繊維を中心に扱うライフスタイル提案商社の豊島がサステナブルファッションセミナーを開催

2025-01-29 19:30
繊維を中心に扱うライフスタイル提案商社の豊島がサステナブルファッションセミナーを開催

繊維を中心にさまざまな素材、製品を通じて持続可能なライフスタイルの提案を行う商社・豊島株式会社が1月21日に第6回サステナブルファッションセミナーを開催。同社との異業種連携で「トヨタアップサイクルプロジェクト」を進めるトヨタ自動車とアーバンリサーチの担当者、およびサーキュラーエコノミーに関する著書がある安居昭博氏をゲストに招いたトークセッションが行われた。また、今回の会場となった同社東京本社では2月7日まで「2025AWトヨコレ」と題したBtoB向け展示会を開催中。そちらの様子も併せてお伝えしていこう。

トヨタ×アーバンリサーチ×豊島で挑む異業種連携アップサイクル

サステナブル(持続可能性)な社会を構築していく上で、不要になった廃棄物や製品生産上で発生する副産物をアップグレードした形で生まれ変わらせるアップサイクルは重要なキーワードのひとつである。そして企業のCSRにますます注目が集まる中で、素材から製品を生み出し、その製品を市場に届ける企業がアップサイクルに向けた活動に取り組むことは未来に対する責任ともいえ、今後ますます事例が増えていくことが予想される。

2021年7月の初開催から6回目を迎える本セミナー。オンライン視聴でも300人以上の聴衆を集めて行われた今回のセミナーでは、一般社団法人unisteps共同代表理事の鎌田安里紗氏をファシリテーターに、「〈第一部〉トヨタアップサイクルプロジェクト―自社の物作りの過程で発生した廃棄物のアップサイクルのテーマについて」「〈第二部〉業種を超えたつながりがサーキュラーエコノミー推進の力。グローバル最新事例から」という2部構成のトークセッションが展開。前半の第一部では、昨年9月に始動した「トヨタアップサイクルプロジェクト」での異業種連携の取り組みを主導するトヨタ自動車新事業企画部の中村慶至氏、アーバンリサーチ執行役員の萩原直樹氏、豊島の神野伊知郎氏が登壇し、本連携の現在地と目指すものが語られた。

ファシリテーターを務めた一般社団法人unisteps共同代表理事の鎌田安里紗氏

トヨタ自動車は「『モッタイナイ』が『もっといい』に変わり続ける未来を創る」をミッションに掲げ、シートの端材など自動車の生産工程で発生する廃棄物を新たな価値に再生して循環する「トヨタアップサイクルプロジェクト」を2021年からスタート。一方で、アーバンリサーチは廃棄衣料品をリサイクル繊維に再生する「commpost(コンポスト)」という自社ブランドを2018年から展開し、従来よりアップサイクルに関する取り組みを推進中だ。そんな中、トヨタ自動車の取り組みに2社がコラボする形で昨年9月に始まった異業種連携では、トヨタのアップサイクルプロダクトをアーバンリサーチが展開する「アーバン・ファミマ」の店舗や主催イベント等で販売するなど、3社それぞれの強みを活かした協業が進められている。

「昨年、メッセナゴヤという展示会でトヨタ様と隣のブースで出展した際に交流を持つ機会があり、そこからトヨタ様とアーバンリサーチ様をお引き合わせする形で、今回の連携が実現しました」

序盤で3社によるパートナーシップが生まれたきっかけをそう述べた豊島の神野氏。続いて司会役の鎌田氏から、これまでの連携で得ている気づきについて尋ねられると、萩原氏、中村氏から次のような感想が。

「自動車の廃材から作られたものがアパレルのショップに並んでいるのを見たお客様からは『なんだ、これは?』といった驚きの反応も多く、注目度が高いですね」(萩原氏)

「我々が工場内で資材を運ぶ際に使う『通い箱』という箱をお店のディスプレイに使っていただいたのですが、虎ノ門ヒルズの店舗などで子どもたちが通い箱を輝いた眼で見ている姿や、また、あの箱を在庫管理のために使っていただいている様子を拝見して、普段見慣れた私たちでは感じない魅力や思いつかないようなアイデアが浮かんできました」(中村氏)

トヨタ自動車新事業企画部の中村慶至氏(左)とアーバンリサーチ執行役員の萩原直樹氏(右)

その上で、レクサス等のシートに使われる本革の端材を使ったペンケースを見本に提示した中村氏は、「私はトヨタのロゴを大きく印字しているものだと一般のお客様には受け入れがたいのかなと思っていたんです。でも、萩原さんと神野さんから『いや、それがカッコいいから絶対に付けてください』というお言葉をいただいて、他業種の方々との連携だからこその気付きが得られました」とコメント。

さらに続けて「お客様との接点を広げられたのも大きな点です。我々の商品はキズやシワが付いている端材をあえて使わせていただくこともあるのですが、虎ノ門の店舗で接客をさせていただいた際にそのことを説明させていただくと、綺麗な商品よりも個性のある商品を選んでくださるお客様が多くて嬉しかったです」と目を輝かせながら述べた。

会場に展示されたトヨタ自動車のアップサイクルプロダクトの一例

「世の中を変えるきっかけになりたいというのが3社共通の思いです。アパレル業界も自動車業界もともにCO2排出に課題を抱える中、その両者でタッグを組んでもったいないものや廃棄物などのマイナスなものをプラスに変えることで消費者の方々にエシカルな変容を起こし、『モッタイナイ』が『もっといい』に変わる文化を創っていきたいです」と最後に今後の意気込みを述べた中村氏。その後は、4月13日に大阪で開幕する関西万博に出店するアーバンリサーチの店舗にて、トヨタ×アーバンリサーチのアップサイクルアイテムが販売されることが萩原氏より発表され、3者の連携のさらなる発展に期待を抱かせた。

欧州の先端事例を参考にサーキュラーエコノミーについて学ぶ

後半の第二部では、Circular Initiative & Partners代表取締役で『サーキュラーエコノミー実践(学芸出版社)』の著書がある研究者・安居昭博氏が登壇。サーキュラー先進国であるオランダにも拠点を置き、欧州のサーキュラーエコノミーに精通する同氏が世界の先進事例を紹介した後、トヨタ自動車の中村氏、アーバンリサーチの萩原氏を交えたクロストークが展開された。

その中で同氏は、サブスク型のサーキュレーションデニムや、オランダで実用化されているサーキュラー建築などの先進例を挙げながらサーキュラーエコノミーの基本思想を解説し、日本におけるサーキュラーエコノミーの可能性について「オランダに比べて国土も人口も大きな日本はものづくりで栄えてきた国です。トヨタの中村さんが語られていたように、車になれなかったような資源もたくさんある国なので、オランダでは起こせないような大きなインパクトを実現できる可能性もあるのでは」とコメント。

Circular Initiative & Partners代表取締役の安居昭博氏

また、「 サーキュラーエコノミーというと都市的な考えと思われる方が非常に多いのですが、実際には土地の地域性が表れた商品やサービスに魅力が生まれています。皆さんの協業では、トヨタさんの豊田市や自動車製造というところがひとつのキーですし、日本各地を訪れさせていただくと、それぞれの土地に可能性が眠っていると感じます」と、今後の3社の連携に良きヒントとなるような話も飛び出し、第1部に続く深い意見交換の末に全体が締めくくられた。

「FOOD TEXTILE」プロジェクト10周年を記念し、コメダ珈琲店のドリップ後のコーヒーを再利用して染めたコーヒー色のTシャツを製作する企画の提案も!

豊島では2月7日まで「2025AWトヨコレ(TOYOSHIMA COLLECT GENERAL EXHIBITION)」のBtoB向け展示会が開催されている(※一般参加不可。企業担当者のみの事前予約制)。

豊島が取り扱う環境配慮型製品や素材が多数展示されている中、今期の目玉のひとつが今年で10周年を迎える「FOOD TEXTILE(フードテキスタイル)」の展示だ。こちらは未活用食材を染料に活用するプロジェクト。これまでもさまざまな異業種とコラボしており、メモリアルイヤーである今年は、豊島と同じく愛知発祥の企業であるコメダ珈琲店との「染め直しプロジェクト」を来場企業向けに提案している。アパレルブランドで廃棄されたTシャツをコメダ珈琲店のコメダブレンドを抽出した後のコーヒー豆を再利用した染料で染めて販売するという企画だ。

そのほか、コスメメーカーの研究開発過程などでの役目を終え、やむを得ず廃棄となっていた化粧品バルクを色材へと再生させ衣料プリントに活用するという「ecosme fab.(エコスメ ファブ)」の取り組みを、TOPPAN株式会社と株式会社モーンガータとともに進めている。異業種と関わりながらサステナブルな社会に対する豊島の高い関心を感じることができる。

豊島では、今後もサステナブルファッションセミナーを開催予定。環境配慮に根差したファンションに興味のある企業担当者の方は 、同社ホームページで告知される次回の開催情報をお見逃しなく!

【豊島株式会社ホームページ】
https://www.toyoshima.co.jp/

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