猫の『マウンティング』行動をする3つの理由 見かけたら止めるべき?

2025-04-06 17:00

昨今、人間同士の間でも、「マウンティング」という言葉が盛んに使われるようになっています。では、猫の「マウンティング」行動には、どんな動機が隠されているのでしょうか?今回は、3つの視点に基づいて解説します。

1.優位性を誇示する「マウンティング」

ケンカする猫たち

猫の「マウンティング」とは、簡単に言えば、相手猫の上にのしかかり、交尾の体勢になる状態を指します。腰を押しつけたり、擦りつけたり、主に多頭飼いのおうちでよく見られる行動です。

実は、「マウンティング」は、発情期に限ったものではなく、雄同士、雌同士、モノ、さらに飼い主さんに対しても行われることがあります。

では、発情期でもないのに、なぜ猫はときに「マウンティング」に及ぶのでしょうか?

動機のひとつに、猫コミュニティ(多頭家庭)のなかで、自分の優位性を誇示するため、という理由があります。

猫は基本的に単独行動主義者で、集団性の犬のような明確な序列意識はありません。ただし、コミュニティ内での力関係(上下関係)は確かにあって、ボス猫は常に悠然と構える一方、下位に甘んじた猫は他の猫たちの動向をついつい気にしてしまいます。

また、猫は縄張り意識が強いため、おうちのなかでも、「自分のものだけ!」というテリトリーがあります。たとえば、お気に入りの猫ベッドやキャットタワーの居場所を巡っての揉め事は、形を変えた「マウンティング」のようなものです。

じゃれ合いレベルの「マウンティング」なら問題ありませんが、しつこく噛み続けたり、されているほうが鳴きやまなかったりすると、大きなケガに発展する恐れもあります。

激しい「マウンティング」を未然に防ぐためにも、飼い主さんは、お互いの猫たちが安心して過ごせるような居場所を日頃から確保してあげましょう。

2.転位行動としての「マウンティング」

トイレットペーパーをかじる猫

猫の「マウンティング」には、「転位行動」の意味も含まれています。「転位行動」とは、強いストレスや想定外のハプニングがあったとき、まったく関係のない行動で気持ちを紛らせることです。猫のケースでは、毛づくろいや爪研ぎなどが当てはまります。

猫は繊細な動物なので、飼い主さんも気づかないうちに、ストレスを溜め込んでいることがあります。ストレス過多に陥ると、過剰な毛づくろい、ウールサッキング(柔らかい布を吸う、食べる)など、さまざまな異変があらわれますが、「マウンティング」もそのひとつです。

転位行動としての「マウンティング」は、わかりやすく言えば、憂さ晴らしのようなものです。気分がクサクサしているときに、同居猫に邪魔されたら猫だって怒ります。

ストレス由来の「マウンティング」だった場合、最初に、背景に潜む原因を見極めることがとても大切です。たとえば、新入り猫に対し、執拗に「マウンティング」を繰り返す先住猫は、飼い主さんの愛情を横取りされたと感じて、相当なストレスを抱え込んでいるかもしれません。

飼い主さんは、それぞれの要因にふさわしい対応を心がけて、おうちのなかの平和状態を保ってみてください。

3.「マウンティング」は疑似的な交尾の意味も

交尾する猫たち

去勢・避妊手術が済んでない猫で多いのは、疑似交尾としての「マウンティング」です。猫は、春と夏に発情期のピークを迎えます。雄猫は生後6ヵ月頃ぐらいから性成熟が始まり、「マウンティング」行動があらわれ始めます。

戯れ合いと違って、疑似交尾の「マウンティング」は、「覆いかぶさるほうが雄猫」「逃げ出さないように相手猫の首筋を噛む」「腰を擦りつけるようなしぐさ」といった特徴があります。飼い主さんは、直前の状況から疑似交尾かどうか判断してみてください。

疑似交尾としての「マウンティング」をやめさせる方法は、去勢・避妊手術が効果的です。雌猫を争っての雄猫同士の争い事も少なくなります。

ただし、手術後、「マウンティング」が完全にゼロになるわけではありません。そのことも心得ておきましょう。

ちなみに、多頭飼いがうまくいくコツとしては、「子猫同士で迎え入れる」「快適な居場所&トイレを複数用意する(トイレに関しては、頭数プラス1個が理想)」「食事空間を分ける」などがあります。

まとめ

テーブルの上でマウンティング中の猫たち

今回は、なぜ猫は「マウンティング」するのか、3つの理由からその真意を探りました。

結論から言うと、「優位性のアピール」「転位行動」「疑似的な交尾」という側面があります。いずれも本能的な行動なので、ケガなどがない限り、戯れ合いの延長ととらえてもいいかもしれません。

「マウンティング」をストップさせるには去勢・避妊手術が効果的ですが、愛猫の将来のこともあり、実際に受けるかどうかは、飼い主さん自身でよく考え、慎重に決断してみてください。

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