英国に暮らす黒猫は、ケガのために足が3本しかありません。しかし、町中を元気に歩き回り、人々に愛嬌をふりまいて大人気です。この猫の存在が、地域をひとつにまとめてくれているようです。
町の人気者は3本足の猫
英国ノーサンプトンシャーにあるダベントリーの町には、人気者の黒猫がいます。
猫の名は「Salem」(14歳)です。足は3本しかありませんが、店や事務所などお気に入りの場所へ出かけていっては、人々を魅了し続けています。
あまりにも人気があるため、この猫の名を書いた標識を設置するため寄付金も集まりました。すぐに名前入りTシャツも作られることでしょう。
Salemが野良猫だと思って餌を与える人も多いのですが、実は違います。飼い主のErin Hillsさんによると、この猫はある日突然ケガをしたのだといいます。
「ある人が片足をひきずって歩くSalemを見つけて、動物病院へ連れていってくれました。獣医さんがFacebookにそのことを投稿したので、うちの飼い猫だとわかったのです。前の片足に数ヵ所の骨折があり、切断せざるを得ませんでした。ケガの原因はわかっていません」
その後もSalemは3本の足で町を歩き回り、人々に愛嬌をふりまき続けています。
SNSで目撃情報も
放浪癖のある愛猫の安全を気遣うErinさんは、Facebook上に専用のページを設けて、人々からSalemの目撃情報を寄せてもらうことにしました。するとたちまち登録者が増えていき、いまでは2700人もの人々がこの猫の様子を投稿してくれるようになったのです。
Pat Robertsさんは、近くのロング・バックビーに住んでいます。
「初めてSalemを見かけたのは、お店のドアの前。店員が開けてくれるのを、じっと座って待っていました。なんてかわいいの、と思いましたね」
以来ファンになったPatさんは、毎週ダベントリーにやってきて、この猫の「追っかけ」をしています。Salemはお店や銀行、不動産業者や美容院など、ありとあらゆる場所を訪問しては、みんなに大歓迎されているのです。
愛情を注いでくれる猫
ダベントリー在住のBecky Laneさんはこう話します。
「人慣れしない猫もいるけれど、Salemはまったく違います。この猫は、だれにでもたっぷり愛情を注いでくれます。おかげで町の人々の心をひとつにしてくれました。わたしは病気と障害を抱えていますが、Salemを見ると元気が出ます。『この子は3本足だけど、何でもできる。わたしには2本とも足があってちゃんと使えるのだから、もう少し頑張ろう』と思えるのです」
飼い主のErinさんにとって心配の種は、愛猫がまわりの人々から「おやつ」をもらうこと。ほとんどがジャンクフードなので、14歳の高齢猫にとっては健康上悪いのです。
Salemの名が表示された標識は、まもなくダベントリー町内に設置される予定です。これにあわせて、猫に関するイベントなども計画されているということです。
この猫の人気はまだまだ続きそうですね。
出典:Three-legged cat 'brings town together'
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