第73回アカデミー賞で作品賞・主演男優賞(ラッセル・クロウ)を含む5部門受賞(12部門ノミネート)を果たした、名匠リドリー・スコット監督のフィルモグラフィを代表する伝説の名作『グラディエーター』の続編、『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』が公開中だ。前作の“その後”を圧倒的なスケールで描く本作に前作から主要キャストで唯一、ルッシラ役で続投したコニー・ニールセンが来日。話を聞いた。
ー前作でコモドゥス皇帝(ホアキン・フェニックス)の姉・ルッシラ役を演じられ、本作でも主要キャストで唯一、同役で続投されましたね。
前作の物語から十数年後が描かれ、ますます贅沢や腐敗がはびこってしまう新しい時代のローマ帝国となっていて、その変化をリドリー・スコット監督がさりげなく映像の中で示しています。崩壊しつつある帝国に身を置く感覚を観客のみなさんも感じてもらえると思いますし、技術の進化によって彼が本当に描きたかったローマ帝国のありのままをスクリーンで描けるようになったと思います。映像トリックや引き出しの多さによってさまざまな角度から撮影していきました。
ーちなみに当時から本作の主人公がマキシマス(ラッセル・クロウ)の息子であることを知っていましたか。
いえ、まさかこのような形で物語が続くとは想像もしていませんでした。でも、小さな息子ルシアスをマキシマスに紹介するシーンで、わたしの役作りの感情の中では「もしかしてこの2人には昔、実らないロマンスが少しあったのでは?」と、抱えていた秘密のようなものを感じて演じていました。
ー今作も一大スケールの超大作になりましたが、約25年ぶりに続編の撮影がスタートした時はいかがでしたか。
前作のことはずっと忘れないもので、マルタ島に着いて車に乗り初めてセットに行った時のこと。丘を上ると中世の要塞がありました。そこにコロセウムの3分の1のセットを作ってあって、そこに葉巻をくわえたリドリー・スコット監督がいて、「これが君のローマだ、建てたよ」と言ったんです。
巨大な宮殿があり、軍隊が行進する道があり、広間まで。もうわけがわからない感じで、まるで自分の人生の映画にいるような感じがしました。そして俳優にはこれは普通のことなんだと思ったんです。
そして今回、同じ場所に戻りました。約25年経ち、最初に行ったあのセットと同じ場所に立ったんです。これは映画なんだから、そんなに驚かないだろうと思ったけれど、ところがそんなことはなかった。セットに入り、コロセウムに足を踏み入れたら、現実とは思えなかったんです。この中に二度も入るわたしの人生とはどういうことなのと信じられなかったです。
ー日本の映画ファンの方にメッセージをお願いいたします。
日本のみなさんこんにちは。今回明治神宮に行ったのですが、七五三という行事で着物を着た子供たちがたくさんいて、本当に美しくて感動しました。みなさんがわたしたちを感動させてくれます。本当にありがとうございます。ぜひ映画館でご覧になってください。
配給:東和ピクチャーズ
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