猫の甲状腺機能亢進症(バセドウ病)について|主な症状から治療法まで【現役獣医が解説】

2025-03-27 17:20

高齢の猫ちゃんに多い内分泌疾患である「甲状腺機能亢進症」。身体の様々な部分に影響してくる病気のため、早めの診断・治療が望まれます。ここでは甲状腺機能亢進症について、分かりやすく解説していきます。

甲状腺と甲状腺ホルモンの働きとは

:

甲状腺というのは首の内側にある、蝶のような形をした器官で、ホルモンを分泌する働きがあります。甲状腺から分泌されるホルモンは、成長や代謝に大きく影響しています。

そのため、ホルモンの分泌が過剰、または不足した場合には身体に様々な症状が表れます。

甲状腺機能亢進症の症状は?

威嚇する猫

多くの症状が表れますが、代表的なものとしては

  • 多食
  • 体重減少
  • 虚弱
  • 活動の亢進
  • 頻脈
  • 嘔吐、下痢
  • 脱毛

などが挙げられます。

甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることにより、代謝が活発になるため「いっぱい食べるのに痩せてくる」という状態に陥ります。

また、落ち着きがなくなり怒りっぽくなるような、性格の変化が見られたりもします。「高齢になると痩せてくるものだ。」「年を取って頑固になったね」と加齢のせいにしがちな症状ですが、見逃さないようにしましょう。

活動や代謝が亢進することによって頻脈や高血圧を引き起こすため、心臓や腎臓などの機能に悪影響を及ぼすこともあります。

腎臓病と言えば高齢の猫では絶対に気を付けておきたい病気の一つです。血液検査で腎臓の数値が引っ掛かってしまった場合には甲状腺ホルモンの値も一度チェックしておいた方が良いでしょう。

甲状腺機能亢進症の検査・診断は?

診察を受ける猫

基本的には血液検査で、甲状腺ホルモンの値を測定することで診断ができます。ただ、一般的な健康診断項目には含まれないこともありますのでオプションとして追加検査を頼むこともあります。

シニア猫ちゃんにお勧めの健康診断項目としている動物病院も多いことかと思います。甲状腺ホルモンの増加が認められた場合、甲状腺自体に過形成や腫瘍などの異常がおこっていないかを、超音波検査で確認することがあります。

甲状腺機能亢進症の治療

薬と猫

投薬

抗甲状腺薬の投薬は、主におこなわれている治療です。近年では動物用の薬も開発され、以前よりも飲ませやすく調節しやすく作られています。

猫ちゃんは薬を飲むのが苦手な子も多いですが、基本的には長期にわたって飲み続ける薬となりますので、健康なうちから投薬の練習をしておきましょう。

投薬も始めてしまえばそれで治療が完了するというわけではなく、定期的に甲状腺ホルモンの値を測定する検査が必要です。

甲状腺機能亢進症は、時には進行していく病気です。今は適切な量の薬でも、いずれ量が不足していくこともあり得ます。定期的な血液検査でモニタリングすることによって、常に正しい量の投薬をおこなえるようにしましょう。

療法食

ヨウ素とは甲状腺ホルモンを作るのに必要な成分ですが、過剰に摂りすぎることで、甲状腺機能亢進症を悪化させる要因となります。そのため、甲状腺機能亢進症をコントロールするための療法食としてヨウ素を制限したフードが販売されています。

投薬と同じく、長期に継続することで効果が得られる療法食となりますので導入する場合や、中断してしまう場合には必ず獣医師に相談してください。

外科手術

治療として甲状腺の切除をおこなう手術をおこなう場合があります。多くの場合は良性腫瘍や過形成である場合が多く、甲状腺癌である確率は低いとされています。

甲状腺には副甲状腺(上皮小体)という小さな器官が付属しており、これを分離して切除することは大変困難とされています。

副甲状腺(上皮小体)は血中のカルシウム濃度を調整する内分泌器官であるため、同時に摘出が行われた場合には、術後のカルシウム濃度などのモニタリングが必要です。

また、術後に逆に甲状腺ホルモンが低下することもあるため、その場合には甲状腺ホルモン製剤の投与がおこなわれることもあります。

まとめ

飼い主と猫

甲状腺機能亢進症は決して珍しくない病気の一つです。劇的な症状を引き起こすわけではありませんが、他の臓器への影響などから確実に猫ちゃんの健康を損なっていく病気です。

早期発見、早期治療をおこなうためには、日常のささいな変化を見落とさないことが重要です。また、気になることがあったら獣医師に相談の上、定期検査などもおこなっていきましょう。

関連記事

生後23日目の赤ちゃん猫が鳴いていたら→次の瞬間、ママ猫が……思わず感動の"行動"が8万再生「愛おしくなった」「もうたまらない」
『やんのかポーズをする猫』に同居猫が『突っ込んだしまった』結果…まさかの結末が186万表示の反響「どっちもかわいいw」「仲良しだね」
猫が見つめる理由とは?飼い主をじっと見る9つの心理
『2.5kgまで大きくなれない』と断言された猫が、1歳になると…獣医も驚いた『まさかの姿』が23万再生の反響「愛情の賜物」「想像以上」
『ロボット掃除機に戦いを挑んだ子猫』→あまりにも微笑ましい立ち向かう様子に1万5000いいね「攻撃力がほぼないペチッw」「やさしいね」

  1. 【今季最長寒波…きょうの天気】日曜にかけ日本海側で大雪 交通障害に警戒 太平洋側も厳寒で今季一番の冷え込みに【雨と雪のシミュレーション】
  2. 【 ぼる塾 】スイーツ女王・田辺さん バレンタインシーズンで「すでに30万円使ってます」累計額で「家が建てられる」
  3. 残り1編成 千葉の特急車両 255系 が 3/20 臨時特急 しおさい で東京〜銚子に帰ってくる 小泉今日子 房総ビューエクスプレスの時代をもう一度 座席指定席券は1か月前から
  4. 木原官房長官「総領事空席は事実」 中国・重慶市の総領事館で総領事ポストの空席続く
  5. 【 中川翔子 】 双子との〝4歳のお出かけ〟を夢見る絵日記公開 「江ノ島、浅草、サンシャイン…」〝親子お出かけ〟へ
  6. 水戸ネイリスト殺害事件が急展開…元交際相手の男(28)を逮捕「事実無根」と否認 女性は事件前“ストーカー被害の相談先”を警察に尋ねていた【news23】
  7. 「食べ物がない」米国の支援“打ち切り”ミャンマー避難民に広がる“食料危機” 外交政策にも異変「米の民主化外交は終わった」弱者切り捨ての懸念も
  8. 短期滞在のタイ国籍女性らを派遣し売春あっせんか 中国籍の男女6人を逮捕 警視庁
  9. 【大雪・予報士解説】強烈寒波、きょうは“1回目のピーク” 北陸中心に平地でも大雪 寒波は続き土日に2回目ピーク 再び日本海側の広範囲で大雪も
  10. 【ごみ清掃芸人】プラスチック資源のごみ出しの際のまとめ方「フワッとさせておくのが正解です」【マシンガンズ滝沢】
  1. “閉院した病院”で診察装い1.8億円をだまし取ったか 医師の男逮捕(44) 千葉・習志野市
  2. 滋賀・彦根で“顕著な大雪”発表 夕方にかけて雪が強まる見込み 大規模な交通障害のおそれ高まる 東海道新幹線にも影響
  3. 安倍元総理銃撃事件・山上徹也被告に無期懲役の判決「不遇な生い立ちが大きく影響したとは言えない」判決を聞いた山上被告は…【news23】
  4. 妻の姉「洗脳されて逃げられず…」「1日食事は茶碗1杯」自宅で姉を監禁・暴行し数千万円受け取ったか 夫婦を逮捕 日常的に虐待か 千葉・松戸市
  5. 【速報】午前の日経平均株価 前日比1000円近くの大幅値上がり
  6. 「貿易赤字」5年連続も赤字幅は半減 半導体など輸出伸び輸出額は過去最大に “トランプ関税”でアメリカ向け輸出は5年ぶり減少 2025年貿易統計
  7. 犬と暮らせば【第525話】「エマの寝かしつけ」
  8. 鬼怒川温泉ホテルで開催!「日光・鬼怒川エリアデスティネーションセミナー」
  9. 【脳トレ】5×4の表に書かれた7種の数字「16・24・37・49・58・71・86」。他の数字は3つずつ表を埋めているのに・・1種だけ2つしかない!?その数字はどれだ??
  10. 水戸ネイリスト殺害事件が急展開…元交際相手の男(28)を逮捕「事実無根」と否認 女性は事件前“ストーカー被害の相談先”を警察に尋ねていた【news23】
  11. 石川・金沢市に“顕著な大雪”発表 昨夜までに積雪20センチ・今後も平地で大雪のおそれ 関西・中京方面からの特急サンダーバード・しらさぎ終日運休
  12. 川崎市の性風俗店“店長”らを逮捕 女性に売春場所を提供か 1年で約5億6000万円の売り上げか 売上金が別の犯罪グループに流れたとみて捜査