大きな体と角(ツノ)が特徴的なサイ。強そうな見た目で、もしも向かってきたらひとたまりもなさそうですよね。
角の生えている動物はサイの他にもいますが、その多くは骨が変形して角の形になっています。ですが実は、サイの角は骨ではないのだとか!サイの角にまつわる豆知識をご紹介します。
サイの角(ツノ)は骨ではない!
サイの角(ツノ)の主成分はケラチン
サイの角(ツノ)の主成分は、ケラチンという繊維質です。サイの角は、たんぱく質の一種であるケラチンがぎゅっと集まった集合体なんです。
サイの角(ツノ)は髭みたいなもの
ケラチンは、人間の身体だと髪や爪、皮膚などの主成分です。つまり、サイの角(ツノ)は人間でいうと髭のようなものなんです。
実際に、サイの角は髪の毛のように永久に伸び続けます。
サイは角(ツノ)の形を自ら整える
人間でいうところの髭のようなものであるサイの角(ツノ)。サイはこの角の形を自分で整えます。岩などの固いものに角を自分でこすりつけて、余分な部分をそぎ落とすんですって!
また、ケンカなどで角が折れてしまった場合も何事もなかったかのように生え変わるそうです。
サイの角(ツノ)目当ての密猟!?
犀角(さいかく)とは
サイの角は、「犀角(さいかく)」と呼ばれる漢方薬として古来から重宝されてきました。
金よりも高値で取引!?
現在サイはワシントン条約で保護されている為、犀角は非常に貴重なものとなっています。
漢方以外にもインテリア、装飾品としても人気が高く、非常に高額で取引されており、その価格はなんと、金よりも高値で取引されていると言われています。
高価故に不法に犀角を入手しようとする密猟者の存在が問題になっています。
科学的には効能はない
さまざまな効能があるとされているサイの角ですが、その主成分はケラチン。私たち人間の身体から生えている髪の毛や爪と同じ成分です。そのため、科学的には効能はないとされています。
それなのに、犠牲にされるサイたちがかわいそうでなりません。
密猟の結果サイは絶滅の危機に
サイは全5種すべて絶滅危惧種
現在世界にいるサイはジャワサイ、クロサイ、スマトラサイ、インドサイ、シロサイの5種です。
ジャワサイ
出典:Wikipedia
現在ジャワ島の一部に生息するジャワサイは、かつてはミャンマーやタイなど広く分布していましたが、数が少なくなり絶滅危惧 IA 類とされています。
クロサイ
出典:Wikipedia
同じく絶滅危惧 IA 類で絶滅寸前とされているのはクロサイ。ケニアやタンザニアに生息していますが、かつては種類によってはスーダンやエチオピアなど広い地域に分布していました。
スマトラサイ
出典:Wikipedia
スマトラサイも絶滅危惧 IA 類といわれています。ミャンマーからインドシナ、マレー半島やスマトラ、ボルネオ島にも生息していましたが、現在はその数は大変少なくなっています。
インドサイ
出典:Wikipedia
インドサイは絶滅危惧2類とされています。パキスタンやインドシナ半島など多くの地域でかつてはみられましたが、現在はヒマラヤ山脈の裾野やネパール、ブータン、ミャンマー北部の森林やサバンナに限られます。
シロサイ
出典:Wikipedia
シロサイは準絶滅危惧種とされています。現在はザンビアなどのアフリカ南部を主に生息地としていますが、その個体数はごく少数とされています。
現在では密猟対策が取られている
現在、密猟対策としてサイの角を保護官があらかじめ切り取っておくなどの対策も取られています。
知ってる?サイの豆知識
シロサイ・クロサイの名前の由来
身体の色から名づけられたと思われがちなシロサイとクロサイ。でも実は、シロサイの「シロ」は聞き間違いからつけられたんです。
クロサイと比べ、口が平たく幅広いのがシロサイの特徴。この口の広さを言う「wide」を「white(白)」と聞き間違えられて「White rhinoceros(シロサイ)」とつけられるようになったのだとか。クロサイはシロサイと区別するため、片方が白ならもう一種は黒でしょ!と付けられたそうです。
地上では象に次ぐ大きさ
サイは実は地上で2番目に大きいとされる生き物。1番大きいとされているのはアフリカゾウやインドゾウなどの象とされていますが、その次に大きい生き物がシロサイと考えられているんです。
次に大きいとされているのはカバですが、種の中で最大の個体同士で比べるとサイは3850kg、カバは4500kgとされているため、カバの方が大きいともいえるかもしれません。
意外と足が速く危険!
大きな体でおっとりとしたイメージのサイですが、実は足が速くて危険ともいわれています。その速さはなんと時速50㎞!これは野生のキツネやイノシシと同じぐらい、猫よりも速い速度なんですって!
髭や髪の毛と同じ成分だと判明した角(ツノ)も、こんな猛スピードで迫ってきたら十分危ないに違いありません。
サイと同じくおっとりしたイメージのカバでも時速40㎞は出せるそうなので、おっとりしたイメージの生き物も意外と怖い一面を備えているのかもしれませんね。
【まとめ】サイの角(ツノ)は実は毛!?
強そうなイメージのサイの角(ツノ)ですが、実は髭や髪の毛と同じ成分でできていることがわかりました。しかも万病に効くといわれ、密猟の対象にまでされてしまっているのだとか!
他にも意外と知らない動物の生態がたくさんありそうです。もっと知ってみたくなりました!
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