猫の『ホルモン』にまつわる病気3選 症状や治療法、予防法などを解説

2025-07-31 06:00

高齢猫ではホルモンに関連した病気が多いです。しかし、一見元気なこともあるため、症状を理解していないと、歳なりの変化として、見逃がされてしまうことが多いのも現実です。そこで、この記事では猫に起こるホルモンに関連した病気を3つご紹介します。

︎1.甲状腺機能亢進症

甲状腺

甲状腺ホルモンは全身の代謝を調節する重要なホルモンです。基礎代謝を高める機能を持つサイロキシン(T4)とトリヨードサイロニン(T3)が生成されます。

猫では、甲状腺の過形成や腫瘍によりサイロキシンが過剰に分泌される甲状腺機能亢進症が多いです。中〜高齢の猫に発生します。

症状

甲状腺機能亢進症に罹患した猫は、共通して体重の減少がみられます。また、多食、脱毛、多飲多尿、下痢、嘔吐、活動性亢進、よく鳴く、呼吸促迫などがみられます。

つまり、食欲があり活発で元気そうなのに、なぜか体重が減り、痩せていくというのが特徴的です。

症状が重度になると、高血圧、呼吸困難などといった症状があらわれ、適切に治療しないと命を落としてしまうこともあります。

治療法

治療は主に薬物療法を行います。甲状腺ホルモンの分泌を下げるお薬を飲んで、ホルモンの量を調整します。

予防法

予防法はありませんが、工夫次第で早期に発見することは可能です。

甲状腺機能亢進症は元気でご飯も食べるため、飼い主さんが猫が病気だと気が付かずに、見つけるのが遅れる場合があります。

この病気を早期発見するのに重要な症状は多飲多尿と体重減少です。10歳を超えた猫は、毎日飲水量と体重を測定するのが理想的です。飲水量が短期間で大幅に増え、体重が減った場合には動物病院で血液検査を受けましょう。

甲状腺ホルモンの量は血液検査で測定が可能です。通常の健康診断の項目には甲状腺ホルモンを測定する項目が含まれていないこともあるため、10歳を超えた猫の健康診断では、必ず獣医師に甲状腺ホルモンの測定の追加を依頼しましょう。

︎2.糖尿病

血糖値を測る猫

糖尿病は犬猫で多い病気です。

糖尿病には、血糖値を下げる作用を持つインスリンというホルモンの分泌がうまくいかなくなるタイプ、あるいはインスリンの効きが悪くなるために起こるタイプがあります。

猫の場合、後者のように、インスリンは通常に分泌されるが、インスリンが作用する細胞でインスリンの効き目が悪くなっている2型糖尿病が多いです。

ただし、2型糖尿病が長引くと次第にインスリンの分泌が低下し、前者の1型糖尿病の状態に近づくこともあります。特に猫の場合、高血糖に気づくのが難しく、動物病院を来院した時にはすでにインスリン分泌の低下が起きている場合が多いです。

症状

糖尿病では、まず初めに多飲、多尿、多食、体重減少などの症状がみられます。また、糖尿病が進行すると、精神的な抑うつ状態や、食欲減退、下痢や嘔吐を繰り返すようになります。

猫では進行がゆっくりな場合が多く、症状が緩やかに悪化するため、発見が遅れる場合が多いです。

治療法

インスリンを分泌する膵臓のB細胞は破壊されると修復されることはなく、一旦糖尿病になり、症状が出れば一生インスリンを外から補わなくてはなりません。

糖尿病のコントロールは、高い血糖値をいかに正常に保つかにかかっており、飼い主さん自身が毎日インスリンの注射を行うことになります。

その際に最も怖いのが低血糖になってしまうことです。インスリンは、ごくわずかな量を正確に打たなくてはいけないのですが、この量が多すぎたり、あるいは食事を食べずにインスリンを投与したり、激しい運動をしたりした場合、血糖値が急激に下がり意識が低下してしまいます。

高血糖がすぐに命に関わることはありませんが、低血糖は急激に血糖値が下がり、そのまま亡くなってしまうこともあるため、糖尿病の治療はとても慎重に行わなくてはなりません。

最近では血糖値をコントロールする内服薬や療法食でのコントロールなど状態を維持する方法は様々です。

糖尿病であることがわかって、注射での治療が難しく感じても、かかりつけの先生と方法を相談することをお勧めします。

予防法

猫の糖尿病を予防するために、まず大切なのは肥満にさせないことです。特に10歳を超えた猫ではご飯の置きっ放しは避けて、その都度量をはかって与えるようにしましょう。

また、早期発見のために定期的な健康診断が有効です。特に、飲水量と尿量が増えた場合には早めに動物病院を受診して検査を受けましょう。

︎3.スタッドテイル

尾の皮膚炎

スタッドテイルは、尻尾の付け根の皮脂腺から出る皮脂が過剰になることで起こる皮膚炎です。

明らかな原因ははっきりしていないものの、未去勢のオスに多いことから、男性ホルモン(テストステロン)がこの部分の皮脂腺の活動を活発にしているのではと言われています。

症状

尻尾の付け根を触ると脂っぽかったり、ベタベタしたりすることが多いです。その影響で、被毛が束になっていたり毛艶も悪くなります。

症状が進行すると、皮膚が黒ずみ、かさぶたのようなものができたり、脱毛して皮膚が見えたり、皮膚が炎症を起こして赤くなったりします。

治療法

治療には、薬用シャンプーでの薬浴や、内服薬、外用薬などを症状の重症度によって併用します。

予防法

根本的な予防には、去勢手術を行うことが1つの手段である可能性が高いです。また、皮脂を取り除くためにも特に未去勢のオスでは、定期的なシャンプーや、体拭きシートでの拭き取り、毎日のブラッシングが有効です。

︎まとめ

水を飲む猫

猫は高齢になると、特にホルモンに関連した病気が増えます。

ホルモンの病気だけに限らず、高齢猫の病気のサインとして重要なのが、飲水量の増加です。

10歳を超えた猫では、可能であれば毎日飲水量を測定、記録し、急激に増えた場合には動物病院で検査を受けましょう。

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