第0回「OSAKA FUORI SALONE 2025」が開催 大阪に新しいデザインイベント誕生

2025-09-12 19:00

連日大勢の来場者で盛り上がる大阪・関西万博は、9月10日までに累計入場者数が17万人を突破しました。万博の開催地である大阪市は万博効果による熱気に包まれ、多くの観光客や外国人があふれかえり、お祭りのような賑わいです。同市は今や日本で最も活気ある都市といっても過言ではありません。そうしたなか、大阪高島屋で新しいデザインイベント「OSAKA FUORI SALONE 2025(オオサカ・フオリ・サローネ)」のお披露目が行われました。

本イベントは、大阪市の姉妹都市であるイタリア・ミラノで毎年開催されている世界最大級の家具・インテリア見本市「ミラノサローネ」をモデルにしています。来年の第1回開催に向けた“第0回”としてプレイベントが開かれ、日本を代表する家具メーカーやインテリア企業、空間デザインに携わる企業が一堂に会しました。最新の技術と伝統的な美意識が交差する展示は、多くの来場者の関心を集めています。

ミラノと大阪の交流から生まれた「大阪版サローネ」

ファッションとデザインの都・ミラノと大阪は、1981年から姉妹都市提携を結び、文化や産業など幅広い分野で交流を続けてきました。来年で45周年を迎える節目に向け、大阪ならではの感性を取り入れた「OSAKA FUORI SALONE」が企画されたのです。

イベントへの意気込みを語る立野純三氏

立案者である株式会社ユニオンの立野純三氏は、こう語ります。
「40年前の大阪には、いたるところに展示会があり、世界中から『大阪に行けば何でも揃う』と言われた時代がありました。ところが今では、その多くが東京に移ってしまった。もう一度、大阪を展示会・発信の拠点に戻し、都市の復活のきっかけにしたいと思っています」

大阪は古来「天下の台所」として商業・流通の中心を担い、日本経済を支えてきた都市です。しかし近年は東京一極集中やアジアの新興都市の台頭に押され、その存在感は相対的に薄れてきました。立野氏は「万博とサローネが、大阪の再興を牽引する大きな契機になる」と強調します。

西岡利明氏は大阪の持つ魅力について熱く話す

また、本イベントを立野氏と一緒に主催したSANEI株式会社の西岡利明氏も、大阪という都市の特性に期待を寄せています。

「大阪の魅力は“アンテナ力”と“発信力”。ファッションやグルメ、さらに流行語など、東京で流行しているものも、実は大阪発祥であることが少なくありません。柔軟で挑戦的な都市だからこそ、OSAKA FUORI SALONEは意味を持つのです」

さらに、西岡氏は大阪特有の雰囲気についても言及します。
東京の凛とした空気に対して、大阪には緩やかで親しみやすい空気がある。その独特の風土が、新しいものと伝統的な文化をうまく融合させているのです。これこそ大阪にしかない魅力であり、他の都市にはない特徴だと思っています。海外からの来場者にもぜひ体感してほしいですね」

出展企業と注目の展示

プレイベント第0回となる今回、メイン会場である高島屋7階には複数の企業が出展。それぞれが独自の視点から、生活空間に新しい価値をもたらす提案を行いました。

ローランド ディー.ジー.株式会社 × 株式会社乃村工藝社

3Dプリンターを使った独自の作品の数々

デジタルプリンティングと空間デザインを融合させた展示。「パウダー3Dプリンター」による石膏建材の提案は、セラミックの新しい使い方を切り開きます。3Dプリントに釉薬を施し、工芸品のような質感を生み出す試みは、テクノロジーと伝統の融合そのものです。

中井産業株式会社(和歌山)

左が中井産業株式会社だけの「二重組子障子」。右が吊るせる障子

創業90周年を迎える老舗建具メーカー。特許取得の「二重組子障子」をはじめ、障子がつくり出す影の美しさを引き立てるデザインを披露します。さらに古くからの建具としての使い方に拘らない「吊るす」「仕切る」「照明にする」といった障子の新しい使い方を提案し、障子の可能性を広げています。

平田タイル(大阪)

いろいろなタイルを選ぶことで独自の世界観をつくることができる

創業106年を誇る建材商社。オリジナルブランド「Framed BISCUIT」では、自由に選べるタイルの魅力を紹介。熱や水に強いという特性に加え、陶器ならではの豊かなデザイン性を活かした新しいライフスタイルを提案しています。

ケイミョー株式会社(大阪)

左がSOLIDO。右が建材を使ったテーブル

日本の住宅外壁材・屋根材の大手メーカー。注目商品は「SOLIDO(ソリド)」。コンクリートの白華現象(エフロレッセンス)を逆手にとり、唯一無二のデザインに昇華した建材です。他にも「カラーベスト」という屋根材や外壁材を使ったテーブルなど建材の枠を超え新しい可能性を示しています。

Demold(富士工業株式会社)

左が金具を加工したインテリア。右のランプシェードもDemoldの作品

金属を使ったインテリアブランド。アルミや真鍮などの金属を自在に加工し、唯一無二の模様や凹凸をもつ家具にして展示。日本的でありながら、近未来的かつ重厚感のある空間提案は、多くの来場者の注目を集めています。

株式会社アダル(福岡)

右がイグサを使ったリクライニングチェア。左は着物に着想を得たソファ「HAORI」

ホテルや飲食店向けに業務用家具を提供してきた老舗の家具メーカーが、今回注目しているのは日本古来の植物「イグサ」を使ったインテリアです。
イグサといえば日本で1300年以上栽培されていた歴史があり、古くから畳の素材として馴染み深いものですが、実は日本国内の栽培は海外のイグサに押されて年々減少し、今存続の危機にあります。そこで同社は、日本産イグサの魅力に再び光を当て、家具やインテリアとして新しい形で活用。
伝統的な素材を現代的にアレンジし、海外の人々にも親しみやすいデザインで提案しました。モダンで国際的にも通用するそのデザインは、ヨーロッパ市場でも高く評価されています。

デザインがつなぐ未来へ

来年の本イベントに向けて話をする永山祐子氏

イベントディレクターを務めた永山祐子氏は、次のように語ります。
「今回は“第0回”という形で、来年の本格開催に向けた予告編として楽しんでいただければと思います。いずれは本場ミラノのように、街全体でデザインを体感できるイベントに育てたいですね」

永山氏はまた、「ものづくりの裏側を知ることこそ、このイベントの醍醐味」とも話します。職人の技術や企業の理念に触れることで、製品の魅力が何倍にも広がるのだといいます。
「世界中に様々なデザインイベントがありますが、こういったメーカーさん側から発信できるスタイルのイベントはなかなかありません。こうした特徴もOSAKA FUORI SALONEの魅力のひとつだと私は考えています」
そういった“つくりて”側の人たちと直接触れ合うことでお互いに新たな発見や気づきが生まれるのでは、永山氏はそう話します。
「とにかく今回のイベントは来年の第1回へ向けての序章です。ぜひ一般の方にもご来場いただいて、製品の魅力を生で感じてほしい」

さらに永山氏は今後の展望として次のように新しい可能性も示唆しました。
「家具や建材に限らず音楽やテクノロジーなど、ライフスタイルに関わるあらゆる分野が加わっても面白いですね」
多様なジャンルとの掛け合わせによって、都市型デザインイベントとしての独自性を強めていく考えです。
「ものづくりをしている人が主体となった、このOSAKA FUORI SALONEを通して、社会全体、さらに日本全体を元気にしていくようなイベントにできたら嬉しいですね。日本の職人たちの熱意を、ぜひ現地に来て体感してみてください」
永山氏はそう言って笑顔で結びました。


【OSAKA FUORI SALONE 2025 開催概要】

期間:2025年9月10日(水)~16日(火)
会場:大阪高島屋 6~7階 催事スペース
   〒542-8510大阪府大阪市中央区難波5丁目1−5
時間:10:00~19:00(土・日・祝日を除く)
※関連店舗やショールーム、ギャラリーでもサテライト展示を実施。
詳細は公式ホームページ参照。
公式ホームページ:https://osakafuorisalone.com

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