静岡市とAホールディングスが連帯協定締結 新技術「亜臨界水総合システム」でPFAS除去に取り組む

2024-08-23 17:00

健康に深刻な影響を及ぼすことが懸念されている化学物質「PFAS(ピーファス)」の除去に貢献する新技術が注目を集めています。8月21日、東京都内で開催された包括提携式および調印式において、Aホールディングスと静岡市が「亜臨界水総合システム」を用いたPFAS除去に向けた連携協定を正式に締結しました。この「亜臨界水総合システム」は、人体に蓄積されやすく、様々な健康リスクを引き起こす可能性があるPFASを効率的に除去することが可能となる先進的な技術です。Aホールディングスは、この技術の普及とさらなる研究開発に努めており、静岡市との協力を通じて、地域社会の環境保全と市民の健康を守る取り組みを強化していく方針です。

高濃度PFAS問題に挑む静岡市とAホールディングスの協力

静岡市長 難波喬司氏

PFASは「永遠の化学物質」とも称され、脂質異常症や肝臓がん、免疫不全などの健康リスクを引き起こすとされています。2010年から2021年にかけて製造・輸入が原則禁止され規制が強化され、今は新たにつくられることはありません。しかし、今も自然界にPFASは残留しており、全国の河川や地下水から国の暫定目標値50 ng/Lを超えるPFASが検出され深刻な問題となっています。これに対する対策は各地の自治体にとって急務の課題です。
静岡市でも2023年秋、静岡市清水区の三井・ケマーズ フロロプロダクツ工場周辺の三保雨水ポンプ場から、多いときで1万ng/Lという高濃度のPFASが検出され、対応が急がれました。市は対策チームを設置し、当初活性炭による対策を検討しましたが、維持費などのコスト負担や使用済み活性炭の処理問題が障壁となっていました。
そこで、Aホールディングスが提案したのが「亜臨界水総合システム」によるPFAS除去技術です。
「もともとAホールディングスグループと静岡市は別事業でお世話になっており、その中で今回の提案と実証実験の機会をいただいたという次第です」
Aホールディングス傘下で亜臨界水総合システムを運営するウォーターアリンテック担当の黒部功さんはこう語ります。
システムは4月から現場検証を行い、今年7月にPFASを最大88.7%除去することに成功しました。静岡市長の難波喬司氏は、PFASには発がん性リスクがあることが確認されており、市民の健康を守るためには工場だけでなく行政の対応も必要です。Aホールディングスは福島県の原発事故でのトリチウム除去の実績もあります。そうしたことから今回の連携協定を結ぶことを決めたと述べました。

Aホールディングスの取り組み

亜臨界水総合システムは、「亜臨界水処理装置」とPFAS除去用の「加圧浮上分離装置」「各種発酵装置」の3つの装置から構成されています。特筆するのは加圧浮上分離装置。この装置は、特殊な薬品を水のなかに投与することによってPFASと水を分離させ、PFASを水面に浮かせて分離するという役割を担っています。

そして分離したPFASを泡(超微細気泡=ナノバブル)状に吸着して表層の泡をかき出すことで水をほぼ無害化することができるということです。

ウォーターアリンテック代表取締役青山慧氏

ウォーターアリンテック代表取締役の青山慧氏は、「薬剤の調整や量の微調整によって、更なる数値改善が可能です」さらに、「今回のPFASの処理は1日最大1万t以上の大量の水を扱いますが、このシステムなら充分処理することができます。それに加えてPFAS除去のため長期運用していくことを考えると、メンテナンス、ランニングコストが安価であることも大きなポイントです」と付け加えました。
比べて、従来の活性炭によるPFAS除去は1機あたり1日50t。さらにフィルターの点検や交換が必要でしたが、亜臨界水総合システムはその必要がなく、コスト面でも優位性があるとされています。

課題と今後の取り組み

また、現在実験段階の亜臨界水総合システムですが、今後解決していく課題もいくつかあります。
例えば最近頻繁に静岡県に接近する台風や豪雨被害への取り組みが挙げられます。それについては、現在屋外設備での運営であるものの、将来的には建物の中に移設するか、あるいはカバーをかけて対応することを考えているとのことです。
また雨水や河川、海の潮の満ち引きの関係で下水の量が日によって大きく変動があるため、それも検証していかなければいけないとのことでした。

Aホールディングス代表取締役社長粟井英朗氏

Aホールディングスの粟井英朗代表取締役社長は、「現在、日本は経済発展の面でアメリカやインドなど他国に後れを取っていると言わざるを得ません。しかし、人類、ひいては地球を救うシステムを日本から世界に発信できると私は信じています。静岡市がこの技術に期待を寄せてくださったことに、改めて感謝申し上げます」と述べました。

難波市長 調印式

会見に同席した山梨県知事の長崎幸太郎氏も、「山梨県でもPFASが問題となっており、放置しておけば自然に解決するというものではありません。Aホールディングスと静岡市が協力してこの問題に取り組むことに、大きな期待感があります」と語りました。

静岡市長の難波氏は、「静岡市はSDGs環境先進市としてPFASの問題をAホールディングスと連携して取り組んでいきたいと考えています。この取り組みが世界中の環境問題解決につながることを目指したい」と力強く語りました。
Aホールディングスの中核企業である富士山の銘水株式会社ではPFAS除去機能付き浄水サーバーの販売を予定しています。亜臨界水処理技術を用いた家庭用装置も開発中です。より消費者に近いところからもPFAS問題に取り組む姿勢から、企業の環境問題への真剣さがうかがえるようでした。

  1. 【19日 今後の天気】北海道は雪・風のピーク越える 関東・東海は冷たい北風やや強まる見込み 三連休は各地で4月並みの暖かさに
  2. 【本田真凜】金メダルの“りくりゅう”ペアに「本当に感激」女子フリーも「しっかり応援したい」
  3. 埼玉・狭山市で住宅に複数人が押し入り現金奪い逃走 住民の男性が殴られけが 埼玉県警
  4. 【 加藤綾菜 】 夫・加藤茶への愛が詰まった「ポークソテー」を披露 栄養バランス抜群の〝加藤家〟最新メニューを公開
  5. 【がん闘病】歩りえこさん 悔いなく生きるために「やりたいことから先にやる」「他人と比べない」「自分の心に正直に」
  6. 全検察官対象の倫理研修実施へ 相次ぐ現職検察官の不祥事受け、畝本検事総長が表明
  7. FRUITS ZIPPER鎮西寿々歌、超ミニ丈ですらり美脚ショット公開!「かわいいしかっこいいし最高」
  8. ほしのあき、美くびれ際立つトレーニングウエア姿公開!「すばらしい」「美しい」
  9. 80兆円規模の対米投資“第1弾” 日本側は本当にWin-Win?「本当に工場が建つのだろうか」経済官庁の幹部からは不安の声も【news23】
  10. 「国民の信頼を損ないかねない重大な事案」警察庁長官 全国警察に指導を行う考え “神奈川県警第二交通機動隊の不適切取り締まり問題” 警察庁
  1. 【 小倉優子 】 中1長男の「プチ反抗期弁当」を公開 「お野菜、いらないらしいです」“彩り”封印の「茶色弁当」に共感の声続々
  2. 不動産会社社長がマンション売買益などを確定申告せず法人税約4300万円脱税か 東京国税局査察部が刑事告発
  3. 「本格的な戦争に近いものに」アメリカがイランに近く大規模攻撃か 米アクシオス報道 CNNテレビ「早ければ今週末にも攻撃準備が整う」
  4. 【独自】他人名義の通帳で現金50万円を盗もうとしたか 指定暴力団稲川会系関係者の男(24)を窃盗未遂の疑いで逮捕 取り調べに黙秘 警視庁
  5. 滋賀・米原市の雑木林女性遺体 逮捕のシリア国籍の男はおととし短期滞在の在留資格で来日、 事件当時は派遣社員として働く
  6. 犬と暮らせば【第529話】「それはそれでイヤ」
  7. 新感覚の辛旨インパクト、マルちゃんから「濃厚味噌旨辛タンメン」新登場
  8. 「春節」連休に異変 日本への「渡航自粛」で中国人観光客を取り込んだタイ・韓国【news23】
  9. 「稀代の詐欺師」再逮捕 8億3200万円を業務上横領の疑い 馬毛島の自衛隊基地工事への参入画策か
  10. クッキーを貰ってはしゃぐ大型犬→うっかり落としてしまい…情報量が多い『まさかの展開』が17万再生「テンポよくて草」「スピード感えぐいw」
  11. 80兆円規模の対米投資“第1弾” 日本側は本当にWin-Win?「本当に工場が建つのだろうか」経済官庁の幹部からは不安の声も【news23】
  12. 高級車「レクサス」など50台以上を盗んだとみられるブラジル国籍の男3人逮捕 特殊機器「CANインベーダー」使用か いずれも容疑否認