で見るようなきれいな仕上がりになると思っているでしょう。
しかしそうではなくしっかりと洗って汚れを落とし、ブローで毛流れを見ながら被毛を伸ばすことができなければ、どんなにカットを頑張っても美しい仕上がりにすることはできません。
サロンに美しいカットを求められている以上、シャンプーなしでカットのみというのは求められるものを提供できないのです。
シャンプーなしでカットをすると道具を傷めてしまう
また、もうひとつの理由としてはバリカンやハサミといった道具を傷めてしまう可能性があるということです。
必ずしも傷めてしまうということではないのですが、その子の被毛の状態によっては刃の部分がダメージを受けてしまい切れ味を落としてしまうこともあります。
そうなれば次の子のカットにも支障が出てしまいますし、メンテナンスのために依頼する時間も必要になるため、カットのみで引き受けることに前向きではないケースも少なくありません。
ただ必ずしも傷めてしまうということではないためなんとも言えない部分ではありますが、そうしたリスクを考えてカットのみはお断りにしている場合もあります。
サロンの方針で受付ができない
最後はサロンの方針という雇われではどうしようもできない理由です。
たとえそこに勤務しているトリマーがカットだけでも受けてあげたいと思っていたとしても、経営者の方針でそれはしないと決めている以上は勝手にシステムを変更することはできません。
逆にそれぞれのトリマーの判断に任せるというケースもあるため、そうした場所であればメニューには記載されていなくても対応してくれる場合もあります。
ただ、カットのみのトリミングをしてくれるトリミングサロンはまだ多くないとはいえ、それでも10年ほど前に比べたら対応してくれるトリミングサロンも増えてきているのも事実です。
その背景として犬に負担をかけたくない、できるだけ負担を減らしながら飼い主さんに寄り添いたい、といったトリマーが自分でお店をもってきているというのがあります。
そうした動きはハズバンダリーケアという形でも見られるようになってきているため、一度相談してみたり近くでそうした取り組みをしているトリミングサロンがないかを探してみましょう。
まとめ
犬のトリミングでカットのみ対応してくれるサロンはまだ少ないように思います。
しかし、それでも昔に比べるとそうした要望にも応えてくれるトリミングサロンは増えてきているため、犬の負担を減らすためのひとつの選択肢として問い合わせてみることをおすすめします。
ただし、シャンプーなしでカットのみとなるときれいな仕上がりにすることは難しく、シャンプーありの場合と比較すると仕上がりは落ちるため、それは留意しておくようにしましょう。
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