舞台『呪いの子』キャストがロンドンへ 魔法の物語はこうして続いていく

2025-07-01 13:30

物語の“次の章”が始まろうとしています。舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』は、2025年7月に4年目のロングランへと突入します。その節目を迎える今、マクゴナガル校長役として初演から出演し、6月に卒業する榊原郁恵さんと高橋ひとみさん。そして、7月から新たにハーマイオニー役として登場する松井玲奈さんの3人が、イギリス・ロンドンを旅しました。舞台や映画のロケ地を巡り、現地キャストと交流し、本国公演を観劇する——まさに“魔法の源流”をたどる特別なツアーです。

公開された【ツアー密着ムービー】では、キャストたちの素顔が映し出され、演じる役と向き合う姿勢や、舞台をつないでいく思いが丁寧に語られています。単なる観光旅行ではなく、「演じる者」としての感性を深める旅。彼女たちの表情のひとつひとつに、舞台という“魔法”への深い敬意が感じられました。これは、ひとつの役の“卒業”と“継承”を描いた、心温まる記録でもあります。ロンドンで得た気づきと感動が、舞台にどう息づいていくのか。その軌跡を追ってみたいと思います。

“卒業”を胸に、魔法の聖地を歩く

ロンドンに到着した榊原郁恵さんと高橋ひとみさんがまず向かったのは、キングス・クロス駅。ホグワーツ魔法魔術学校へと向かう「9と3/4番線」の撮影地としても有名な場所です。映画そのままのフォトスポットで、榊原さんはグリフィンドール、高橋さんはスリザリンのマフラーを巻き、カートとともに写真に収まる姿には、役への深い愛着がにじみ出ていました。

「映画と舞台と現実が重なって、不思議な気持ちになりました」と語る榊原さん。その表情には、初演から作品を支えてきた自負と、卒業を目前にした寂しさが交錯しているようでした。

続いて訪れたのは、ホグワーツの大広間のモデルとされる、オックスフォード大学のクライストチャーチ・カレッジ。実際に映画の撮影が行われた荘厳な建物を前に、2人はそれぞれの舞台経験と重ね合わせるように、静かに見学していました。

「年齢や立場を超えて刺激し合い、尊重し合う空気は、舞台の現場ととてもよく似ている」と語った榊原さん。高橋さんも「ここ(オックスフォード大学・舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』)を卒業したらきっと世界の見え方が違うと思います。」と、3年間をかけて築いてきた舞台への思いをかみしめていました。

物語の中で“導く側”だったマクゴナガル校長としての経験と、現実世界での旅が重なった一日。卒業を控えた2人にとって、このロンドン巡礼は、単なる観光ではなく、役を締めくくるための大切な“儀式”だったのかもしれません。

本場の舞台が教えてくれた“演じる”ということ

ロンドン・ウエストエンドの中心にあるパレスシアター。ここでは、舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』の本国版が連日上演されています。榊原郁恵さん、高橋ひとみさんに加え、7月よりハーマイオニー役として新たに出演する松井玲奈さんの3人は、この劇場でオリジナル版の舞台を観劇しました。

東京公演では新バージョンによる短縮版が採用されていますが、ロンドン版は一部・二部あわせて約5時間におよぶフルバージョン。観客と演者の一体感、息を呑む演出、そして劇場全体に漂う“魔法の空気”は、まさに圧巻の体験だったようです。

「お客さんが一緒に盛り上がって、観ている側も出演者のような気持ちになれました」と語る松井さん。観る者を巻き込む力のある舞台は、これから“その世界をつくる側”となる彼女にとって、貴重なインスピレーションになったようです。

榊原さんは「東京では劇場が大きいので大きく伝えることを意識しがちだけど、ここでは自然体で届いている印象です」と語り、演じ方のニュアンスに対する新たな気づきを得た様子でした。さらに高橋さんは、自身が演じてきたシーンを別の角度から見直す機会になったといいます。「テンポが速く場面転換も多いのにとても分かりやすい。自分が演じているシーンもまるで違って見えたのが面白かったです」と語るように、本場の舞台には、役者としての視野を広げてくれる力があるようです。ただ観客としてではなく、「演者としての視点」を持った3人だからこそ感じられる濃密な時間。その経験は、舞台の質をさらに高める“魔法”として、日本のステージへと持ち帰られていくことでしょう。

“役”を超えてつながる心――ロンドンキャストとの温かな対話

ロンドン観劇を終えた3人は、さらに特別な時間を過ごすことになります。舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』ロンドン公演でマクゴナガル校長役を演じるデブラ・ローレンスさん、ハーマイオニー役のナナ・アジェイ=アンパドゥさんとの対面です。同じ役を演じる者同士が交わす言葉には、国境を越えた共感と敬意が込められていました。

「最初は何が起きているのかもわからなかった。でも、すべてがあなたを守るように動いているから大丈夫」——ハーマイオニー役のナナさんは、松井玲奈さんの不安に優しく応えました。経験の浅さに戸惑いながらも、「自分なりのハーマイオニーを届けたい」と語る松井さんにとって、その言葉は何よりも心強い励ましだったはずです。

一方、榊原さんと高橋さんは、マクゴナガル役としての演技や役作りについてデブラさんに質問を投げかけました。「マクゴナガルが最も恐れているのはヴォルデモートの復活。でも、ハーマイオニーが一番恐れているのはマクゴナガル先生に怒られることなのよ」と、冗談を交えたデブラさんの答えに場は和み、役に対する深い愛情とユーモアがにじみ出ていました。その後、手拭いをプレゼントすると、ロンドンのキャストたちは大喜び。言葉や文化が違っても、舞台という共通のフィールドを通じて育まれる絆の尊さが、そこにはありました。

【ツアー密着ムービー】
https://youtu.be/L8_qyjJWKRw

舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』が上演4年目を迎えるにあたり、今回のロンドンツアーは、まさに“物語の継承”を象徴する旅でした。初演から作品を支えてきた榊原郁恵さんと高橋ひとみさんは、長きにわたる舞台人生の中でも特別な時間を過ごし、マクゴナガルという存在を自身の一部として体現してきました。そして、その思いをしっかりと受け取った松井玲奈さんが、ハーマイオニーという新たな役とともに、次なる扉を開こうとしています。国境を越えたキャスト同士の交流や、観劇を通じた発見は、彼女たちにとって“魔法”そのもののような経験だったのではないでしょうか。演じることとは、想像力と敬意をもって誰かの人生を生きること。だからこそ、そこに込められた言葉や視線には、観る人の心を揺さぶる力が宿るのだと改めて感じました。舞台という名の物語は、これからも続いていきます。その中で、誰かが引き継ぎ、誰かが育て、また新たな誰かが魔法を起こしていく。今回の旅は、その静かで力強いリレーの一幕だったのかもしれません。

ロングラン公演4年目も進化し続ける舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』 。今回、3人が訪れたハリー・ポッターの世界を、日本では東京 TBS赤坂ACTシアターにて体感できます。6月まではハリー・ポッター役の平方元基、吉沢悠をはじめとする3年目キャ ストで上演中!今すぐ観劇できるチケットは、TBSチケット・ホリプロステージ・各プレイガイドにて好評販売中。是非劇場でご覧ください。

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