粗品がガチで曲作りの極意語る! 来年開校「バンタンミュージックアカデミー」特別公開授業レポート

2025-09-10 07:25

来年4月に開校を迎えるデジタル時代に対応した音楽専門スクール「バンタンミュージックアカデミー POWERED BY ユニバーサルミュージック」が、入学検討者を対象とした特別公開授業を9月6日に開催。人気芸人であり、自身のレーベルで音楽活動も行う粗品を講師に招き、『作詞作曲から感覚的コード進行、SNSの使い方まで』と題した講義を行った。テレビなどではあまり語られることのない粗品の音楽トークに若者たちは興味津々。ここではその中身から一部を抜粋して当日の様子をレポートする。

お笑いにも音楽にもストイックな粗品が学生約230人に講義

デジタル技術の進歩により音楽制作も発信方法も多様化した現代。数々のクリエイター育成スクールを運営する株式会社バンタンが世界的レーベルのユニバーサルミュージックと提携して開校する「バンタンミュージックアカデミー POWERED BY ユニバーサルミュージック」は、個人でのコンテンツ発信も可能になった現在の音楽シーンに対応できる音楽アーティストや専門人材の育成を目指している。

コンビとしてM-1グランプリに優勝するなど実力派芸人として若者から絶大な人気を得る傍ら、幼少期から親しむ音楽にも力を注ぎ、ユニバーサルミュージック内に自らのレーベル「soshina」を立ち上げ、精力的な活動を行う粗品。受講者約230名を集めた会場に姿を表すと、会場は大きな拍手につつまれた。

「正解がないので選択肢を提案したい」「技術以外の話は粗品の感覚なので通常より捻くれている」「粗品は音楽で売れていない」という3つの前提を始めに明示した上でスタートした講義は、「作詞作曲」「コード進行」「音楽の流行の時代の流れ」「質問コーナー」という4つの項目で進行し、粗品の音楽活動に対する考え方が明かされた。

粗品が語る歌詞作りの極意とは

「作詞作曲」の講義では、まずは粗品自身が作詞作曲を手がけたテレビアニメ「青のオーケストラ」のエンディングテーマ「夕さりのカノン feat.『ユイカ』」のBメロを例にしながら作詞のテクニックを指南。オーケストラ部を舞台にしたアニメ作品ということで、「大人なら学生生活を思い出すように、学生なら共感できるように書いたんです」と粗品は語り、各詞に込めたこだわりを解説する。

このうち《文房具と時計 交互に見てる》というフレーズについては「授業が退屈で音楽のことばかり考えている退屈な様子を表現した」という。その上で「例えば《退屈な授業 あくびが止まらない》みたいにストレートに表現してもいいんだけど、表現というのは文学的な意味を持たせると評価してもらいやすい」と粗品は話し、「新人だからこそストレートで素朴な歌詞が書けるんだ…とは評価され難い時代になっているから、表現の工夫をひとつくらい持っておくと差が付けられる」とアドバイスを送る。

一方で《太陽が雲に 空を一瞬任せる》というフレーズは、雲が日光を遮り教室の中が一瞬暗くなる“教室あるある”を表現した詞。ここについては、あえて「回りくどい表現をしている」と言い、「歌詞というのは回りくどく遠回りの表現ができるし、意味わからんことを投げっぱなしにしても(聴く人が)勝手に解釈してくれるから、結構攻めていいと思う」と語る。

続いて押韻のテクニックについては、「韻を踏めば踏むほど良いかといえばそんなことはないけど、韻を踏んでると『なんかちゃんとやってるな』と思われる確率が高い」と話し、これも先ほどの曲をサンプルにして実例を紹介した。

“コード変態”粗品の作曲プロセス

次に「コード進行」の講義では、これから作曲を始めたいという人向けに「コードを先に決めて当てる」やり方と「鼻歌にコードをつける」やり方という2つのアプローチを伝授。卓上のキーボードとギターを使いながら、コード進行とメロディの関係性という作曲の基本を解説した。

どちらの方法も「感覚でやるか理論でやるか、2つのやり方がある」と前置きしつつ、前者については王道的なコード進行であるカノン進行を用いて鼻歌でメロディを付けていく方法を紹介し、後者については即興やボイスメモなどに録音した鼻歌にコードを付けていく方法を実践して見せる粗品。高校時代から作曲に取り組んできた本人は、最近では後者の方法で作ることが多いものの、「いろんなコードのパターンを知ってる自分はすぐできるけど、これは慣れるまでちょっと難しいと思う」と話し、「慣れるまではコードの構成音を拾ってメロディを探していくのがいい」とアドバイスする。

さらに「コード進行というのは学べば学ぶほど面白くなるし、こねくり回したくなる」と話した粗品は、コードを変えたり変化を加えることで聴こえ方の印象ががらりと変わることを生演奏で実演。その上で「作曲を突き詰めていくと“コード変態”になりがちで、米津玄師やYOASOBIのAyase、『倍倍FIGHT!』を作った玉屋2060%など、現代でバズってる曲を作っている人も全員がそうだから、今ありふれている曲の中にも変わったコードがある」と持論を交えて考察。また、昨今のアニソンで流行しているコード進行「分数オーギュメント」にも触れ、「こういうコードって今結構めちゃくちゃやっても無理やり上級音楽科が解釈してくれたりする時代に入っているから、新人アーティストでもこだわりを持つのは作戦としてあり」と語るなど、自身も十分なコード変態ぶりを見せていた。

今、音楽で“売れる近道”とは?

そして「音楽の流行の時代の流れ」の講義では、始めに「めっちゃ売れたい? それともちょっと売れて飯食えたら良い?」という二択を受講生たちに問いかけ。その上で「サブスクサービスに一日何万曲と誕生している中で、今めっちゃ売れたいなら『タイアップかTikTok』のどちらかしかない」と断言する。では、どうやってタイアップを得ればいいかといえば、「事務所に入って押してもらう。これしかない」と、リアルな音楽界を知るがゆえの生々しいアドバイスが。

さらにタイアップを得た先の世界として「一個タイアップが付いたからといって必ず売れるというわけではなく、売れるかどうかはタイアップ作品の影響力にも左右される」とし、「どれだけ良い作品ができても売れるかどうかには運が絡むから、とにかくやり続けるしかない。そこで折れずにどこまで頑張れるかだと思う」と、諦めないことの大切さを伝えた。

1時間にわたる講義は、芸能人として業界の内部を知るからこその“ここだけの話”も満載で、粗品の“二刀流”の才能がしっかりと感じられる時間に。一方、特に作曲の話など、これから本格的に音楽を学び始めたいという受講者にはちょっとテクニカルで難しい部分があったかもしれない。しかし、さすが一流芸人という巧みな話術で観衆に熱く真剣に語りかけるトークには、音楽で生きていこうか迷っている若者を自分もやってみようと引き込む魅力があった。

ギタリストの布袋寅泰が特別顧問に就任したことでも話題の「バンタンミュージックアカデミー POWERED BY ユニバーサルミュージック」では、学びたいことに合わせた学部と自由度の高いカリキュラムを用意し、音楽業界を夢見る若者たちの意欲をサポート。KADOKAWAグループのS高等学校やZEN大学などとの提携で大卒・高卒の資格が取得できる道もあるので、音楽を中心に様々な学びを得たいという人も進路の選択肢のひとつにしてみては。

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