株式会社S8 Plus(株式会社ゲームエイトとソニーペイメントサービス株式会社の共同出資により設立された合弁会社)は、アプリ外課金をはじめとするゲームを含めたエンタメ領域における決済にまつわる新事業を1月23日(木)より開始しました。
その新規事業開始に伴い、会社設立の背景や事業詳細を発表する「設立事業発表会」が同日都内で行われ、ソニーペイメントサービス株式会社取締役専務執行役員の溝口純生氏、株式会社S8 Plus代表取締役社長の沢村俊介氏が登壇し、事業紹介が行われました。まず冒頭、溝口氏は、「スマートフォン、ソフトウェア競争促進法が成立いたしまして、ますますこのスマホゲーム、市場拡大していくものと想定しております。そうした中で国内のゲームメディアトップ企業でいらっしゃいますゲームエイトさんと単なる業務提携ではなく、合弁事業という一歩強くコミットした形で今回ご一緒することができることになりました」とあいさつしました。
溝口氏の説明にあるように2024年6月12日、国会で「スマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアに係る競争の促進に関する法律」が可決されました。新合弁会社「S8 Plus」はこの法律の可決を受け、国内最大級のゲーム総合情報サイトを運営するゲームエイトが有する豊富な顧客・ユーザー基盤や、ソニーペイメントサービスが有する独自のネットワークと安全性の高い多様な決済ソリューションなど、両社の経営資源・業務ノウハウを統合。ゲームやエンタメ領域の決済にまつわる課題の解決を目指して設立されたとのことです。
「S8 Plus」が展開していくサービスについては、まずは総合決済サービス「S8 Payment」があり、これは「S8 Shops」と「Game8 Store」専用の総合決済サービスのこと。アプリ内アイテムの購入や、ゲームダウンロードキーの販売に必要な機能をシームレスに統合することで快適な購入体験を実現するとのことです。
「S8 Shops」は、アプリ外決済サイトをワンストップで構築・運用するサービスのこと。ゲームパブリッシャー直営のアプリ内アイテム販売サイトを開設することで、ユーザロイヤルカスタマーとの長期的なエンゲージメント構築が期待されています。
これまではゲームパブリッシャーなどのエンタメ領域に携わる事業者が独自でアプリ外課金の仕組みを一から検討・設計・構築する場合、多くの時間とコストを投入する必要がありましたが、この一連の開発工程を短期間で導入できるパッケージで提供することで、導入コストの削減とともに、導入に必要な期間の短縮を実現。早期の収益最大化の支援になりそうです。
また「Game8 Store」は、月間5億PV、4,200万UUの実績を誇る「Game8」の中でゲーム内通貨やダウンロードキーなどを販売できるサービスのこと。これまでは攻略サイトなどの記事で情報を入手したユーザーが、その情報をヒントにゲームの課金・購入をしたいと考えた場合、たとえばゲームを再度起動して課金画面に向かったり、ゲーム販売サイトに移動したりする必要がありました。
この「Game8 Store」は「Game8」のサイト内にシステムを内包していて、決済は「S8 Payment」を使用することで、ゲームに対する熱を余計な画面遷移などで削がれることなく、かつ安全にアプリ内アイテムの購入やゲームのダウンロードキーの購入まで、一つのサイト内でシームレスに完了することができるようになります。
最後に代表取締役社長の沢村氏は、「我々が儲かればいいというよりも、データセキュリティも含めて、そもそもAppleさん、Googleさんが担保されてきたものが、ここで破壊されたら意味がないと我々も思っております。なのでパートナーとしては当然、安心と信頼の実績、技術力ブランドがあるソニーペイメントさんに頭を下げさせていただいた、そういう背景があるので、ぜひこの業界を頑張って引っ張って伸ばしていきたいと思っていますので、今後もご注目いただければなと思います」と新事業への決意を述べ、同会を締めくくりました。