「あける」という言葉の漢字表記はたくさんあり、困惑してしまう人もいるのではないでしょうか。
現に「あける」は「開ける」「空ける」「明ける」など、いくつかの漢字表記が存在します。
今回はそんな「あける」の意味の違いについて解説します。
「開ける」「空ける」「明ける」があらわすもの
ここでは「あける」の漢字がそれぞれあらわすものを解説します。
「開ける」があらわすもの
「開ける」は仕切りや隔たりになっているものを取り除くという意味があります。
もしくは閉じていたものを開くという場面を指して使用されることもあります。
そのため「鍵をあける」「封をあける」「窓をあける」「目をあける」などの「あける」は漢字表記で「開ける」と表現するのが一般的です。
「空ける」があらわすもの
「空ける」は今までそこを占めていたものや塞いでいたものを取り除くという意味があります。
他にも「空ける」には色々な意味があり、単に空間や空白を作ることや空の状態にする場面を指して使用される言葉です。
時には器の中のものを移したり、他の器に出したりする場面でも使用します。
例外として、自由に使用できる暇な時間を作るという意味でも使用します。
場合によっては、留守を指して使用することもあるので注意が必要です。
そのため「穴をあける」「家をあける」「部屋をあける」「間をあける」「グラスをあける」などの「あける」は漢字表記で「空ける」と表現するのが一般的です。
「明ける」があらわすもの
「明ける」はある一定の期間・時間・状態が終わり、次の期間・時間・状態に移り変わるという意味があります。
他にも特定の状況から新たな状況に変わることも指す言葉となっています。
そのため「年があける」「夜があける」「喪があける」などの「あける」は漢字表記で「明ける」と表現するのが一般的です。
どの「あける」を用いるの?
ここからはどの「あける」を使うべきかを解説します。
長い夜が「あける」
長い夜が「あける」という場合は「明ける」と表記します。
「明ける」はある一定の期間・時間・状態が終わり、次の期間・時間・状態に移り変わるという意味があるため、夜が「あける」場合は「明ける」が正しいです。
「開ける」や「空ける」だと「夜が明ける」という意味にはならないので、使用する際には注意が必要となるでしょう。
空気が悪いので窓を「あける」
空気が悪いので窓を「あける」という場合は「開ける」と表記します。
「開ける」は仕切りや隔たりになっているものを取り除くという意味があるため、窓を「あける」場合は「開ける」が正しいです。
「明ける」や「空ける」だと「窓を開ける」という意味にはならないので、同じく使用する時は気を付けねばなりません。
前の車と距離を「あける」
前の車と距離を「あける」という場合は「空ける」と表記します。
「空ける」は今までそこを占めていたものや塞いでいたものを取り除くという意味もありますが、空間や空白を作ることや空の状態にする意味もあります。
そのため、車と距離を「あける」場合は「空ける」が正しいです。
「あける」の使い分けでどんな違いが生まれる?
同じ「店をあける」でも「開ける」「空ける」と表現できます。
しかし、使用する漢字によって意味合いが変わってしまう点には注意が必要です。
店を「開ける」
店を「開ける」と表記した場合、開店することを意味します。
「開ける」は空間や空白を作ることや空の状態にする場面を指して使用される他、閉じていたものを開くという意味もあります。
そのため、店を開店する際の「あける」は「開ける」が正しいです。
店を「空ける」
店を「空ける」と表記した場合、留守にすることを意味します。
「空ける」には空間や空白を作ることや空の状態にする場面を指して使用される他、留守にするという意味もあります。
そのため、店を留守にする際の「あける」は「空ける」が正しいです。
まとめ
「あける」の漢字表記は「開ける」「空ける」「明ける」と複数あって困惑してしまうことがあります。
しかし、漢字の意味をきちんと理解しておけば、状況に合わせて的確な「あける」が使用できるようになるはずです。
その一方、店を「あける」など同じものに対して「開ける」「空ける」など両方の漢字が使用できる場合もあります。
その場合は使用する漢字によってニュアンスが変わってしまうので、使用する感じには十分注意しておきましょう。
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