飼い主さんなら、「愛犬が世界一かわいい!」と思っていても不思議ではありません。しかしこれを、他人は「親バカ」と呼びます。犬の飼い主がついついやってしまう「親バカ行為」にはさまざまありますが、どれも飼い主としてごく当たり前の心情からくる行為です。しかし度が過ぎると、愛犬や周囲に迷惑をかける場合もあります。今回は、そんな犬の飼い主がついついやってしまう「親バカ行為」をご紹介します。
犬の飼い主がついついやってしまう親バカ行為
かつて犬は、番犬という立場で迎えられることの多い存在でした。しかし今では、何かの役割を担うためではなく、家族の一員として迎えられ、室内で一緒に暮らすスタイルが一般的になりました。
そんな現在の犬の飼い主さんが、愛犬を我が子のように思い愛情を注ぐのは、ごく当たり前の心理だといえるでしょう。同時に、飼い主さんの親バカ行為も微笑ましく受け入れてもらえる時代になってきました。
ただし、親バカ行為の行き過ぎには注意が必要です。根本にあるのは愛犬への愛情でも、行き過ぎることで周囲に迷惑をかけたり、肝心の愛犬に良くない影響を与えたりすることがあるからです。
そこで今回は、犬の飼い主がついついやってしまう「親バカ行為」についてご紹介します。ご自身にいくつ当てはまるのかをチェックしてみてください。
1.(うちの子が世界で一番かわいい!)と強く思い過ぎる
(世界で一番かわいいのはうちの子!)と思うのは、犬の飼い主さんにありがちな親バカ行為のひとつです。よその犬を見て「かわいいねぇ!」と声をかけるのが嘘ではないのですが、心の内では(でもうちの子には敵わない)という思いがあるのです。
飼い主さんが愛犬を一番かわいいと思うのはごく自然なことですが、その思いが行き過ぎてしまうと、よその犬を邪険に扱ったり小馬鹿にしたような態度をとったり、ポロリと第三者によその犬の悪口を言ったり、という態度を無意識の内にとってしまうかもしれません。
2.愛犬の気持ちを最優先し過ぎる
愛犬の気持ちを汲んで、ストレスの少ない暮らしをさせてあげたいと考える飼い主さんも多いでしょう。
愛犬のストレスを減らすためなら、と何をするにも愛犬を最優先に考え、望まないことを強制したり、したがることをすぐにさせてしまうという親バカさんもいることでしょう。
人と一緒に暮らすためには、問題行動を抑制し、望ましい行動を増やすためのしつけが必要です。そのためには、できるだけ褒める方法が推奨されています。
しかし、何でもかんでも褒めて受け入れのは、しつけではなく「甘やかし」です。やって良いことと悪いことを学習できずに甘やかされた犬は、結局人間社会での暮らしに順応できず、辛い思いをすることが多くなります。
3.写真撮影のために無理強いする
いつでもどこでも、愛犬の写真を撮ってしまうという飼い主さんも多いです。スマホのカメラロールの大半は愛犬だという親バカさんも、決して少なくないでしょう。愛犬の表情や行動のどこを切り取っても愛おしくてたまらないので、仕方ないのです。
愛犬の姿を写真に撮ってばかりいる姿は、親バカな飼い主さんとして微笑ましく見ていることができます。
しかし、エスカレートするあまり、犬を擬人化して不自然な写真を撮ろうとする方もいらっしゃるようです。コスプレ、無理なポージング、長時間撮影などは、出来上がった写真の出来に関係なく、愛犬に強いストレスを与えたり、周囲の方に迷惑をかけてしまうこともあります。
4.分離不安症になるほど愛犬を心配する
愛犬にとって、飼い主さんは親同然の存在です。毎日ずっとひとりで留守番をし、飼い主さんはほとんど寝るためだけに帰ってくる、という暮らしでは、愛犬も安心して暮らせません。仕事を効率よく終わらせ、退社後も寄り道をせず一目散に帰宅し、愛犬との時間を作っている飼い主さんは、親バカの鑑のような存在です。
しかし、愛犬はいつまでも赤ちゃんと同じで「目を離してはいけない!」と考えてしまい、留守番をさせず常に傍から離れようとしない飼い主さんは、もはや親バカ行為を通り過ぎて病的な状態と言わざるを得ません。
人にも犬にも「分離不安症」という症状があります。相手への依存心が強くなり過ぎて、姿がちょっと見えないだけでもひどい不安に苛まれてしまうという症状は、飼い主さんでも愛犬でも、治療が必要な状態かもしれません。
5.「高価なもの=良い物」と妄信し与える
愛犬にはできるだけ良いものを与えたいというのも、飼い主さんとしては当然の思いです。飼い主さんご自身の食事や身の回りの品は顧みず、愛犬のフードや身の回りの品についてはとことん調べて購入するという親バカさんもよく見かけます。
「良いもの」に関する基準をしっかりとお持ちでない場合、「高価格=良い品」だと思い込んでしまうことがあります。どんなに高価でも愛犬に適していなければ、栄養障害で体調を崩したり、ストレスを与えたりする原因になります。
愛犬の年齢や健康状態、好みや習性に合っていることを基準に選ぶことが大切です。
犬嫌いな人もいることを忘れずに!
誰からも「あの人は犬バカだからね」と微笑ましく思われる程度の親バカぶりであれば、特別問題はないでしょう。
しかし親バカぶりも度が過ぎてしまうと、肝心な愛犬に強いストレスを与えたり、犬嫌いな方に不快感や恐怖感を与えてしまうことがあります。
特に、犬嫌いな人にとって、愛犬の話は共感できる部分を見出せない話題でしょう。微笑ましいレベルを超え、延々と愛犬の話をされたり写真を見せられたりすると、苦痛になるケースもあるのです。
愛犬の話題を出す際は、特に相手への配慮が必要になります。
まとめ
今回は、犬の飼い主がついついやってしまう「親バカ行為」について解説しました。
我が子同然の愛犬がかわいいのは当たり前ですし、その愛犬にできるだけのことをしたいと考えるのも、飼い主の心理として当然です。
たとえば、今回ご紹介した親バカ行為のすべてに当てはまっている飼い主さんも、何も恥じる必要はないでしょう。
しかし、行き過ぎてしまってはいけません。「愛犬のため」というのが犬の視点からであり、決して人の視点(自己満足)からではないことが大切です。
また、飼い主さんの行為を迷惑だと感じた方が、憎悪の対象を愛犬に向けることもあります。周囲への配慮も、結局は愛犬のためなのです。
真に愛犬のためとなるレベルの親バカぶりを発揮して、愛犬が幸せに暮らせるようにしてあげたいものですね。
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