杉田水脈前衆院議員 次の衆議院選挙の出馬見送る意向 被災地・能登では一部投票所が開設できず、ポスター掲示板も減少 住民「選挙考える暇がない」【news23】

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2024-10-11 12:19

衆議院解散を受け各党は選挙モードに突入していますが、能登の被災地では投票所や選挙ポスターの掲示板がこれまで通りに設置できない事態になっています。なぜ、いま選挙なのか?被災者からは「選挙のことを考える暇がない」との声も上がっています。

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「逆風なのは確か」自民党が“非公認”での選挙戦

9日まで自民党の国会議員だった小田原潔氏。

小田原潔氏
逆風なのは確かだと思います。ただやることはあまり変わらず」

石破総理
「侃侃諤諤の議論を重ねながら、公認、公認できないの判断を行ってきた」

自民党は9日、裏金問題に関わったなどとして、12人を今回の衆院選で非公認とすると発表。小田原氏はそのうちの1人です。

過去の選挙戦では…

安倍晋三総理(2017年・当時)
「小田原潔さんに大きな力を!」

当時の安倍総理が応援に駆けつけ、多くの聴衆が集まりましたが、無所属での戦いとなる今回は…

小田原氏
「(自民党幹部から)応援弁士は自分の人間関係の範囲内であれば目をつぶりますと。公認がないと『悪いことしたから公認がないんだろ』と思う人がいる。その方々へのご理解はこの短時間では非常に大変な仕事になる」

一方、同じ選挙区の立憲民主党の大河原雅子前議員は…

大河原雅子氏
「(日本を)当たり前の自由な民主的な国に変えていきたいと」

ライバルの小田原氏が非公認となったことについては、「当然のことだ」と話します。

大河原氏
「政治改革はできない。自民党には無理とわかったので、私たち立憲民主党が軸となって、政権交代でやらせていただくしかない」

東京21区にはこの他2人が立候補を予定しています。

杉田水脈氏は不出馬の意向 参院選への立候補検討か

また、自民党の杉田水脈前衆院議員が、次の衆議院選挙に出馬しない意向を固めたことが、10日夜にわかりました。

比例単独での立候補の可能性がありましたが、党幹部によりますと、来年の参議院選挙への立候補を検討しているということです。

杉田氏は政治資金パーティーを巡り、1564万円の不記載があり、党の役職停止6か月の処分を受けていました。

「選挙のこと考える暇がない」能登の被災者

選挙に向けた動きが慌ただしくなる中、地震と豪雨に見舞われた石川県能登地方では…

海産物販売業(60代)
「(Q.選挙になることは?)避難生活をしていてテレビがないところに住んでいるので、何も情報がなくてわからない」

仮設住宅の住民(70代)
「選挙と言ってもまだピンときません。今こういう生活になって一変したから」

5日、能登を訪れた石破総理は被災地に寄り添う姿勢を見せましたが…

漆器関連業(40代)
「石破さんが輪島まで来て、その後どういう動きに出るのか気になっていたが、すぐに解散は早いかなという感じ」

災害対応と並行し、選挙の準備に当たる自治体側にも困惑がみられます。

輪島市選挙管理委員会事務局 坂本修書記長
「先日の豪雨災害で状況が一変し、投票所の確保、代替施設の確保とか、投票管理者、立会人の確保など苦慮している点はある」

輪島市ではこれまで投票所になっていた施設が避難所として使われているため、2か所の投票所が開設できないことに。

また、日没後に復旧が進んでいない道を通り、投票所に足を運ぶのは危険だとして、市内18の投票所のうち17か所で午後5時に投票が締め切られることも決まりました。

自治体側はこうした対応について、住民への周知を進めていますが…

漁師(60代)
「選挙に行けるかどうか。どこでするのかよくわからないし、自分の投票所が避難所になってるので」

仮設住宅の住民(80代)
「(地震で)家は全壊で、足が挟まって救急隊に引っ張り出してもらって助かって。仮設に入ったらまた水がここ(胸)まで来て」

男性は、地震後仮設住宅で暮らしていましたが、9月の豪雨で床上浸水し、一時退去を余儀なくされました。

仮設住宅の住民(80代)
「出ていけと言われ行く所がなくて弱っている。選挙のこと考える暇がない」

投票所が避難所に 能登被災地が選挙対応に苦慮

藤森祥平キャスター:
まともに情報を得ることができない状況で、選挙があることすら知ることができなかった人もいる中での選挙です。

小川彩佳キャスター:
度重なる災害で体を壊してしまったという人もいる、その最中での選挙になります。

藤森キャスター:
能登半島では選挙の対応に苦労している人が多くいるといいます。

珠洲市では、2022年の参議院選挙では19か所あった投票所が、今回の選挙では10か所に減っています。6か所の投票所が避難所として使われているということです。

また2022年の参院選では、移動投票車が巡回をして、期日前投票が可能でした。珠洲市によりますと、道路状況の悪化と移動投票車も災害で使えなくなってしまったため、今回は巡回しないということです。輪島市も巡回しないことにしています。

また輪島市のポスター掲示板は、前回2021年の衆議院選挙では159か所ありましたが、今回は60か所に絞られているという現状です。

伊沢拓司さん:
移動投票車という未来に向けての取り組みが、1回断絶してしまうのはつらいです。地域にとって良い事例となるはずだったものが、こういう形になってしまったことは非常に無念でしょう。

「被災地を見て、選挙できると思いましたか」党首討論でも…

藤森キャスター:
投票所の入場整理券について、郵便局に転送手続きを取っていれば、手元に届きますが、急遽、避難所に入った場合などは入場整理券が届かないことも考えられます。

入場整理券が届かない場合や、投票所に持参できなくても選挙人名簿に登録されていれば投票できるので、係員に伝えるようにしてください。

また、県外に避難していて地元で投票できない場合は滞在地での不在者投票になります。この場合は投票用紙を地元の選挙管理委員会へ請求する必要があります。

被災して間もない地域で選挙が行われることについて、党首討論でもやり取りがありました。

立憲民主党 野田佳彦代表
「あの被災地を見て、選挙できると思いましたか。到底選挙なんかできないと思うはずです。見てこなかったんですか。節穴ですか、その目は」

石破総理
「今の政治に対していろんな思いを最も持っているのは、被災地の方々かもしれない。そういう方々の思いが、決してないがしろになることがないよう、この選挙の執行に関しては、私は責任を持って万全を期してまいります」

伊沢さん:
「責任を持って」と言いつつ、現実問題できるのでしょうか。能登のことだけを考えて…というわけにはいきませんが、能登の現状は見えていたわけですから。

そもそも石破さんは「早期解散しない」と言っていたにもかかわらず、解散となってしまったのは、党内の関係性などが絡んでると思うと、人々の利益より党の利益が優先されているのではないかという悲しさはありますね。

小川キャスター:
国会での代表質問や党首討論などが行われましたが、具体的に被災地をどうサポートしていくのかという議論は、十分には聞くことができませんでした。つくづく解散までの期間が短すぎたと感じますよね。

藤森キャスター:
「地方を守る」や「地方創生」という言葉が少し虚しい言葉に聞こえますね。

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<プロフィール>
伊沢拓司さん
株式会社QuizKnock CEO
東京大学経済学部卒 クイズプレーヤーとして活躍中

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