お外に出る猫ちゃんの気を付けたいトラブル!対策から室内での運動方法まで獣医が解説

2024-10-19 17:20

猫ちゃんと暮らすご家族で、一度は猫ちゃんに外で自由にのびのびさせてあげることが幸せなのではと悩んだことがある方もいるのではないでしょうか。でも実は猫ちゃんがお外に出ることで出遭ってしまうしまうトラブルも多いのです。どんなことに気を付けなければならないのでしょうか。

お外に出る猫ちゃん『気を付けたいトラブル』

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実は猫ちゃんにとってお外は危険がたくさん潜んでいます。

一見、外の世界は広く自由に見えますが、一歩間違えれば命の危険につながることもあります。

どんなトラブルが起こり得るのでしょうか。

感染症

まず気を付けなければならないのが感染症です。

お外に出ると、健康を害する危険のある寄生虫や細菌、ウイルスなどに接触する機会が増えます。

例えば、野良猫ちゃんと接触する機会が増えることもありますが、野良猫ちゃんは命の機器につながる危険性のある猫エイズウイルスや猫白血病ウイルスなどを保有している確率が高いとされています。

喧嘩による咬傷により、傷口からウイルスが体内に入ることで感染する危険性が高まります。

猫エイズウイルスや猫白血病ウイルスは、免疫不全などの問題を起こし、死に至る危険性の高い怖い病気です。

また、ノミやダニなどの外部寄生虫が体について吸血されてしますこともあるため、注意が必要です。

外部寄生虫による感染は致命的な問題にはなりにくいですが、大量寄生をすると貧血や体の不快感など猫ちゃんに負担がかかってしまうケースが多いです。

事故

お外の猫ちゃんたちが出遭いやすいトラブルとして挙げられるのが交通事故です。

夜暗い場所でのお出かけや、スピードを出している車と接触してしまって致命的な外傷を負ってしまうことも多いです。

身軽で体のやわらかい猫ちゃんたちですが、車の速さや、大きな車体にぶつかってしまうと骨折や裂傷だけでなく、脳や内臓の器官への障害が起こることがあり、死に至る危険性があります。

野良猫ちゃんたちは危機管理能力や警戒心も強いですが、普段お家で生活している猫ちゃんの場合、車への危機感などを感じにくい場合もあり、大きな道路などに出てしまってトラブルに巻き込まれる場合もよく見られます。

交通事故だけでなく、中には心ない虐待などをするひどい人も存在します。

事故や事件に巻き込まれて命を落としてしまう危険性があり注意が必要です。

妊娠

最近では、病気の予防のために避妊手術・去勢手術を行うことが一般的になっており、野良猫ちゃんなども避妊手術や去勢手術をしたうえで再度環境へ戻すという取り組みが行われているため、今までよりも望まれない妊娠は減少傾向にあるかもしれません。

妊娠に関して、特に女の子の猫ちゃんは注意が必要です。

避妊手術を行わず、お外に出ていると、もし発情期だった際に男の子が近くに来て交尾をしてしまう場合、猫ちゃんは交尾排卵と呼ばれる生殖をもっており、交尾の刺激で排卵をするので妊娠をする確率が非常に高いです。

また、おなかが大きくなって目立つのは出産直前であるため、変化に気づかずに、しばらく不在にしていて戻ってきたところ、妊娠にも気付かないうちに出産していたというお話も聞きます。

望まれない妊娠・出産を避けるためにも対策が必要です。

トラブルを避けるためにできる対策

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では、上記のようなトラブルを避けるためにどんなことができるでしょうか。

どうしてもお外に出る猫ちゃんに、最低限行っておくと安心なことを挙げてみました。

予防

まず欠かせないのが予防です。

致命的になり得るウイルス性疾患のワクチンは欠かせません。

病院が苦手な猫ちゃんが多く、ワクチンもハードルが高くなりがちですが、もしお外に出るのであれば、年に一度程度の定期的な接種をおすすめします。

他にもノミダニ予防や内部寄生虫の予防を定期的に行うことで、他の猫ちゃんから感染してしまう感染症を防ぐことが可能になります。

お家に同居猫ちゃんがいる場合、さらに感染を広げてしまう危険性があるため、より確実に予防を行なった方がいいでしょう。

迷子札やマイクロチップ

お外に出たものの、お家がわからなくなって保護されたり、飼い主さんがわからなくなってしまうことを防ぐために、迷子札やマイクロチップは有効です。

猫ちゃんを保護した際に自治体や保健所、警察や動物病院などはマイクロチップリーダーと呼ばれる体内に挿入されたマイクロチップを読み取る機械を持っていることが多いです。

マイクロチップは直径数ミリで長さが1センチくらいの大きさで首の付け根に埋め込むことが一般的ですが、マイクロチップリーダーがないと読み取ることは出来ません。

最近では動物愛護法により、販売前に挿入をすることが一般的ですが、里親さんとして譲渡される場合などは挿入されていないこともあるかもしれません。

肉眼では挿入されているかどうかは確認できないため、おうちの子に挿入されているかどうかわからない場合は動物病院でマイクロチップリーダーを用いて確認してもらうと良いでしょう。

飼い主さんが不明の猫ちゃんが保健所や警察などに連れてこられると、まずはマイクロチップの有無を確認することが一般的です。

一般の方々にはマイクロチップの番号はもちろん読み取ることができません。

そのため、飼い主さんのいる猫ちゃんということを知らせるためにも、首輪に迷子札を着けたり、首輪に飼い主さんの連絡先を書いておくと良いでしょう。

もし猫ちゃんが困っていた場合に飼い主さんに連絡してもらえる可能性が高いです。

避妊手術や去勢手術

望まない妊娠をしない、させないために女の子であれば避妊手術を男の子であれば去勢手術を行うことをおすすめします。

どちらの手術も、交配を行なわない場合は交尾のできないことで起こるストレスや病気の予防につながります。

女の子であれば子宮蓄膿症や乳腺腫瘍の予防、男の子も生殖ホルモンに関連する腫瘍の予防になるため、お外に出ない猫ちゃんも避妊手術を行うことをおすすめします。

特に女の子は初回発情前の避妊手術により、乳腺腫瘍の予防率は高まるとされており、猫ちゃんの腫瘍は悪性度の高いものになる危険性が高いため、出来るだけ早期に行うと良いでしょう。

お外に出ないで猫ちゃんに満足してもらうためには

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お外には猫ちゃんにとって危険がたくさんであることがわかりました。

同時にお外の世界には猫ちゃんの本能をくすぐる魅力がたくさんあります。

お家でも満足してもらえるようにするために、どんな工夫ができるのでしょうか。

室内で楽しめるようにする

室内でもお外と同じような冒険ができると、猫ちゃんにとって満足度が高くなる場合が多いです。

ぬいぐるみなどの小さなおもちゃを置くだけでなく、立体的な猫ちゃん用のジャングルジム、トンネル、違うタイプの爪とぎを何種類か置くなどでも、猫ちゃんは冒険気分を味わえる場合があります。

段ボールなどの身近なものでも猫ちゃんにとっては興味深いおもちゃに早変わりすることもあるでしょう。

お家の猫ちゃんの好みを見つけてみてください。

ただし、小さなものや壊れやすいものは誤飲や誤食につながる危険性があるため気を付けましょう。

飼い主さんとの適切な関係の構築

飼い主さんと信頼関係が構築されると、どんな場所でも大好きな飼い主さんと一緒にいられることが猫ちゃんにとって最高の楽しみになります。

性格の個体差はありますが、猫ちゃんは猫ちゃんだけでいる時間も楽しめる生き物です。

距離を縮める方法や維持する方法に気を付けなければいけません。

飼い主さんからぐいぐい距離を縮めることやずっとべったり一緒にいることを苦手とする猫ちゃんは多いです。

一緒の空間にいるだけでも猫ちゃんは安心して満足しているかもしれません。

猫ちゃんが誘ってきたら全力で相手をしてあげて、猫ちゃんだけの時間も楽しめるように心がけましょう。

ただし、飼い主さんが忙しかったり睡眠をとるなどの時間であれば無理をして相手をする必要はありません。

猫ちゃんにも飼い主さんの事情をわかってもらって、必要な時はあきらめられるようにしつけながら生活できると良いですね。

知育玩具

最近では猫ちゃんも遊べる知育玩具が存在します。

知育玩具は、おやつなど猫ちゃんの好きなものを利用して、考えながら遊ぶおもちゃです。

ただ体を使うだけのおもちゃと異なり、いろいろ工夫しながら遊ぶため、学習能力が高められたり、いろいろ考えることによる疲労感や体力の発散が期待できます。

好きなおもちゃやまたたびのにおいなど猫ちゃんの好きなものを用いて行うと、猫ちゃんにとって楽しい遊びになる可能性が高いです。

簡単なものから難しいものまで難易度は様々です。

知育玩具で始めて遊ぶ猫ちゃんは、まずは簡単なものから始めることをおすすめします。

まとめ

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お外の世界はとても魅力的ですが、猫ちゃんにとって危険がたくさんある場所でもあります。

お家の猫ちゃんが幸せに寿命を全うできることが飼い主さんの希望なのではないでしょうか。

怖い思いをすることや大好きな飼い主さんの元に戻れなくなったり、健康を害して寿命を縮めてしまったりするトラブルを避けるために、楽しんでもらえるような工夫をしながら完全に室内で一緒に生活することをおすすめします。

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