冬の味覚の王様と言えば「カニ」。中でも、日本海で獲れる「ズワイガニ」が有名ですが、いま、味はそのまま、価格は抑えめの「強敵」があらわれています。
【画像でみる】見分け方「オオズワイガニ」は口がM字、「ズワイガニ」は口が水平
やっかいもの扱いの“激安ガニ” 味はほぼ本ズワイガニ
いま、”安くておいしいカニ”があるということで上野・御徒町にやってきました。
鮮魚店で売られていたのは「オオズワイガニ」、1杯980円。名前にズワイガニがついていて、見た目もズワイガニそっくり。でも、実はまったくの別モノなんです。
このカニは2023年に北海道で大量発生。漁師からは“やっかいもの”として扱われていました。
北海道えりも町の漁師
「網にかかってあいつら口で網切るんでそれで網が結構やられますね」
しかし、あまりにもとれすぎたため、地元の直売所などで1杯150円ほどで販売したところ、“激安ガニ”として人気者に。そして、2024年も豊漁で日本各地で販売されています。
太平洋に面する北海道の広尾漁協の直売所では、一箱2000円でオオズワイガニの詰め放題イベントを開催。また、北海道のえりも漁協のネットショッピングでも、大サイズ1杯あたり1000円以下で販売されています。
大阪のスーパーでは…
前田春香キャスター
「カニが並んでます。たくさん並んでるのがオオズワイガニですね。こちらの松葉ガニは1匹1万2800円(税抜き)。オオズワイガニは1匹1580円(税抜き)。値段が全然違います」
東京・目黒区にある鮮魚店でも、オオズワイガニの甲羅盛りが1380円。
サカナバッカ中目黒店 石井宏和店長
「本ズワイだったら倍くらいすると思うんですけど…」
価格は抑えめのオオズワイガニ、早速購入したお客さんがいました。
お客さん
「ユリ根とカニとの炊き込みご飯にする。(1380円は)安いよ。大きなカニなんていま2万円超えるから」
一体どんな味なのでしょうか?
記者
「身が引き締まっていて非常においしいですね、味もほぼ本ズワイガニですね」
物価高が続く中、オオズワイガニは食卓の救世主になるのでしょうか。
オオズワイガニ 味もそっくり? 都心では1杯980円
井上貴博キャスター:
『オオズワイガニ』は生息は北海道周辺、生の状態だと濃い茶色、ボイルすると赤い色になるそうです。
一方、『ズワイガニ』は生息は日本海、オホーツク海などで、生の状態だと薄い茶色、ボイルするとオレンジ色になるそうです。
見分けはなかなかつきにくいです。
ホラン千秋キャスター:
見比べないと難しいですね。
井上キャスター:
見分け方としては『オオズワイガニ』は口がM字、『ズワイガニ』は口が水平なのだそうです。ただ味はほとんど一緒ということです。
気になる『オオズワイガニ』の味を聞いてみました。
石川県水産課
「漁業関係者によるとズワイガニと比べ味は薄いと聞いている」
サカナバッカ中目黒店 店長
「味と身入りはズワイガニと言われても分からないほど差がない」
消費者にとっては嬉しいことですが、困るのは生産者です。オオズワイガニの流通でズワイガニと誤解されるような表示で販売されるケースがあるそうです。国は各業界団体などに適正に表示するよう要請を出しているということです。