現代では考えられない『犬のしつけ方法』3つ 常に進化している考え方を学んで最適な方法を見つけよう

2024-09-06 11:00

今と昔では犬のしつけ方法も随分と変わっています。昔は良しとされていたしつけが現在ではNGであることも。この記事では、そんな現代では考えれない「犬のしつけ方法」をご紹介します。

アップデートが必要!現代では考えられない「犬のしつけ方法」

吠える犬

動物行動学の発展により、犬のしつけやトレーニングの考え方は常に進化しています。その中には、今まで良しとされてきたことが犬との関係を悪化させる原因となることもありました。

1.主従関係が絶対のしつけ

個人や世帯で犬を飼育するようになったここ100年程度の間で、まず主流となったのが「主従関係」に重きをおいたしつけ方法でした。「飼い主は犬より上の順位にならなければならない」とされるものです。

そのためには「飼い主より先に犬がごはんを食べてはいけないし、悪いことをしたら口をつかんだり、ひっくり返したりしなければならない」というトレーニングです。

そもそもこの考えは、犬は狼の血を受け継いでいるという『リーダー論』が元となっていますが、現在では犬と狼は違う動物であるという説が濃厚になり、このようなリーダー論は無意味だといわれています。

また、家畜化が進んだ犬にはそもそも「群れ」の概念があまり無いのではないか、ともいわれています。

2.体罰を用いるしつけ

前述の考え方が広く普及した影響もあり、主従関係を構築させるためには体罰も「お仕置き」として行われていました。叩く蹴る殴る、マズルを掴む、ひっくり返して抑えつける…このような行為がしつけと称して当たり前となっていたのです。

犬や猫に過度のストレスを与え続けると「学習性無力感」という状態になり、全く抵抗しなくなることが明らかになっています。

分かりやすくいうと「虐待を受けた人が相手の言いなりになる」ような状態です。主従関係を基盤とした強引な手法により、学習性無力感となる犬が多く存在していたのです。

現在はこのような体罰を加えると「虐待」として捉えられることが多いものの、残念ながらいまだに行われている方法でもあります。

3.番犬のためのしつけ

一昔前の犬は外飼いがほとんどでした。これは「番犬」として飼育されることが多かったためです。しかし現在は「家族」という認識に変化し、ペット可の物件も大幅に増えたことも相まってほとんどの家庭が室内飼育をしています。

そんな室内飼育が主流となった今では、「吠える」ことをコントロールすることが求められます。実際、行政に寄せられる苦情で最も多いのは「犬の鳴き声」だそうです。

犬は吠える動物であることはその通りですが、人間と共に暮らすうえでのルールを教えることは飼い主の責務です。外飼いの番犬としてのイメージを持ち続けたままでは、現在の飼育環境とはそぐわない部分が出てきます。

犬のトレーニング論の変遷

正面を向くオオカミ

犬のしつけ・トレーニングの歴史は浅く、牧羊犬から始まり軍用犬や警察犬、そして家庭犬へと移り変わっています。1970年代に広まったのが、前述した主従関係が絶対の「リーダー論」でした。

犬の世界で初めての科学的なトレーニング論ということもあり、一世を風靡したのです。しかし、のちに研究者本人が間違いだったと告白しています。

その後、1990年代に欧米で「ほめるしつけ(陽性強化法)」が広まり、日本にも「やさしいしつけ」という考え方が入ってきました。ほめることで犬の意欲を高め、人が求めている行動ができるようになろうという考え方です。

このように、犬のしつけは福祉的に好ましくない主従関係の方法から、褒めて伸ばす方法へと大きく変化しています。どちらも人の指示により犬の行動をコントロールすることには変わりありませんが、犬の精神的ストレスの差は歴然です。

動物行動学の研究が進み、人と犬の関係は「上下関係」ではなく「母子関係」に近いと考えられるようになったのです。

まとめ

頭を撫でられる犬

いかがでしたか。犬のしつけも日々進化していることがお分かりいただけたと思います。しかし残念なことに、いまだに体罰を虐待ではなくしつけと誤認している飼い主がいることも事実です。

そもそも犬のしつけは一筋縄ではいきません。愛情と長い時間をかけて犬は習得していきます。しつけもひとつの方法に固執せず、愛犬の個性やトレーナーさんとの相性も大事に根気強く行っていきましょう。愛犬があなたの素晴らしいパートナーになることを願ってやみません。

関連記事

汚れた超大型犬を『丸洗い』しようとした結果…豪快すぎる『駄々をこねる姿』が17万再生「ヤダヤダモードで草」「虚無顔可愛すぎるw」と話題
犬が飼い主に『頭をこすりつける時』の心理5選
夏、犬に『大好物のスイカ』をあげた結果…『豪快な食べっぷり』が気持ち良すぎると372万再生「可愛すぎて笑ったw」「咀嚼音たまらん」
犬の来客に吠える癖が直らない!その理由と3つの対策
「愛情を受けている犬」と「愛情不足な犬」の違い

  1. 【斉藤由貴さん娘】 水嶋凜さん 25歳の誕生日を報告 「今後ともよろしくお願いいたします」
  2. 【速報】群馬県の高崎JCT付近でしょうゆ積まれたタンクローリーが下の道路の乗用車に転落 2人がけがをして病院に搬送
  3. 「事故現場にいた」事故時、車には4人と判明 高1男子が横転後に逃走 埼玉栄高校グラウンドで生徒が無免許運転し横転で男子生徒死亡事故
  4. 「高校生の時に作った」自作の「コイルガン」を所持したとして29歳の男を逮捕 警視庁
  5. 【貴乃花の長男】 花田優一さん 母・河野景子さんの還暦をお祝い 妹・白河れいさんも笑顔
  6. 【気象情報】20日の東京は“真冬の寒さ” 最高気温は“札幌と同じ”9℃の予想
  7. 群馬・桐生市の清掃センターで現金780万円見つかる 3か月を過ぎて持ち主が現れない場合は市の所有物に
  8. 「普段から車は無施錠。鍵はダッシュボードに置かれていた」学校が説明 埼玉栄高校グラウンドで生徒が無免許運転し横転で男子生徒死亡事故
  9. 10月のコメ「相対取引価格」2万3820円 過去最高を更新 去年の1.5倍
  10. 中国でまた暴走車 小学校前で児童らがはねられる 中国メディア「故意に学校に突入しようとしてはねた」
  11. 【岩崎宏美】愛犬2頭が “並んでお昼寝” 愛らしさに悶絶 トランクに”入る・入らない”行動の差にも興味
  12. 【生見愛瑠】“せっかち”で家に帰っても「お風呂まで座らない」 楽屋でも「ずっと立っている」
×