キャベツ1玉380円。鍋には欠かせない野菜の価格が、夏の高温の影響で平年の1.5倍から2倍ほどに高騰しています。飲食店からは悲鳴も上がっています。
【写真で見る】「家計の負担が…」ニラや白菜、大根なども割高 新米出たのにコメ価格も高騰続く
「これ以上高くなってほしくない」鍋の季節にキャベツ高騰
日が落ちると、一段と寒さを感じる季節。そんなとき、自然と温かいものが恋しくなります。
都内にある九州料理「築地 ふく竹」は賑わいを見せていました。人気のメニューは、明太子をのせた「モツ鍋」です。
客
「寒くなってきたので、鍋食べたいなと思って。おいしい、ぷりぷり」
しかし、忘年会シーズンを前に、この店は“大きな悩み”を抱えています。
築地 ふく竹 堀畑康二郎 店長
「6玉で3600円になります。(1玉)600円。(平年比で)3倍くらい」
キャベツの価格が高騰。それでも今は、モツ鍋の価格は据え置いているそうです。
築地 ふく竹 堀畑康二郎 店長
「モツ鍋はキャベツがないと鍋にならないくらい貴重な野菜。キャベツがないとうちも商売やっていけない。これ以上高くなってほしくないと思っている」
都内のスーパーでも、キャベツの価格が高騰しています。
スーパーさんよう 新妻洋三 社長
「これが380円。これが標準なんです。このサイズは(平年なら)198円がいいところ。(平年の)倍ですね」
「家計の負担が…」ニラや白菜、大根なども割高
さらにニラや白菜、大根なども割高な状態が続いているといいます。
農林水産省が、26日に発表した11月18日から20日の野菜の小売価格。平年に比べ、▼キャベツが約2.4倍、▼白菜が約1.5倍、▼大根が約1.6倍などとなりました。
買い物客
「ちょっとつらいですよね。これからお正月にもなるし年末にもなるし、家計の負担がちょっと…」
「高いのは食べられない。それに代わるものを見つけて買っている。なんとかなりませんかね」
こちらの店では、他の商品の売り上げでカバーすることで割高な商品の価格を抑えているそう。
スーパーさんよう 新妻洋三 社長
「市場の会議で2か月前には、11月からめちゃめちゃ値段が下がるという情報だった。ところが11月も終わりに近い。一部は下がりましたけどまだ高い」
農水省は、この夏の天候不順による生育不良が要因で価格が上昇していると分析。
ただ今後は、産地での収穫量が、徐々に平年並みに戻ってきていることから12月中旬から下旬にかけて、価格は落ち着くのではないかとしています。
“令和の米騒動” 新米出たのに…「いつ下がるか見通し立たない」
高値が続いているのは、野菜だけではありません。
スーパーさんよう 新妻洋三 社長
「今はちょっと例年より高い。5キロで3500円、3400円。去年だと2500円や2800円、だから500円は上がってる」
この夏、店頭からコメが姿を消した“令和の米騒動”は、9月以降の本格的な新米出荷によって解消するとされていました。
ところが、新米が出荷された後も価格は高騰したままです。農水省が発表した10月の新米の取引価格は、前の年と比べて1.5倍以上で推移しています。
スーパーさんようでも、コメは高値が続いているものの、現状は売れているといいます。
スーパーさんよう 新妻洋三 社長
「やっぱり米は大事。高いから(買うのを)やめようと、お米だけはそうはいかない。お米がなくなったら一番心配する」
今後のコメの価格について、都内の米店は「新米が流通した際、平年の2倍近い価格に設定されたことで、それが基準になってしまったため、価格が下がりづらくなってしまっている。今後、いつ下がるのかは見通しが立たない」としています。