郵便事業発展の裏には猫たちの存在が?郵便局で勤勉に働き、職員たちを助けた「郵便局猫」たち 英国・米国
かつて英国や米国の郵便局には猫が常駐していました。建物のネズミを駆除するだけでなく、マスコットとしても人々に愛された存在でした。
英国郵便に「週1シリング」で雇われた猫

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英国郵便(The Royal Mail)に、かつて「郵便局猫」がいたことをご存じでしょうか。「郵便局長が猫好きだったから」というわけではありません。建物からネズミを駆除する方法が必要だったので、猫を飼うことになったのです。
1868年、郵政長官は郵便局で「猫を雇う」ことを認可しましたが、当初3匹いた猫の食事代として要求額の週2シリングではなく、1シリングしか割り当てませんでした。以来予算の増加をめぐって攻防が繰り広げられたのです。
1918年、各猫にそれぞれ週1シリングを与えることが決まりました。この額は1950年代まで続きました。
なかでもMinnieという名の猫は、ロンドン郵便局本部ビルでネズミ駆除係として長年輝かしいキャリアを築きました。1950年にMinnieが亡くなると、その息子だったTibs the Greatが後任に就いたのです。
もっとも偉大な郵便局猫

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Tibs the Greatは、その名のとおり偉大な猫です。成猫のときに体重が23ポンド(10.4キロ)もあった大柄な猫で、郵便局で14年間ネズミ捕りとして勤勉に働いた後、英国郵便本社の「公式猫」にも任命されました。
でもTibsが引退するころまでには殺虫剤が広く普及していたため、その後は郵便局猫を雇う必要がなくなってしまいました。
それでもTibs the Greatが1964年に亡くなったとき、郵便局の雑誌に追悼記事が掲載されるほど惜しまれたのです。
米国にもいた郵便局猫

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郵便局猫がいたのは英国だけではありません。
1904年、ニューヨーク・タイムズ紙は「この国で唯一の連邦猫の管理者であるGeorge W. Cookが自身の81歳の誕生日を祝って、60匹の郵便局猫を招いてパーティーを開いた」と報じました。
そのときのメニューは「子牛のレバーと子羊の腎臓」だったといいます。当時の新聞を見ると、郵便局猫たちの驚くべきネズミ捕りの腕前や、勇敢で愛らしい奉仕の毎日に関する記事が満載されています。
現在は米国でも、害虫駆除業者の参入によって郵便局猫は見られなくなりました。でも郵便事業が拡大していった背後に、猫たちの活躍があったことは忘れないようにしたいものです。
出典:
・A Brief History of Post Office Cats
・True Cats’ stories: Tibs the Great
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