貸金業を営む男らから違法に債務整理の仕事の紹介を受けたとして、86歳の弁護士の男が逮捕されました。多重債務者に高額な費用を払わせ、1億円以上を得ていたとみられます。
【動画】多重債務者を狙い1億円以上を得たか 86歳の弁護士逮捕 違法に債務整理の紹介を受けた疑い 警視庁
逮捕されたのは、弱者を救うはずの弁護士でした。古閑孝容疑者(86)はおととし3月ごろ、弁護士資格のない貸金業の男ら2人から多重債務者の債務整理について紹介を受けた疑いがもたれています。
記者
「警視庁の捜査員が家宅捜索を終えて出てきました」
弁護士は、弁護士資格を持たない人から業務のあっせんを受けることを禁止されていて、弁護士会から告発を受けた警視庁は去年10月、法律事務所など21か所を家宅捜索。
多重債務者を狙った手口はこうです。
貸金業者→多重債務者
「債務整理したら金を貸せる」「詳しい人を紹介する」
貸金業者に債務整理を持ちかけられた多重債務者。行政書士を介して古閑容疑者にあっせんされたということです。
古閑容疑者は、多重債務者の債務整理を行って報酬を得て、貸金業者と行政書士に紹介料を支払っていたとみられます。報酬を得る際、古閑容疑者は債務者に対し、紹介料の分を上乗せした費用を請求していたということです。
古閑容疑者が2年間で受けたあっせんは270件近く。多重債務者たちから得ていた金額は1億円以上にのぼります。
専門家は、「弁護士の倫理観が求められている」と指摘します。
大量広告事務所による債務整理二次被害対策全国会議 三上理 弁護士
「人の不幸を種にして効率的にお金を稼ぐ。簡単に金を稼ぐための手段として捉えられているのではないか」
取り調べに対し、古閑容疑者は容疑を否認しています。