猫と暮らしていると、「私を猫だと思っているのかな?」と思う瞬間があるかもしれません。動物学者ジョン・ブラッドショー氏の研究によれば、猫は飼い主を『敵意のない猫』と認識している可能性があるとのことです。この記事では、そんな猫が飼い主を猫だと思っているかのように見える行動を4つ紹介します。日頃の行動から垣間見える猫たちの気持ちや、その背景を見ていきましょう。
1.尻尾を上げてスリスリする
猫によく見られる「尻尾を上げてスリスリする」行動の理由は、もしかすると飼い主さんを猫だと思っているからなのかもしれません。というのも、この行動は猫社会では挨拶に当たるものだから。外で暮らす野良猫も猫以外の動物にスリスリすることはまずないため、人間を猫だと思っているのではないかという理屈です。
そもそもこの行動は、スリスリしながら相手のニオイを嗅ぎ、自分のニオイを嗅がせて確認しあうという意味があります。好意を持っている相手にしかせず、好意が強いほど長時間やるのも特徴です。
また他にも、スリスリしながら頭突きをする場合もあります。これも猫社会では「大好きだよ!」という合図です。愛猫がこのような愛情表現を頻繁に行うのであれば、猫だと思われている可能性が高いでしょう。
2.猫団子の一員としてみなされる
寒さの厳しい季節に、猫同士がくっつきあって団子になっている光景を見たことがないでしょうか。これは通称「猫団子」と呼ばれるもので、チームで身を寄せ合って寒さから身を守っているといわれています。家猫の場合も、飼い主さんにくっついて暖を取ろうとしていることがあるかもしれません。
とくに子猫の場合は、飼い主さんを母猫に見立ててくっつこうとすることが少なくありません。単に寒いからくっついているだけでなく、甘えたい、安心するといった意味合いもあります。
猫は単独で狩りをする動物ですが、だからといって猫同士のコミュニケーションがないわけではありません。多頭飼いしている家では、猫同士で団子になっていることが多いでしょう。1匹で飼っている場合も、同種でくっつきあうと安らぐ…という本能があるのかもしれませんね。
3.猫同士と同じような遊び方をする
遊び方について、犬と猫の面白い比較があります。犬は、犬同士で遊ぶときと飼い主さんと遊ぶときでは明らかに遊び方が違います。飼い主さんと遊ぶときは、「指示に従う」という主従関係を用いたやり取りを楽しんでいる様子が見られるためです。
対して猫の場合は、相手が猫でも人間でも遊び方はほとんど変わりません。いわゆる「猫プロレス」のような攻撃を人間にも繰り出せるのです。また、犬のように「褒められて喜ぶ」という感覚もありません。
これは、猫が飼い主さんを猫だと思っている大きな理由といえるのではないでしょうか。同じ猫なので飛びついても構わないし、自分と同じように動けるはず…と考えているのかもしれませんね。
4.仕留めた獲物を持ってくる
母猫は、まだ狩りをできない子猫のために獲物を取って持って帰ってきます。家猫の場合も、これと同じような行動を飼い主さんにすることがあります。突然、おもちゃや虫、小動物などを差し出されたことがある方も少なくないのではないでしょうか。
ちょっぴり心外な話ですが、猫は飼い主さんのことを「狩りができないどんくさい猫」だと思っている場合もあるようなのです。同じ仲間として、仕方ないのでお裾分けしてあげている…という感覚なのでしょう。
当然のことながら人間に獲物を使う用途はないのであり、猫がそれを理解していないということは…。同種だと思っている可能性も低くはないのかもしれません。
まとめ
猫同士で見られるコミュニケーションを飼い主さんにもすることが、猫が飼い主さんのことを猫だと思っている理由といえます。「なんだか様子がおかしいけれど、猫の挨拶が通じたから猫なのか…」といった具合なのかもしれません。自分に敵意を見せてこないために、同種だと感じている可能性もあります。
「主人」と捉えられていないのはちょっぴり寂しくもありますが、猫が飼い主さんに猫社会のやり方で接するのは、仲間と認めている証拠ともいえるのではないでしょうか。大きな猫だと思われていたとしても、猫に許容されているならそれで充分な気もしてしまいますね。
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