人間に「三つ子の魂百まで」という言葉があるように、猫にも性格形成に大きな影響を与える「社会化期」があります。猫の一生を大きく左右する時期なので、飼い主さんとして知っておきたいことを4つ紹介します。
1.社会化期の時期
猫の「社会化」とは、主に人間や猫同士、他の動物とのかかわり方のことです。また自分のおかれた環境を認識し、順応するという意味もふくまれています。
猫が社会化する時期のことを社会期と呼び、正確な決まりはありませんが、およそ生後2週間目ごろから約8週目までが目安です。早ければ7週目で終わり、遅くても12週目あたりまでには、性格の軸が形成されるといわれています。
なお、ペットショップやブリーダーを経由して猫をお迎えする場合、猫の社会化時期はすでに終盤の状態と考えられます。理由は、純潔種は生後8週未満での販売が禁止されていると、動物愛護法によって定められているからです。
2.人慣れするのもこの時期
猫が人間の家族として迎えられることが主流となった昨今。飼い主さんにとって人慣れをしている猫はカワイイと感じますし、また猫にとっても「人間はこわくない」という認識で成長できた方が生きやすい世の中といえます。
よって、猫の社会化期には、1人だけの人間とふれあうのではなく、より多くの人間を知る機会があるとよいでしょう。
ただし、単純に複数の人に会わせるという認識には注意が必要です。猫の扱いを知らない人だと、悪気もなく猫の嫌がることをしてしまう可能性があるからです。
猫が社会化期に得たマイナスの記憶は、猫の心の育成に逆効果を及ぼしてしまうことがあります。結果、人間に苦手意識を植え付けることになってしまいます。
また小学生以下の子どもも注意が必要です。子どもは「自分がやりたい」を優先したり衝動的に行動することが多いので、もし無理やり抱っこしたり追いかけたりしてしまった場合、猫が社交的な性格になるのは厳しいかもしれません。
3.他の動物と接点をもつとコミュニケーション上手に
猫の社会化期は、人間に対してだけでなく、他の動物とのコミュニケーションにも大きく影響します。
よく猫と犬の両方を飼っている家があり、犬も猫も仲良くしている写真や動画をSNSでも見かけることがありますが、これは猫の社会化期に他の動物と上手にふれあったことが成功の理由のひとつです。
本来は猫にとって獲物となりうるネズミや小鳥といった小動物も、社会化期のうちに一緒に過ごすことで、フレンドリーになることができます。また社会化期のうちに犬とふれあうことで、猫よりも体の大きな犬を怖がることなく仲間として見ることが可能です。
4.社会化が適応しない素質の猫もいる
いくら社会化期にたくさんの良質なふれあいを用意したとしても、適応できない猫もいます。これは生まれ持った性格や資質が大きな要因となるため、コミュニケーションを矯正することは難しいかもしれません。
そういった場合は、猫の性格を最大限に尊重してあげましょう。焦って人慣れを強要するのは逆効果で、猫のストレスにしかなりません。その猫その猫に合った関係性を築いてあげてくださいね。
まとめ
先述したように、猫の社会化期には猫にとって怖くない環境で、より多くの良質な出会いや経験をさせてあげることが大切です。
もちろん生まれつきの性格で、社会化がうまくいかない猫もいますが、この時期の過ごし方で社会化が上手に進むかが左右されると思って間違いないでしょう。
ちなみに保護猫は、生まれたときからいろいろな人や猫と触れあう機会が多い傾向にあります。
そのため、外暮らしの猫が多い場所に住む猫たちは意外とフレンドリーなことが多いです。ただし、人間にいじめられた経験のある猫は、当然ながら人への警戒心が強いでしょう。
もし出会った猫の月齢が社会化期に間に合う時期だとしたら、最善を尽くして猫とふれあって猫が「生きやすい」性格になるお手伝いをしてあげてくださいね。
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