おととし、埼玉県朝霞市で内装工事会社の男性社長をバールで殴ったうえ、会社の建物に火をつけ、男性を殺害したなどの罪に問われた男の裁判員裁判で、さいたま地裁はきょう、懲役23年の判決を言い渡しました。
埼玉県越谷市の元内装工・大西寿貴被告(33)はおととし5月、知人の菊地渉被告(39)と共謀し、朝霞市で内装工事会社の社長・長葭良さん(43)の頭をバールで複数回殴ったうえ、会社の事務所に火をつけ殺害したなどの罪に問われています。
先月17日の初公判で、大西被告は「間違いありません」と起訴内容を認めていましたが、弁護側は「菊地被告から犯行をもちかけられた」と主張していました。
検察側はその後の裁判で、「大西被告は菊地被告から殺害を実行するメッセージを受け取り了承した」「犯行の直後に衣服を着替え、菊地被告とのLINEのやりとりも削除していて、犯行は計画的で悪質」として、懲役24年を求刑していました。
きょうの判決でさいたま地裁は「菊地被告が事件を首謀したが、一番最初にバールで殴ったのは大西被告で、重要な役割を果たした」「長葭さんは無惨な最期を迎え、遺族は対面して別れを告げることができなかった」「強固な殺意に基づく犯行で凶悪。犯行後もメッセージの削除や菊地被告と口裏合わせするなど態度も悪質」として、懲役23年を言い渡しました。
大西被告は裁判長をまっすぐ見つめ、判決を聞くと、「はい。分かりました」と何度もうなずいていました。