犬の体に触れる「ボディーコントロール」は、健康などさまざまな面に影響を与えるしつけのひとつです。この記事では、犬の全身を触れる「ボディーコントロール」が犬の健康に繋がる理由や簡単な3ステップをご紹介します。
犬の全身に触れる「ボディコントロール」が犬の健康に繋がる理由
犬の「ボディーコントロール」をご存じでしょうか。
これは、犬の体をあちこち触ったり、体の一部を動かしたりしても平気な犬にすることを目的にした、しつけトレーニングのひとつです。
全身どこを触られても平気な犬にしつけることは、犬を飼育する上で大きな影響をもたらします。まず、動物病院の診察をする際に、犬が触られるのに抵抗すると、正しい診断ができなくなる可能性があります。
強い抵抗を示す場合はペットトリミングの利用もままならず、ペットホテルに預けるのも難しくなるでしょう。また、散歩中に出会った人が犬に触れようとした瞬間、驚いて噛み付いてしまうケースも出てきます。
ブラッシングや歯磨きなどのお手入れもままならず、ケガや病気など小さな異変に気付けなくなるのは避けたい問題も出てきてしまうでしょう。
このように、触れられるのを嫌がる犬は何かと苦労する点が多く、飼い主さんにとっても飼育のしづらさを感じてしまうはずです。このような理由を考慮すると、やはり犬のボディーコントロールは必要不可欠といえます。
愛犬に対して「ボディーコントロール」をスムーズに行えるようになれば、ブラッシングなどの日々のお手入れが楽になるだけではなく、日々愛犬の全身を触ることで、怪我や病気を見つけやすくなります。つまり、愛犬の健康維持に繋がるというわけです。
ボディーコントロールは、愛犬をマッサージする感覚で行えるので、ぜひ日々の習慣に取り入れてみてください。
犬のボディーコントロールを行う簡単な3つのステップ
「ボディーコントロール」が愛犬の健康に繋がるということが理解できても、触られるのを嫌がる犬は決して珍しくはありません。
とくに、犬を飼い慣れていない飼い主さんの場合は何をどのようにすべきかも分からないかもしれません。
そこでここからは、犬のボディーコントロールのやり方を簡単な3ステップで解説します。犬の扱いにお悩みの飼い主さんはぜひお試しください。
1.犬が触られても平気な部位から触る
まずは、体を触られる行為自体に慣らすことから始めます。そのためには、触れても問題がない部位から優しくタッチしていきましょう。
犬によって触られたくない部位は異なるため、愛犬が嫌がるポイントを把握しておくのが大切です。
2.触られると嫌がる部位を順に触れていく
ボディタッチに慣れてきたら、徐々に嫌がる部位に触れてみてください。
鼻先、口元、しっぽ、足先、腰回りなど、愛犬の弱点と思われる部位を順にたどります。
嫌がるうちは無理に手を進めずに、愛犬の反応を見ながら行うのが重要です。
3.仰向けや横向きの状態で触れる
触れるても平気になってきたら、横向きや仰向けなどさまざまなポーズにも挑戦してみましょう。
触る強さや時間も少しずつ増やします。触れても無抵抗になり、足を動かしても怒らないような状態を目指してみてくださいね。
ボディーコントロールを行う際の注意点
ボディーコントロールのやり方自体は上記のように簡単ですが、犬が嫌がることを行う上でいくつか注意したい点があります。
とくに、拒否反応が強い犬に対しては、以下の内容を参考にしてください。
犬が嫌がる部位から触るのはNG
ボディーコントロールを成功させるためには、少しずつ慣らさなければなりません。いきなり犬が嫌がる部位に触れると、全身触らせてもらえなくなる可能性もあります。
特に苦手な箇所は最後に回し、驚いた瞬間に噛みつかれないよう注意しながら手を進めてください。そっと軽いタッチで触れてみた上で、反応を確かめてみるとよいでしょう。
集中できる静かな環境で行う
トレーニングを行う際には、犬が集中できる静かな環境を選ぶのが望ましいです。マッサージ感覚で行い、愛犬がリラックスをして身を任せてくれるようになると進めやすくなります。
屋外の音が入りにくく、テレビの音などの雑音が届かない場所を選んでみてください。
おやつなどのご褒美を用意しておく
ボディーコントロールをスムーズに進めるには、犬に「じっとしていればご褒美がもらえる」という快楽を覚えさせるのがポイントです。
小さいおやつなどのご褒美を用意しておき、じっとしていられたら与えてみてください。カロリーが低く、小さくカットしたおやつを用意すると健康に影響が出にくいです。
叱ったり、力ずくで教えない
犬のしつけは褒めて伸ばすのが基本です。足先に触れただけで噛みつこうとする犬もいますが、犬に抵抗されても叱ったり、力ずくで押さえつけたりなどの行為をするのはやめましょう。
体を触られた上に叱られると、犬はボディーコントロールを「嫌な行為」としか思えなくなります。これでは逆効果になってしまい、以前よりも抵抗が強くなる可能性があるでしょう。
決して叱ったり怒鳴ったりせず、愛犬のペースに合わせて少しずつトレーニングを重ねてみてください。
まとめ
犬の「ボディーコントロール」は、犬を飼育する上で大切なしつけトレーニングのひとつです。
愛犬が生きやすくなり、病気やケガにいち早く気づいてあげられるため、愛犬の健康維持にも役立ちます。ぜひ少しずつでも良いので行ってみてください。
過去のトラウマを抱える場合であれば、焦らずに無理のない範囲で触れてみるのが大切です。今回ご紹介したやり方も参考にしながら、触れても平気な犬を目指しましょう。
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