猫特有の病気であるイエローファット。直訳すると黄色い脂肪になりますが、果たしてその正体とは!?なぜ発症するの?治すことはできるの?詳しく解説いたします!!
意外と身近な病!?『イエローファット』
あまり聞きなれない『イエローファット』という病気。
ここでは由来から症状、原因、対処法まで詳しく解説いたします。日本特有の食文化も影響し得るので、意外と身近に潜んでいる可能性ありです。
1.正式名称は『黄色脂肪腫症』
イエローファットの正式名称は黄色脂肪腫症です。他に、汎脂肪織炎とも呼ばれています。
この病気は猫特有のもので、皮下や腹腔内の脂肪がしこりに変化して悪さをします。具体的には硬いしこりが炎症を起こし、壊死が生じます。
なぜイエローファットと呼ばれているかというと、しこりと化した脂肪が黄色くなることに由来しています。
2.原因は『栄養の偏り』
黄色脂肪腫の主な原因は栄養の偏りで、ビタミンE不足と不飽和脂肪酸の摂取量が多い場合に脂肪組織が黄色いしこりへと変換されるリスクが上がります。具体的には次のような背景があると起こりやすいといわれています。
- マグロ、カツオ、サバなどを好む
- 不飽和脂肪酸の代謝異常がある
- 何らかの要因で絶食状態にいた
- 総合栄養食をあまり食べない
1つ目と2つ目は、いずれもがん抑制の効果が期待されている『不飽和脂肪酸』が絡んだ要因です。
上に挙げた魚はいずれもこの成分を多く含み、これらの加工品及び主成分となる食事がメインになるとリスクが上がります。元々代謝異常がある猫が魚を好む場合は尚更です。
3つ目に関しては、飢餓状態にある野良猫や、体調不良で食事が取れなくなってしまった家猫にまつわるリスクです。ビタミンEの摂取量が少ない状態で、魚など不飽和脂肪酸を多く含む食事を日常的に食べるようになった場合はリスクが高いです。特に漁港など海辺に住んで魚をもらっている野良猫などでは、発症リスクが高いと言えるでしょう。また、黄色脂肪症に関わらず猫は3日間絶食が続くと悪影響を及ぼします。
4つ目もビタミンE摂取と不飽和脂肪酸量のアンバランスが起きやすい原因の一つです。総合栄養食には規定量のビタミンEが含まれていますが、そういった規定のない副食やおやつだけでは栄養が偏ってしまいます。
3.実に多彩な症状
黄色脂肪腫のキーワードは『しこり』ですが、他にも多彩な症状があらわれます。
- 元気がない
- 食欲がない
- 腹痛がある(うずくまったまま動けない)
- 発熱
しこりに関しては、皮膚の下にボコッとした硬いものがある(実際に触れてみてわかる)という特徴があります。基本的に猫の脂肪はぷよぷよと柔らかいので、下腹部など柔らかいはずの部分に硬いものが触れる場合は要注意です。
4.治療法は『食習慣の見直し』
黄色脂肪腫自体は良性の腫瘍なので、初期段階からしっかりと治療をすれば命を脅かすことはありません。ただし放置すれば強い痛みや発熱を伴い、全身に影響が及ぶ病なので、決して楽観視してはいけません。
具体的な治療法は食事の見直しです。猫は純粋な肉食動物なので、本来であれば肉類を主原料とした食事を摂ることが理想です。
よって、鶏肉など魚介類以外を主成分とした総合栄養食を選んで食べさせてください。総合栄養食にはビタミンEも含まれているため、きちんと食べていれば摂取不足になる心配がなくなります。
黄色脂肪症と診断された場合、その治療期間中は魚や魚油を含むトッピングやおやつも避けましょう。
おすそ分けと称してマグロやカツオ、サバなどを食べさせる行為も卒業しましょう。これらの治療は、再発防止としても役立ちます。
他には対症療法を行っていきます。例えば、発熱や痛みが強い場合にはステロイドを用いて炎症を抑えます。脂肪の酸化が原因で起きるので、症状が強い場合には抗酸化物質であるビタミンE製剤を用いて、酸化することを抑えます。
5.猫にとってバランスの良い食事を心がける
先ほども触れたように、この病気は栄養の偏りや偏食が原因で起こります。猫にとってバランスの良い食事(総合栄養食)を食べさせるようにしましょう。
どうしてもマグロやカツオなどをおすそ分けしたい場合は、主食を鶏肉メインのものにし、魚は細切れにしたものを少しだけご飯に時々トッピングする程度に留め、日常的に与えるのは避けてください。
まとめ
黄色脂肪腫症(イエローファット)は、魚好きの猫やフードの好みに偏りのある猫に多い病気でしたね。
特に日本は新鮮な魚類が身近にある分、愛猫にも食べさせてあげたいと思うかもしれません。くれぐれも魚を主食にしないように気をつけましょう。
最後に黄色脂肪腫症と悪性腫瘍の識別について紹介いたします。
見た目だけでは良性と悪性は判断できませんが、悪性腫瘍は同じしこりを作る病でも、短期間に大きくなることが多いのが特徴です。
しこりに気づいた時点で診てもらうことが理想ですが、初期段階では特定出来ないケースもあります。
『経過観察』と言われた際にはこまめにしこりの様子を見るようにしてください。大きくなるようであれば、躊躇せずに再診しましょう。
人も猫もバランスの良い食事が大切です。猫の場合は飼い主さんが気遣う他に手段がないので、サポートしてあげてください。
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