犬は四つ足の動物ですが、毎日立っているわけではなく、人間のように横になったり座ったりもしています。しかしその「座り方」に違和感がある場合は、何らかの病気の可能性も。そこで今回は、犬の「座り方」に違和感があるときに注意したいポイントについて解説します。
️犬の「座り方」に違和感がある場合に確認すべきポイント
突然ですが、犬の正しい「座り方」をご存じでしょうか。いわゆる「おすわり」と指示されたときの座った姿勢のことですよね。
正しいおすわりの姿勢とは、前足も後ろ足も平行に揃っている状態を指します。しかし犬によっては、片足を投げ出しているように座ったり、お姉さん座りのように両足が横に投げ出されていたり、あぐらをかくような座り方をする子もいます。
もちろん犬にも座り方に個性が出ることも多く、面倒臭がったりちょっとよろけて座ったりすることもあります。ピシッとした座り方でない場合、だらけていたり人間の赤ちゃんのように座ったりするので可愛く見えてしまうこともあるでしょう。
そのため、たとえ変な座り方をしていても、トレーニングをしている最中だったり、注意すればきちんと座り直せる場合は、ほとんど問題はありません。注意が必要なのは、常に違和感のある座り方になってしまう場合です。
常に違和感のある座り方をしている場合、病気にかかっている可能性もあるため注意が必要です。
そこで今回は、犬の「座り方」に違和感があるときに確認すべきポイントについて解説します。愛犬の体調に正しく気づいてあげられるように確認しておきましょう。
1.後ろ足を横に流して座る
いわゆる「お姉さん座り」のような座り方です。
これは大型犬によくみられる座り方ですが、小型犬にもみられることがあります。このような座り方が多い犬は「股関節形成不全」が疑われます。
股関節形成不全は生活習慣より遺伝的な要因が原因であることが多い病気です。子犬の頃から何となくお姉さん座りをしている、歩くときに腰がやけに大きく触れているなどの特徴があるため、症状が見られたら獣医師に相談をしてください。
またこのお姉さん座りは、足腰に異常があるときによくみられる座り方です。関節リウマチや、次項の前十字靭帯の異常でもこの座り方が出ることがあります。
2.後ろ足を外に流して座る
膝の部分を曲げずに、投げ出すように座っている場合は、膝の前十字靭帯に何らかの異常があることがあるようです。こちらは小型犬によくみられるもので、成長期に激しい運動をしすぎて靭帯を痛めた可能性があります。
同じく、後ろ足を投げて膝を曲げないように座る場合、膝蓋骨脱臼も考えられます。後ろ足を曲げ伸ばしするとこきこきと妙な音がする、スキップするように跳ねて歩く、階段を嫌がるようになった、などの症状がある場合は獣医師に相談しましょう。
3.あぐらをかく
両足を前に伸ばしてお尻というより、腰を床につけるような座り方をする犬もいます。特に、胸の幅が広いブルドッグなどの犬種の場合、両前足の間に両後ろ足が伸びて入り込んだ座り方をすることが多い様です。
こちらは骨格的なものなので「心配不要」と言われていますが、普段この座り方をしない子が突然あぐらをかくようになった場合は、どこかの関節、靭帯を痛めている可能性があります。下半身を確認し、痛がるそぶりや歩き方の以上が見られた場合は獣医師に相談してください。
4.座ってもすぐ立ってしまう
まだ遊びたい、興奮しているような時は、犬もゆっくり座ることはありません。落ち着きなくうろうろして、隙あらば「遊ぼう!」と誘って来る場合は何も心配いらないでしょう。
しかし、落ち着いている時間のはずなのに、座ったらすぐ立ち上がる、座りたがらないなどの兆候が見られたら、こちらも下半身のどこかに痛みや不快感を覚えている状態と言えます。
すぐに落ち着く様でしたら様子を見ていて良いのですが、ずっと座れない、痛そうにしているなどの状態でしたら動物病院へ行きましょう。
腰を痛がる椎間板ヘルニア、お尻を痛がる痔や肛門付近の異常などの可能性もあるので、痛がる様子があればどのような時に痛がっているのか、何を気にしているのかなどをしっかりチェックしてあげましょう。
️まとめ
立ったり座ったりという動作は普段何気なく行なっているため、異常があってもすぐには気付きにくいものです。
しかし、その動作をするには何らかの理由があり、普段と違うといった場合は特に注意してあげる必要があります。
愛犬の異変に速やかに気づいてあげられるように、普段の何気ない行動や仕草もあわせて毎日観察したり、愛犬と実際に触れ合って健康チェックをしたりすることが大切です。
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