中小企業のM&Aをめぐって、悪質な買い手企業によるトラブルが相次いでいる問題で、仲介会社の業界団体が悪質な買い手企業をリスト化すると発表しました。
【動画】後継者不足に悩む中小企業から資金を抜き取り、失踪…仲介会社の業界団体が悪質な買い手企業のリスト化を発表 中小企業M&A問題
金砂郷食品 永田由紀夫 社長
「一番酷い時は売上が約4割減った。つらかった。継続するとうちの会社も倒産してしまう」
この問題をめぐっては、後継者不足に悩む茨城県の納豆業者が大手仲介会社に紹介された投資会社「ルシアンホールディングス」にM&Aで事業を引き継いだものの、ルシアン社側は経営をほとんど行わず、資金を抜き取って姿を消した実態をJNNが報道しました。
金砂郷食品 永田由紀夫 社長
「約束と全然違うし、やっていることもいい加減。お金も含めて許されることではないので、非常に憤慨した」
行方をくらましていたルシアン社の幹部を記者が直撃すると…
ルシアン社幹部(先月)
「(Q.TBSテレビの者ですが○○さん?)すみません、違います。(Q.ルシアン社の件についてうかがいたい)急いでいるから」
仲介会社の業界団体「M&A仲介協会」は、こうしたトラブルを防ぐため、今年10月から悪質な買い手企業をリスト化して共有し、取引を避ける仕組みを作ると発表しました。
協会は悪質な買い手企業について、▼会社の資産を抜き取る、▼売り手企業の経営者の個人保証の解除を行わない、▼事業を放置したり失踪したりするなどのケースを想定していて、注意を呼びかけています。