愛知県蒲郡市と株式会社 明治 中部支社は、高カカオチョコレートの健康効果に注目が集まるきっかけとなった「蒲郡スタディ」の10周年を記念し、2024年11月24日(日)に高カカオチョコレート研究の原点である蒲郡市でイベントを開催した。イベントでは、愛知学院大学特任教授の大澤俊彦氏による「蒲郡スタディ」の振り返りやカカオ研究の知見について、市民セミナーを実施。また、11月25日(月)からは、蒲郡市内の喫茶店10店舗でモーニング提供時などに高カカオチョコレートの配布も行っている。
※なくなり次第終了
※一部店舗ではモーニングではなくコーヒーの提供時に高カカオチョコレートを提供
日本初のチョコレート摂取による大規模研究「蒲郡スタディ」
「蒲郡スタディ」とは、10年前となる2014年に蒲郡市・愛知学院大学・明治の産学官で実施された、日本初のチョコレート摂取による大規模研究のこと。蒲郡市内外の45〜69歳までの347人(男性123人、女性224人)に4週間、カカオポリフェノールを多く含むカカオ分72%のチョコレートを毎日一定量(1日5gを5枚、約150kcal)摂取してもらい、摂取前後の血圧測定や血液検査などで身体の状態の変化を検証した。蒲郡市は生活習慣病罹患者県内ワーストの状況を改善し、高カカオチョコレートが健康を考えるきっかけの1つとなった。
市民向けセミナー カカオポリフェノールと「からだの健康」の関係について
セミナー冒頭、愛知学院大学特任教授の大澤俊彦氏は、10年前の大規模研究である「蒲郡スタディ」を振り返り、実証された高カカオチョコレートの効果効能を説明。まず、蒲郡市で行われた「チョコレートの生活習慣病に関する実証研究」の試験では、45~69 歳の健常な男女347名が4週間、高カカオチョコレートを1日5枚(25g 150kcal カカオポリフェノール650mg)摂取し、理学的検査・血圧・血液生化学的検査・尿検査などをしたところ、以下のような結果が明らかになったという。
・体重・BMI(肥満度)の変化は認められなかった。
・正常血圧の人は変化が小さかったが、高血圧群の人は大きく血圧が低下した。
・善玉コレステロールと呼ばれるHDLコレステロールの値が上昇した。
・抗炎症マーカー(hs-CRP)と酸化ストレスマーカー(8-OHdG)の数値が高かった上位4分の1の方においては、それぞれの値が有意に低下した。
・脳にとって重要な栄養分であるBDNFが有意に上昇した。
※「蒲郡スタディ」の研究結果詳細:
https://www.meiji.co.jp/chocohealthlife/news/research_final.html
このような結果から、大澤氏は高カカオチョコレートが人間の身体にもたらす可能性について、「血圧が下がる、炎症マーカーが下がる、身体の酸化マーカーが下がる、そして善玉コレステロール値が上がる。こうした結果は、動脈硬化のリスクを下げるという一つの指標になります。また、高カカオチョコレートを摂取することで、精神的な健康度がアップする。さらに、高カカオチョコレートに含まれるカカオポリフェノールが、老化・認知症の予防、腸内環境改善にも期待できることがわかってきました」と解説した。
また、セミナー後半には、MCと大澤氏によるトークセッションを実施。そこで語られた、高カカオチョコレートの効果的な食べ方などをご紹介しよう。
チョコレートを食べるおすすめのタイミングは?
「蒲郡スタディ」では、1日5枚(25g)の高カカオチョコレートを、「何時食べてもよい」という設定だったが、朝起きた時には、糖(グルコース)が脳のエネルギーとして必要となるため、朝に食べるのがおすすめ。
カカオポリフェノールはどのくらい取ればいい?
「蒲郡スタディ」では1日あたり25gの高カカオチョコレート摂取により、650mgのカカオポリフェノール摂取の試験を行った。この量の高カカオチョコレートを食べて、さらに普通の食事をしていれば十分なポリフェノールが取れるだろうということで、1日あたり25gの高カカオチョコレートという摂取量に決まった。
チョコレートと組み合わせると良い食べ物は?
チョコレートに脂肪分として含まれているカカオバターは、果物に多く含まれているカロテン類の吸収を助けるため、オレンジやバナナ、パイナップルなどと一緒に食べると良い。また、イチゴやベリー類、干しブドウなどのようなアントシアニンを多く含む食品素材や、抗酸化成分を多く含むナッツ類との組み合わせもおすすめ。
カカオ分が高いチョコレートの方が健康に良いのか?
普通のチョコレートの場合はたくさん食べないと、カカオポリフェノールが取れないが、高カカオチョコレートは普通のチョコレートの2、3倍の量のポリフェノールが入っているため、高カカオチョコレートの方が有用成分を摂取しやすいと言える。
蒲郡市内の喫茶店で提供時に高カカオチョコレートを配布
「蒲郡スタディ」の10周年を記念し、明治は蒲郡市内の喫茶店(10店舗)に高カカオチョコレート3200個を提供。11月25日(月)より、モーニングなどの提供時に「高カカオチョコレート」を1人1枚配布している。喫茶店での高カカオチョコレートの配布は、予定枚数に達し次第終了となる。
蒲郡市で昭和45年から喫茶メルヘンを営む、店主の竹内洋子さんは、「わたしも普段は食後にスイーツやチョコレートなどをお茶といっしょに嗜んでいましたが、『高カカオチョコレートを食べることを続けていくと、血圧が下がったり、腸内環境が改善されたり、さらに老化予防や認知症予防にもつながる』という話を聞いて、さっそく朝に高カカオチョコレートを取り入れようと思いました。また、お客様にもモーニングでのチョコレート配布をしながら、高カカオチョコレートをお勧めしていきたいと思います」と、高カカオチョコレートの健康効果へ期待を述べた。
■高カカオチョコレート配布店舗
・「喫茶メルヘン」(蒲郡市三谷北通 2-192)https://marchen-coffee.com/
・「ヤミー ベーカリー&カフェ」(蒲郡市三谷町九舗 47-12)https://hmgs.jp/yummy/
・「ドルフィン」(蒲郡市三谷町若宮 235)https://hmgs.jp/dorufhi/
・「美楽」(蒲郡市三谷町六舗 32)https://www.sk2.aitai.ne.jp/~miraku/index-1.html
・「Cafe さかゑや」(蒲郡市三谷町港町通 21-2)https://twitter.com/cafesakaeya
・「Cafe&BeerHall tetote」(蒲郡市港町 18-27)https://nc5j100.gorp.jp/
・「KOREAN DINING MONJO」(蒲郡市宮成町 6-3 1F)https://www.instagram.com/monjo.annyeong
・「ふるさと」(蒲郡市中央本町 11-7)※HPなし
・「内田珈琲店」(蒲郡市旭町 23-9)https://uchida-coffee.x0.com/
・「自家焙煎珈琲 喫茶スロース sloth coffee」(蒲郡市神明町 9-14)https://slothcoffee.jp/
10年前の「蒲郡スタディ」をきっかけにチョコレートの健康効果が広く知られ、チョコレートのイメージは単においしいお菓子から健康的な食べ物へと大きく変わった。今回のイベントを機に、高カカオチョコレートにはさまざまな健康効果があることを改めて知った筆者。高カカオチョコレートを毎朝食べることを習慣化してみようと思う。