そもそも参議院って何?意外と知らない衆議院との違い きょう投開票日【サンデーモーニング・風をよむ】

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2025-07-20 16:11
そもそも参議院って何?意外と知らない衆議院との違い きょう投開票日【サンデーモーニング・風をよむ】

きょう投開票日の参議院選挙。3年ごとに選挙が行われる参議院には、衆議院とは違う役割が期待されています。

【写真を見る】参議院にのみある天皇陛下の「お席」

参議院には…“良識の府”“再考の府”としての機能

街で、参議院と衆議院の違いを聞きました。

Q.参議院と衆議院の違いは?
「任期の違いとか?はっきりは知らない」
「二院政って言うんですか?そこの政治の仕組みはよく分からないけど」
「分からない、ちゃんとは」

意外と知らない「参議院と衆議院の違い」。例えば、議場はほぼ同じような造りですが、参議院にのみ天皇陛下の「お席」があります。国会が開会する際、衆参両院の議員が「参議院」の議場に集まり、天皇陛下をお迎えします。戦後、新憲法の下で誕生した参議院。天皇陛下のお席は前身となった貴族院の名残です。

参議院は独自の視点から審議し、政党主導で動く衆議院の行き過ぎをチェックする“良識の府”としての役割を期待されました。

1947年に行われた第1回参院選。当選議員250人中、108人が政党に属さない議員でした。

作家・山本有三氏や主婦連を結成した奥むめお氏ら、政党に属さない92人が、自主投票を認める「緑風会」を結成。1954年の自衛隊の発足時には、「海外出動は行わない」と決議するなど存在感を示したのです。

しかし、こうした参議院も次第に政党に所属する議員が増えていきます。背景には“数”を増やしたい政党の思惑がありました。その結果…

緑風会 佐藤尚武 元参議院議長(1965年)
「緑風会を自然消滅させることは非常につらい。大所高所から国政を論じ、全く新しい参議院を作ろうという意気込みは純真で良かった」

緑風会は消滅。やがて参議院は様々に揶揄されるようになります。衆議院を通過した法案を、自動的に“あげる”だけの「テンプラ参議院」。さらには、追認するだけの「カーボンコピー」。

参議院には衆議院との違いを生かした本来の役割があると、拓殖大学の高宮秀典助教は言います。

拓殖大学(現代日本政治) 高宮秀典 助教
「衆議院と違って解散がない。長い任期で6年間できますので、長期的視野に立って審議できる。だから慎重な審議を行うことで、衆議院のチェックを行う『良識の府』『再考の府』としての機能が期待された」

過去には、参議院が独自の役割を果たしたケースもありました。

例えば、1991年のPKO法案。湾岸戦争での貢献不足を批判された政府与党は、衆議院では「数の力」によって法案を通過。ところが、参議院では与野党が審議を継続。半年後、「国会の事前承認が必要」などの内容を盛り込んだ修正案を通過させました。さらに…

小泉純一郎 総理(当時)
「この郵政民営化。必要ないのか、国民に聞いてみたい」

2005年には、当時の小泉総理が郵政民営化の是非を問うとして衆議院を解散。実はこの解散は、参議院で複数の自民党議員が反対票を投じ、法案が否決されたことが引き金となりました。

衆議院と異なる判断を下す参議院の意義を、高宮助教は今だからこそ改めて強調します。

拓殖大学(現代日本政治) 高宮秀典 助教
「今、ポピュリズムが世界を席巻しているわけですが、もし衆議院だけで決まってしまうというのは、かなり危ない。風に流されて、おかしな結果になったとしても、(参議院があれば)政治の大きな変動を抑えることができる。政治に落ち着きをもたらす、そういう制度として今の時代に評価できる」

「長期的視点から政策を」 有権者に求められるリテラシーとは?

7月20日、投開票日を迎えた参院選。参議院として独自の視点で取り組むべき課題は少なくありません。

街の声
「『子育て支援』というところは重要かなと。小さい子どもいますので」
「『年金』がもらえなくなるとか話もあるので」

ところが現状、各党とも長期的視点が求められる課題への取り組みより、「目先の票」にとらわれているのではと、高宮助教は懸念を示します。

拓殖大学(現代日本政治) 高宮秀典 助教
「今、物価高・インフレが問題化している中で、本質的に解決するための『賃上げ』などが本来争点になるべき。与野党ともに『減税』か『給付』かという近視眼的な政策を訴えているのは問題。長期的視点から政策を訴える政党が少ない。その中で『よりマシなものを選択する』というリテラシーが有権者に求められている」

今回、結果次第で政権交代や枠組みの変化も起こりうる選挙。日本の将来を見据えて一票を投じることが望まれます。

  1. 洋上風力発電事業の公募制度「見直し案」とりまとめ 再公募は来年度以降の見通し 採算合理性の低い入札を防ぐ措置導入 経済産業省
  2. 【李相日監督】大ヒット映画『国宝』の作家・吉田修一さんに『人生を変えていただいた』 第7回 野間出版文化賞を受賞
  3. 【辻希美・長女】希空 「今年もクリスマスディズニー❤」「このいちごミルク大好き!!!」
  4. コンビニが“遊び場”に? ファミリーマートがIP=知的財産の活用を強化 クレーンゲームなど5000店舗に拡大へ
  5. 【 i☆Ris 】 イベントを延期 「ご来場のお客様へ危害を加える内容のメールが」 公式サイトで声明 「毅然とした態度で臨む」「関係警察署と情報共有を行いながら対応」
  6. 【速報】東京・赤坂の“個室サウナ店夫婦死亡火災” 夫が妻に覆いかぶさって倒れる 警視庁
  7. 床で寝そべっていた猫→邪魔しないように『避けて通った』結果…予想外すぎる展開が41万再生「沸点が意味不明w」「跨ぐんじゃねぇよ!」
  8. 赤ちゃんが『至近距離で大型犬と触れ合った』結果→怖がるかなと思ったら…まさかの光景が24万再生「立派なお兄ちゃん」「人間みたい」
  9. 猫がみせる『気遣い・遠慮』をしているような行動5選 優しい素振りに隠された本音とは?
  10. 犬が『人の体の上で眠る』心理5選 愛犬が飼い主と寝たがる理由や注意すべきことまで解説
  1. 全ての部屋の非常用ボタンがつながらず…赤坂・サウナ店2人死亡火災 受信盤の電源入らず 従業員も事件当時不在 業務上過失致死の疑いも
  2. 「気温がおかしい…」来週は“10年に一度レベルの高温”の見込み 全国的に暖かい年末に
  3. 中国の新型空母「福建」が台湾海峡を通過 台湾国防部が空撮画像を公開
  4. 世界都市ランキング 東京がNYを抜き初の2位に 大阪は18位、福岡は40位
  5. 鴨が飛ばないハプニングも…愛子さま初の単独“鴨場接待” 皇室伝統の「鴨猟」で外交団をおもてなし
  6. 『風呂嫌いのネコ』を一人でシャンプーした結果…想像を超えてくる『激しい攻防戦』が56万再生「怖いんだよねw」「お疲れ様ニャ」と話題
  7. 骨組みを残し全焼…北海道・新千歳空港に向かう連絡バスが炎上 乗客40人と男性運転手は全員避難
  8. 【速報】11月の中国人観光客数は今年最も少ない約56万人 高市総理の台湾有事めぐる発言も影響 世界全体では1月から11月で計約3900万人 すでに1年間で過去最多
  9. 千葉・鴨川市のメガソーラー 新たに開発許可区域外での森林伐採が発覚 合計で13か所 約2.4ヘクタール
  10. 【速報】東京・赤坂の“個室サウナ店夫婦死亡火災” 夫が妻に覆いかぶさって倒れる 警視庁
  11. 【 高橋名人 】 目を手術 「白内障と硝子体出血です」 転倒した時に右目を殴打・眼球内に出血
  12. 拡大中「お正月は休業します」百貨店やスーパー、飲食業界でも【Nスタ解説】