中居正広さんと女性のトラブルに社員が関与したとの一部週刊誌報道をめぐり、フジテレビは第三者委員会の設置を決めました。
3月末までに調査報告を予定も…弁護士は「かなり短い」と指摘
井上貴博キャスター:
23日に行われたフジ・メディア・ホールディングスの会見では、日弁連のガイドラインに基づく第三者委員会の設置をフジテレビが正式に決めたことが明らかになりました。第三者委員会の設置は、ずっと指摘されていたことです。
調査報告を3月末までに行うとのことで、あと2か月ほどと期限を区切っていますが、どう受け止めますか?
西脇亨輔 弁護士:
かなり短いですよね。旧ジャニーズ問題のときの特別調査チームや、日本大学の第三者委員会もそうでしたが、少なくとも3か月ぐらいは時間がないと結論が出にくいところがあります。
特に今回の場合、調査のスコープ(領域)というのですが、どこまでさかのぼって調べていくのか、もし企業体質までさかのぼるとすると、かなり厳しい期限が切られている印象があります。
井上キャスター:
このように期限を区切るということはあるのでしょうか?
西脇亨輔 弁護士:
これ自体は会社側がお願いする形になるので、「どうしても」というときもあるでしょう。ただ、そこも含めて、第三者委員会側で「この調査はこの期間がないとできません」などと意見を聞いていくことが大事だと思います。
中居さんには「女性を傷つけない形で話せる内容はあるはず」
井上キャスター:
もう一つ動きとしてあったのが、中居正広さんの引退表明です。昼ごろに正式に発表されました。
時系列で振り返っていくと、▼2024年12月に一部の週刊誌が女性とのトラブルを報道し、▼1月9日に中居さんが「トラブルがあったことは事実」とコメントを発表。▼17日にフジテレビ社長の会見が行われ、▼きょう23日に引退表明となりました。
ホラン千秋キャスター:
中居さんご本人も「トラブルがあったことは事実」と認めているわけですが、街中の声などを聞いていても、衝撃を受けた方が多いようですね。
歴史・時代小説家 今村翔吾さん:
SMAPの解散もそうですが、こういう未来になるなんてまったく想像がつかないというか、中居さんのことは国民みんなが知っていると言っても過言ではないなかで、衝撃ですよね。
井上キャスター:
たとえば西脇さんが中居さんの担当弁護士をしていたと仮定すると、コメントしか出していないなかで、「最後に本人の言葉で」と会見を勧めるものでしょうか、それとも、今回は言えることも少ないですし、なかなか難しいのでしょうか。
西脇亨輔 弁護士:
本来であればやはり、今まで応援してくれたファンの方々やいろいろな方に向け、生の声を届けるべきだと思います。そこは弁護士などとも相談し、プライバシーに配慮した状態でお話をすることも可能ではないでしょうか。
そういったことはしていただきたいと思う反面、トラブルの深刻さなどもあって今回の判断をされたのかもしれませんが、このまま中居さんの声をもう聞くことがないというのも、非常に寂しい気はします。
ホランキャスター:
核心部分は話せない約束になっているでしょうし、会見を開いても完全に理解してもらうことは難しいのであれば、開かないという手段もあるにはあるのでしょうが…。
西脇亨輔 弁護士:
フジテレビの会見や中居さんの対応を見て思ったのですが、確かにプライバシーは守り続けなければいけませんし、トラブルに遭った女性のことが第一です。それは大前提であると同時に、そこを真剣に考えていけば、女性を傷つけない形で話せる内容はあるはずです。
中居さんが前回「今後の芸能活動についても支障なく続けられることになりました」とコメントしてしまったことや、フジテレビが一連の問題を知ったあとでも中居さんを起用し続けたことなど、説明できる内容は多くあるはずです。
そこを真剣に考えないといけませんし、プライバシーという言葉に甘えて何も説明せずに終わってしまうのは、よくないのではないかと思います。
井上キャスター:
切り分けられるべきところを、一緒くたにしてしまっていると。
西脇亨輔 弁護士:
ちゃんと考えれば分けられるはずです。
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<プロフィール>
西脇亨輔さん
元テレビ朝日アナウンサーで現在は弁護士
専門は企業法務 労働法や刑事事件にも精通
今村翔吾さん
「塞王の楯」で第166回直木賞受賞
歴史・時代小説家 30歳までダンス講師