『イグ・ノーベル賞と猫』にまつわる3つのおもしろい研究 『猫は液体』説のほかにも驚きの発見が

2025-09-09 06:00

ノーベル賞と並んで世界的に注目される賞と言えば、「イグ・ノーベル賞」です。今回は、ユニークな賞のなかで猫に関連する研究を3つ紹介します。話題の「猫は液体」説についても触れるので、最後まで面白おかしく読んでみてください。

1.猫は液体である!

箱におさまる猫

「イグ・ノーベル賞」は、本家・ノーベル賞のパロディ版とも言うべき賞で、ナンセンスでシュールな問題を生真面目なまでに研究、解明する点が最大の特徴です。

「猫は液体である」という巷でささやかれていた説を、流動学(レオロジー)を駆使して、科学的に説明したのが、パリ・ディドロ大学のマーク・アントワン・ファルダン氏です。2017年にイグ・ノーベル物理学賞を受賞しました。

液体を改めて定義すると、一定の体積を持ちながらも、入れ物に合わせて形が変わることです。猫もまた、固形でありながら、透明ボウルやお鍋、紙袋など、好みのスペースに応じて、身体を自在に変容させます。

定義通り従えば、猫だって液体じゃないか―というのが、ファルダン氏の主張です。

ちなみに、猫の身体がどんな液体でできているかについては、いまだに特定できていません。

もしかすると、たとえば、白猫は黒蜜、黒猫は練乳、キジトラに至ってはかき氷のメロンシロップといった具合に、甘い液体がたぷたぷに詰まっているかもしれません。いずれにしても、私たち人間はカブトムシやクワガタのように、その独特の甘さに吸い寄せられていくだけです。

真の科学的な解明は、今後の研究に譲るとしましょう。

2.人は猫の「ニャー!」を聞き分けられるか?

見上げて鳴く茶トラ猫

続いては、2021年にイグ・ノーベル生物学賞を受賞した、スウェーデン・ルンド大学のシュルツ博士による「猫語の研究」です。

「人は猫の鳴き声を聞き分けられるか?」をテーマにした彼女の研究では、猫の鳴き声の音量や周波数などのデータを収集し、分析した末、状況によって猫が鳴き方を変えていることを突き止めました。

別の実験では、こんな結果も出ています。

「ゴハン待ち」、「慣れない場所へのキャリー移動中」、「飼い主によるブラッシング時」という3つのシーン別に録音した猫の鳴き声を被験者に聞かせ、どんな場面で鳴いているのか、質問しました。

実験後、猫飼い経験者のほうが、そうでない人よりも鳴き声の違いをある程度聞き分けられることが判明した、と言います。

猫は、飼い主さんを「大きな猫」として認識している説もあり、飼い主さんの小ぶりな耳も、アフリカゾウの耳のように巨大に見えているのかもしれません。ただ大きいだけでなく、感度も抜群、といったところでしょうか。

シュルツ博士の研究は、状況別に鳴き声を変える猫の繊細さはもちろん、愛猫のニーズを満たすうえで、飼い主さんの絶妙な聞き分けがいかに大事であるか、端的に示唆しています。

3.猫のキーボードお散歩をどう防ぐか?

キーボードの上に立つ子猫

最後は、相当にニッチなイグノーベル賞の例を紹介しましょう。

テーマは、「猫のキーボードお散歩をどう防ぐか?」です。

猫がキーボードのうえを歩くと、でたらめな文字や記号がPC画面いっぱいに並びます。おそらく、猫の飼い主さんであれば、一度は「ポー打ち被害(猫の脚は英語でpaw)」に遭ったことがあるかもしれません。

アメリカのクリス・ニスワンダー氏は、世界共通の悩みであるこの問題を解決すべく、研究分析の結果、画期的なソフトウェアを開発しました。

猫のキーボードお散歩による、めちゃくちゃな文字入力パターンが検知されると、自動的にキーボードがロックされる、というソフトウェアです。さらに、猫がキーボードに近づいたら、思わず避けてしまうような不快に感じる音も鳴るしくみになっています。

私たちの「ポー打ち被害」には、単に支離滅裂な文字入力だけでなく、重要ファイルの削除などの決して笑えない損失も含まれています。彼の手がけたソフトウェアは、まさに世界中の猫飼いさんを窮地から救うアイデアと言えます。

この功績により、ニスワンダー氏は、2000年にイグ・ノーベル計算機科学賞を贈られています。

もし日本語版があれば、トイレ休憩の間に、「○○様。いつもお世話になっております。;がえcっヴぇのkzべlhjdvんgnおpr@、。おtts;fぽ」という意味不明メールが、大事な取引先に送信される悲劇も避けられるかもしれません。

まとめ

窓際の透明ボウルにおさまる猫

「イグ・ノーベル賞」の核心は、誰も研究しないようなちょっとしたテーマを、いかに真剣に深く掘り下げていくか、にあります。その先には、シュールで思わず笑ってしまう世界が広がっています。

今回は、猫にまつわる受賞歴のなかで、3つの研究に絞って紹介しました。

本文を読んで、持ち前の研究心に火がつき、猫をテーマにした「イグ・ノーベル賞」を目指そう!と意欲を燃やす人が少なくとも、2、3人いたら、これほどうれしいことはありません。

たとえそうでなくても、最後まで投げ出さず読んでいただいて、ありがとうございます。

関連記事

長風呂をしていたら、『待ちきれなくなった子猫』が…あまりにも可愛すぎる光景が165万再生「眺めていたくなるねw」「食べたくなった」
『ママ不在の日』に……パパには普段『塩対応な猫』が見せた→まさかの行動に「可愛すぎて笑っちゃった」「良かったねw」と10万再生の反響
10年以上、田舎で一人暮らしだった母に『寄り添い続けてくれた猫』……大きな愛情に「動物の愛って凄い」「涙がこぼれ落ちた」と感動の声続出
猫が嬉しい!と感じている時の4つの仕草
猫が大好きという気持ちを飼い主に伝える9つのサイン

  1. 45歳で競技を始め54歳で日本代表入り!佐藤真理子「面白いと思わせる」アジア大会優勝でロス五輪枠獲得へ
  2. 【速報】茂木大臣がICC赤根所長と電話会談 トランプ政権から制裁対象に指定
  3. 5キロ3156円 コメ平均価格2週連続の値下がり 新米の本格出回り前に安く売る動きか
  4. 【 独自インタビュー 】綾瀬はるか&松下洸平 日常生活で欠かせないものを告白「本当にTシャツに短パンみたいな」「すごい方向音痴で…」
  5. 記録的大雨から一夜明け冠水続く富山・氷見市 さらに水かさ30センチが増した場所も 高柳光希アナウンサー現地中継
  6. 【 訃報 】イザワオフィス会長 井澤 健さん死去(90)慢性心不全のため(発表全文)
  7. 来年度予算案の概算要求140兆円前後に「事項要求」で予算要求はさらに膨張へ
  8. シルバーウィーク渋滞予測 下りピークは19日・20日 上りピークは21日・22日 中央道で最大45キロなど
  9. 【 井上咲楽 】〝駐車場で車擦った〟ドライブでしょんぼり一人語り 阿久津さんからの言葉で立ち直り&帰路に〝コミュニケーション〟でほっこり
  10. VIVANT【宮下今日子】小日向文世さんとの思わぬ2ショット写真公開に VIVANTファン騒然「嘘だろ…専務もシンシー?!」
  1. 【速報】インフルエンザ 全国で流行入り 2023年除けば過去2番目の早さ 厚生労働省
  2. 【 がん闘病 】石原詢子 抗がん剤の副作用を吐露「ここのところ、足の浮腫が尋常じゃなく・・」「手足の指の痺れ、、そして手の指の皮がめくれてきて痛い」
  3. 「九州ふっこう応援割」 宿泊費や旅行商品は5~6割の割引で対象は九州全域に 金子国交大臣「ぜひ被災地や九州に入って物心両面の支援を」
  4. 【 いぬ 】照英 愛犬パピコを有名お菓子のパッケージに〝こんなコラボをたくさんやってみたい〟
  5. 「人間のクズ」発言などパワハラ認定の横浜市長が辞職届を提出 今後については「退職届を出すことが精一杯で先の事は考えられない」
  6. 日本人5人と連絡取れず 官房長官「観光目的で入国」 ネパール・中国の大規模土石流で死者は470人超に
  7. 幅26.4mの巨大スクリーンで体感する坂本龍一+高谷史郎の世界! 「AMBIENT KYOTO」東京展が開幕
  8. きのうの朝よりさらに増水… 富山・氷見市で2度の大雨被害 万尾川溢れ膝上まで浸水のおそれも【現地報告】
  9. 続投意欲から一転「まずはけじめを」 パワハラ認定の山中竹春・横浜市長が辞職の意向表明 涙で支援者に謝罪
  10. “パワハラ認定”の山中竹春横浜市長が辞職の意向 「人間のクズ」などと発言 後援会の会合で表明
  11. 「麻布十番納涼まつり」76人が体調不良 食中毒とみられる症状 体調不良者のうち多くが冷やしカニラーメン食べたか 港区保健所が調査
  12. 田中希実「自分の中では過去最高の仕上がり」アジア大会“異例”の3種目出場へ、世界に通用するために「箱根に出る男子になったような気持ちで」【陸上】