アメリカの共和党は次の上院トップの「院内総務」に現在ナンバー2を務めるスーン議員を選びました。トランプ次期大統領を強く支持するスコット議員は投票で敗れました。
アメリカの上院共和党は13日、18年間にわたってトップの「院内総務」を務めた82歳のマコネル氏の退任に伴い、新たな院内総務を選ぶ投票を行いました。
無記名で行われた投票の結果、マコネル氏を長年、側近として支えてきた現在ナンバー2の院内幹事、ジョン・スーン議員が選出されました。
トランプ氏を強く支持する姿勢を表明し、イーロン・マスク氏らが推していたリック・スコット議員は敗れました。
マコネル氏は2021年の議会乱入事件をめぐってトランプ氏を厳しく批判したほか、ウクライナ支援の継続を訴えるなどトランプ氏と距離を置いてきた大物議員として知られています。
共和党は大統領選挙と同じ5日に行われた連邦議会選挙で4年ぶりに上院の多数派を奪還しましたが、マコネル氏の退任により上院でも「トランプ党」化が進むのか、注目されていました。
スーン議員
「我々はアメリカ国民からバイデン政権が残した混乱を一掃し、トランプ次期大統領の政策を実現するよう負託を受けている」
新たな院内総務に選ばれたスーン氏はこのように述べたうえで、▼不法移民対策などトランプ次期大統領が公約した政策の実現や、▼トランプ次期政権の幹部人事の上院での承認を進めていく考えを示しました。
一方で、ブルームバーグ通信はスーン氏が「自由貿易の擁護者でもある」と指摘し、「関税やウクライナ支援をめぐり、トランプ次期大統領と対立する可能性が出てきた」と伝えています。