猫はとても敏感な嗅覚をもっているため、人が不快に感じない特定のニオイにも強い拒否反応を示すことがあります。しかし猫が嫌いなニオイを理解し、正しく活用することで、猫のしつけに役立てられる場合があるんです。ここでは、猫がとくにイヤがる「大嫌いなニオイ」と効果的な活用方法についてご紹介します。
猫がイヤがる「大嫌いなニオイ」とは
人が日常的に使う物のなかには、猫が嫌がる代表的なニオイがあります。
しつけに活用できる場合もありますが、愛猫のストレスになってしまうのは避けるべきです。
そこで今回は、猫がイヤがる「大嫌いなニオイ」について解説しますので、該当するニオイがご家庭にある場合は注意して取り扱いましょう。
1.コーヒー
猫は苦味と酸味のあるコーヒーの香りを嫌うことが多いです。
コーヒーに含まれている「カフェイン」が猫にとって有害で、ニオイから本能的に嫌うことがあります。
漂うコーヒーの香りが強すぎると、猫がそのエリア全体を避けるようになり、ストレスを感じることもあるため、意識的に換気も行いましょう。
2.アルコール
猫の嗅覚に強い刺激を与えるアルコールも、猫にとっては不快なニオイです。
また、猫が不快に感じてしまうだけではなく、猫が消毒液やニオイをかぐと、中毒を起こしてしまう危険性もあります。
アルコールの一種のエタノールは、猫の体内で分解できないため、しっかりと乾かす必要があります。
日頃からアルコールを猫の皮膚や被毛に触れさせないようにし、もし猫のいる場所で使用する際は、十分に換気することが大切です。
3.酢や香辛料
酢の酸性の強いニオイは、猫にとって刺激が強すぎるため、避ける傾向があります。
また、唐辛子やこしょうなどのスパイシーな香辛料も鼻が利く猫にとっては大嫌いなニオイです。
強いニオイがする調味料で不快感を感じた後は、猫は鼻を舐めることで、そのニオイを取り除こうとすることがあります。
4.香水や芳香剤
香水や芳香剤に含まれる化学成分は、猫の敏感な鼻を刺激します。強いニオイが猫にストレスを与えることがあるため、使用には注意が必要です。
香水や芳香剤以外にも、香りを楽しむ精油は猫にとって毒性があり、被毛に成分が付きやすく毛づくろいで舐めてしまう可能性があります。
洗濯で使用する柔軟剤も香りが強すぎないものを選び、猫の反応をよく観察することが大切です。
5.タバコの煙のニオイ
タバコの煙には有害物質と刺激臭があり、猫が苦手とする大嫌いなニオイです。
そのため、喫煙者がいる家庭では、猫がタバコの煙を避けるために隠れたり、喫煙後の人から触れられるのを嫌がります。タバコの煙には主流煙と副流煙があります。副流煙はタバコの先から出る煙ですが、ニコチンやタール、一酸化炭素と言った有害物質が多く含まれています。発がん性物質も含まれているため危険です。猫の健康にも大きな悪影響を与えるため、タバコの煙を避ける環境を整えることが大切です。
また、たばこの煙の成分が服や壁、カーテン、ソファーなどに付着し、これを取り込むことを三次喫煙と言います。ゴロゴロと体をこすりつけたり、気になるものをにおったり、舐めることが多い猫にとって非常に危険です。
6.オレンジやレモンなどの柑橘系の香り
柑橘系の香り、とくにオレンジやレモンの香りは、猫にとって非常に不快です。「リモネン」や「リナロール」などの成分は猫の嗅覚を刺激し、猫の消化器系に刺激を与えたり、アレルギー反応を引き起こしたりする可能性があります。
猫がイヤがるニオイでしつけに役立てる方法
猫が嫌がるニオイを利用して、しつけや行動修正に役立てることもできます。
自宅で簡単に実践できるのは、次のような方法です。
マーキング行為の防止
猫がマーキング行為をする場合、お酢を少しだけ水に混ぜて拭くと安全性が高く効果的です。酢のニオイが猫にとって不快であり、同じ場所に再びマーキングをするのを防ぐことができます。
消臭スプレーを作る場合は、水500mlに対してお酢を大さじ一杯程度入れましょう。猫特有である尿のニオイの消臭効果も抜群です。
キッチンやテーブルへの侵入
キッチンのカウンターやテーブルに猫が飛び乗るのを防ぐために、コーヒーの香りを活用することができます。
使用済みのコーヒー豆やドリップコーヒー乾燥させ、小さな容器に入れましょう。猫がコーヒーに直接触れないように工夫し、猫が乗りやすい場所に置くと、猫がその場所を避ける可能性が高まります。
長時間強い香りがこもると、猫だけでなく飼い主も不快に感じることがあるため、部屋の換気を適度に行うことも重要です。
まとめ
今回は、猫がイヤがる「大嫌いなニオイ」について解説しました。
猫がイヤがるニオイを理解し、適切に利用することで猫のしつけや行動修正に役立てることができます。
しかし、猫の嗅覚は非常に敏感であり、強いニオイを過度に使用するとストレスを与える可能性があります。
猫の健康と安全を第一に考え、その場に合った適切な方法を活用したいですね。
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