猫にも『恥ずかしい』という感覚はある?失敗をゴマかす行動に見られる、本当の理由

2025-08-17 11:00

「聞かぬは一生の恥」といったことわざにもあるように、私たち人間にとって羞恥心はとても身近な感情です。ところで、猫たちにも同じ気持ちがあるのでしょうか?今回は、失敗時によく見られる行動を通して、その問題について考察します。ぜひ最後まで読んでみてください。

猫の辞書に「恥ずかしい」はない

山盛りのフードと猫

結論から言うと、猫に「恥ずかしい」と思う気持ちはありません。

「恥」の概念は、社会的動物である私たち人間特有の感情で、猫だけでなく、基本的に他の動物も持ち合わせていないものです。

たとえば、猫の場合は、山盛りの美味しいフードを出されると、「うめぇ!うめぇ!」と大喜びして、ときに器の外へ荒々しくOBしながら、ガツガツと食らいつきます。まわりの目を気にする配慮や気後れは一切なしです。

一方、人間の場合は、本音では、ローストビーフ丼のピラミッド盛りを食べたいのに、「大メシ食らいと思われたくない…」とつい恥ずかしさが先に立ち、サーモン&アボカドのオシャレなポキボウルを注文してしまいます。

猫は大昔から単独の狩りによって命をつないできた動物です。重要なのは、周囲との連携ではなく、自分の力で獲物をしとめるかどうか。逆に人間は、生存率を高めるため、仲間と協力しながら、狩猟採集、田畑の耕作などを通じ、土地の恵みを糧にしてきました。

つまり、人間が生き残るためには、まわりと良好な関係を築くうえで、集団内における他者からの評価(眼差し)が不可欠である、ということです。現在の私たちもまた、その傾向を引き継いでいます。

この観点から、生存戦略上、単独行動(猫)、協働(人間)、というライフスタイルの根本的な違いが、「恥ずかしい」という感情の有無を分けている、とも説明できます。

失敗や気まずさは「転位行動」でチャラに

ソファーで毛づくろいする猫

前述した通り、猫には「恥ずかしい」という感情はありません。ただ、人間の目からすると、恥ずかしがっているような行動もしばしば確認できます。

最も典型的なのが、何がしかの失敗をやらかした直後の毛づくろいです。

たとえば、キャットタワーでお昼寝中、寝相を変えたとたん、バランスを崩してステップから落下すると、猫はとっさに毛づくろいを始めます。

飼い主さんには「落っこちて、恥ずかしがっている…」ようにも見えますが、実は、落下時の動揺を毛づくろいによってなだめているだけです。

この行動は「転位行動」と呼ばれ、猫を含めた哺乳類、鳥類、魚類にも共通して見られるものです。猫の「転位行動」には、毛づくろいだけでなく、爪研ぎやあくびも含まれています。

以上、述べてきたように、猫は、恥ずかしさを感じる代わりに、「転位行動」を通じて、失敗や気まずさ(動揺、葛藤)をチャラにします。

私たち人間でたとえるなら、路上のちょっとした段差に転んだとき、頭をポリポリと掻きつつ、何事もなかったかのようにその場を立ち去る――そんな行動に近いかもしれません。

転んだ衝撃で蜘蛛の巣状に割れたスマホ画面も、猫の毛づくろいのように簡単に帳消しにできたら良いのですが…。

猫は反省しない、今がいちばん大事

飛びかかるベンガル

最後に、少しテーマからは逸れますが、猫は失敗をどうとらえるか、について触れておきましょう。

人間の場合、すり傷程度の失敗なら、お気に入りの音楽を聴きながら、好物のスイーツを食べさえすれば何となく忘れられます。しかし、人生の根幹に関わる失敗だと、そうもいきません。場合によっては、数ヵ月単位で落ち込み続けることもあります。

一方で、もともと狩猟を信条とする猫の暮らしは、失敗がつきものです。狩りの成功率は約1割程度に留まると言われています。

人間のように、獲物を逃がすたびにショックを受け、ああでもないこうでもない、と反省していたら、猫が過酷なサバイバルを生き抜くことは不可能です。

猫が大事にするのは、滝に打たれながら、過去の失敗を猛省し、今後につなげることではありません。「今」に集中することです。その一貫した姿勢があるからこそ、不意に訪れた目の前のチャンス(獲物)をつかみ取る確率も高まります。

反省しない猫の潔い態度は、人間にはとてもマネできない「行動哲学」です。私たちにできるのはせいぜい、誘惑の手にいともたやすくからめ取られ、かつての痛恨事を思い出しては、人知れず赤面することだけかもしれません。

まとめ

顔を隠して眠る子猫

本文でも明らかにしたように、猫には「恥ずかしい気持ち」など一切ありません。たとえば、ジャンプの着地失敗で見られる、失敗を取りつくろうような行動は、単にさざ波立った自分の気持ちを慰めているだけです(転位行動)。

恥じぬ、反省せぬ、今に集中する―猫の真摯な態度は、何だか武術の達人のようで、失敗のたびに頭を抱えがちな私たちにはうらやましい限りです。

日々、猫から教えられる無言のレッスンは、愛猫家の特権かもしれません。これからも良いところはどんどん吸収して、猫のように目の前のことに集中する人になってみてください。

関連記事

押し入れを探検中の猫→ママが『名前を呼んで声をかけた』結果…『まるで人間の親子のようなやりとり』に「言葉を完全に理解してる」「賢い」
猫がカメラの前にやって来たと思ったら…あまりにも想定外な『ポーズ』に爆笑する人が続出「不意をつかれたw」「手出っぞって感じw」
台風が接近していた日、『用水路沿いに4匹の子猫がいる』と通報がきて…急いで向かった結果→思わず涙がでる光景に「本当に良かった」「ありがとう」
猫が他の猫の首を噛む理由と止めさせる方法
猫が声を出さずに鳴く「サイレントニャー」の心理

  1. 【青森県で最大震度5強】北海道・青森県・岩手県であわせて9人が重軽傷 22日午後5時半時点 総務省消防庁
  2. 【速報】日テレ「シューイチ」等で楽曲使用したとうその報告し「JASRAC」から著作権使用料として計約630万円詐取か 音響効果業務会社の元役員の男逮捕 警視庁
  3. 東京メトロ銀座線 全線再開は午後8時ごろになる予定
  4. 酒に酔ってバーの従業員に暴行疑いで逮捕されたラグビー選手の男性を不起訴 東京地検
  5. 【京都男児遺棄】水中ドローンなど使い…警察 2日連続で遺体発見現場から約2キロ地点のため池を捜索
  6. プルデンシャル生命会見 営業自粛期間「180日間延長」を発表 異例の9か月営業自粛 同グループ「ジブラルタ生命」でも不正疑われる事例が
  7. 東京・足立区で道路陥没のおそれ 水道管工事中の地下トンネルに土砂流入で 現在も500mにわたり通行止め 復旧工事のため数日間継続の可能性も
  8. 【 石原詢子 】乳がん治療と並行し3日間の四国ツアー完遂「身体中の細胞が頑張ってる」 不安を乗り越え掴んだ自信
  9. 世界地図が変わる?広く使われている「メルカトル図法」はアフリカなどを縮小して反映… トーゴが「イコールアース図法」への切り替え求め国連決議案提出へ
  10. 【速報】東京メトロ銀座線 約13時間ぶりに全線で運転再開 乗客32万9000人に影響
  11. 【 市川團十郎 】長女・麗禾さんと“夜のディズニー”満喫 「手を繋いで歩いていると なんか勘違いされるくらいの身長にもなってきて、ドギマギもしました」
  12. 「えぐい、えぐい!」日本海で漁船に近づいてきたのは…“海の王者”シャチ 石川・能登町の漁師も驚く「宝くじに当たったレベル以上」その瞬間映像