人工関節から移植手術まで…高度化する「高齢の猫」の医療 アイルランド

2024-10-23 06:00

医療が進み、猫の寿命が延びています。アイルランドにある猫の専門病院では、人間の高齢者と同様の複雑な手術も行われています。一方でその院長は「人間の都合で繁殖される、極端な猫種の人気」に危惧もしているのです。

長生きになった飼い猫たち

猫のレントゲン写真

画像はイメージです

飼い猫の寿命は、最先端の医療によってどんどん伸びています。かつては10歳になれば「年老いた猫」といわれましたが、現在はその2倍長生きする猫も普通にみられるようになりました。

高齢になった猫が受ける医療は、人間のお年寄りの場合と似ています。人工股関節を埋め込む手術や、心臓のバイパス手術、がんの化学療法、臓器移植手術などが専門の動物病院で受けられるようになっているといいます。

アイルランド・コークにあるThe Cat病院は、とくに猫の患者のために専門的な医療を提供する先駆的な施設として、15年前に開業しました。Clare Meade病院長は、次のように話してくれました。

「近々予定している猫の股関節手術では、ヨーロッパ(大陸)から専門の外科医をわざわざ航空機で呼び寄せます。最先端の技術はすばらしいものがありますよ。当院にはMRIやCT検査の機器もそろっていて、猫たちはまるでSF映画に出てくるような驚異的なレベルの医療を受けられるのです」

犬の人工股関節手術は広く行われるようになりましたが、猫の場合はより複雑で難しいため、まだ専門医の存在が欠かせないそうです。

高度でかつ高価な手術も

動物病院で治療を受ける猫

画像はイメージです

「つい先日は、腎梗塞を患った猫を救う緊急手術をしました。腎機能を保つために、腎臓から膀胱まで達する新しいチューブを埋め込んだのです。もちろん、こうした手術は飼い主にとってたいへんお金がかかるのも事実です」

「技術の進歩により、今は血液検査をすると15分で結果がわかります。私が医師の資格を取ったときは『10歳を超える猫は高齢だ』といわれましたが、今では15歳以上が高齢の猫なのです。しかも15歳から25歳までの猫がたくさん来院し、治療を受けてとても元気に過ごしています」と院長はいいます。

痛みに苦しむ改良種の猫

こちらを見つめるグレーのスコティッシュフォールド

画像はイメージです

しかし近年、彼女が憂慮しているのは「有名人の飼い主やTikTokなどで人気になっている極端な改良種の猫たち」の健康状態です。これらの猫は遺伝子構造が原因で、体に障害が出ることが多いからです。

歌手のテイラー・スウィフトさんも飼っているスコティッシュフォールドは、丸い顔とかわいらしい耳をもっていて、とても人気があります。しかし、そのせいで痛みに悩まされ、よく病院に連れてこられるといいます。人間の赤ちゃんに似せた「折れた耳」は異常な軟骨によるものですが、それが体のすべての関節にも影響しているのだそうです。彼女はこう続けます。

「スコティッシュフォールドは、全身にひどい関節炎を患っています。子猫のころからその症状があるため、激しい痛みを抱えながら一生を過ごすのです。人気があって高値で売れるため、まるで『関節リウマチが進行した赤ちゃん』をわざと産ませて、繁殖を繰り返しているようなものです」

「伝統的なペルシャ猫を極端に改良して、イングリッシュ・ブルドックそっくりの平たい顔にしてしまう例も増えています。人間が介入して生き物の健康を悪化させてしまう例だといえますね」

「問題は、そうした猫を大金を払って買う人々が多いということでしょう。いわゆるデザイナー猫は700ユーロ(約11万円)から2000ユーロ(約32万円)、ベンガルのようなエキゾチックな猫は5000ユーロ(約81万円)もするのです」

人間が与える医療によって飼い猫が長寿になった一方で、人々の都合で繁殖させた猫が苦しんでいる…こうした皮肉な現象が、海外でも起きているようです。

出典:Cork Cat Hospital sees 'mind-bending' medical advances as felines undergo hip replacements, transplants and chemo

関連記事

子猫を迎えたら『甘えん坊だった先住猫』にまさかの変化が…243万再生された"感動の物語"に「素敵すぎて涙」「言葉にならない」の声
猫が飼い主に感謝している時にする10の仕草
猫が大好きという気持ちを飼い主に伝える9つのサイン
猫は『好きな人』と『嫌いな人』を区別している
猫が人間に『好影響』を与えること5つ

  1. 【 東野圭吾さん公式X 】出版社7社の担当者 哀悼「ありがとう 東野圭吾さん 106作品」東野さんの訃報を受け 反響続々
  2. 午後6時から高市総理が記者会見 国会の閉会受け、今後の政権運営の方針など説明の予定 予算委では物価高対策など論戦
  3. 一緒に甘えようとするのがかわいすぎる!赤ちゃんをだっこして寝かしつけているところにネコがやってきた【アメリカ・動画】
  4. 気持ちよさそうに眠っている犬→よく見てみたら、頭の下に…想定外だった『尊すぎる光景』に1万いいね「幸せな寝顔そっくり」「まさかの仰向けw」
  5. 医師はいるのに「受診できない」――医療アクセスの盲点とは
  6. 天皇皇后両陛下 那須での静養終え帰京 静養先で御名御璽記し「改正皇室典範」公布
  7. 京都に来た『アニメのような犬2匹』→外国人が声をかけてきて…『オーマイゴージャス!』最高の反応が53万再生「爆笑」「日本人との差がww」
  8. 大きな雷が鳴り響いた結果→ふと『犬の方』を見たら、なぜか『猫背』になっていて…この世の終わりのような『怖がり方』が207万再生「丸くて草」
  9. 再審無罪の「松橋事件」めぐる国賠訴訟 国に加え、熊本県の責任も認める原告“全面勝訴”の判決 福岡高裁
  10. 中国大使館侵入事件で逮捕の陸上自衛官を起訴 建造物侵入・銃刀法違反・脅迫の罪 東京地検
  1. 作家・東野圭吾さん 今月23日未明に大腸がんのため死去 68歳
  2. 【 訃報 】作家・東野圭吾さん死去(68)大腸がんのため 「容疑者Xの献身」「白夜行」等 多くのベストセラー(講談社 発表)
  3. 「信じられない」「早すぎる」東野圭吾さん死去 中国SNSで追悼コメント相次ぐ 中国国営メディア速報
  4. 【 がん闘病 】古村比呂さん 検査のたび記されていた所見で耳鼻咽喉科へ「行って良かった」医師から教わった〝肥厚〟と〝貯留〟の違い「みなさまの参考になれば幸いです」
  5. 速度違反取り締まる“移動式オービス”盗んだか 配送業の男(58)逮捕 埼玉・加須市の国道 オービスは900万円で警察が購入 現在も見つからず
  6. ママが抱っこすると『ニッコニコの笑顔』になる犬→パパの場合は…あからさまな『表情の違い』に反響「顔に出てるよ…」「一目瞭然で笑ったw」
  7. 【 中川翔子 】 双子の体調不良でバタバタの7月「ふたごいとおしくてたまらないや」 1年前はお腹にいた我が子と楽しむ夏のひとコマ
  8. 【 鈴木奈々 】 益若つばさの手料理&おもてなしに感謝 豪華な火鍋&ウナギの蒲焼に「めちゃめちゃ美味しかったー!」
  9. 【速報】午後3時時点 東京都内で男女27人(暫定値)が熱中症疑いで搬送 東京消防庁
  10. 【元「THE BOOM」宮沢和史】〝見に来てほしいのは息子でしょ(笑)〟メンバーからのツッコミに照れ笑い 還暦を迎え音楽活動振り返り〝自分は恵まれていた〟
  11. 「さらなる行動を起こしたい」23日死亡「日本赤軍」メンバー岡本公三容疑者 40年にわたり交流続けた人物が生前の発言を証言 最期まで“テロ”に謝罪・後悔の言葉なく
  12. 関脇・安青錦「すごく嬉しい」3回目の優勝から一夜明け会見「不安がすごくありました」来場所は大関返り咲き【大相撲】